10月2日は豆腐の日。予想外の展開に大笑いする絵本「おとうふ2ちょう」をご紹介します!
お母さんから「しょうゆとごま油とお豆腐1丁」のおつかいを頼まれた一番上のおにいちゃん。ところが晩御飯に豆腐が2丁必要だと気づいたお母さんは、おにちゃんの携帯に電話して「お豆腐、もう1ちょう買ってきて!」と頼みます。
すでに帰り道だったおにいちゃんは、早く遊びに行きたくて、「えー、お豆腐2丁は重くてもてないよ」とウソをついて断るのです。
おかあさんは仕方なく、双子の妹に「あと1丁」のおつかいを頼みます。ところがなかなか帰ってこないので、次に三つ子の弟にも頼むことに。
必要なのはお豆腐2丁、追加でほしいのはあと1丁!
ところが、はじめてのおつかいにおおはりきりの双子と三つ子は、「おかあさんは、おとうふが2丁必要だっていってたよね」「ぼくもかう!」「ぼくもかう!」とかんちがい。
1人2丁ずつ買ってしまい、挙げ句の果てにお父さんまで2丁買って帰ってきたものだから、家にはなんと合計13丁のお豆腐が!!
困ったお母さんは、
「もう、今日はお豆腐料理をいっぱいだしますからね!」と、いいながら
13丁のおとうふを見事な料理に変えました。
その夜、食卓に並んだのは、おいしそうな豆腐料理の数々。
みんなはワシワシ、おにいちゃんもちょっと胸が痛みましたが、ワシワシ食べましたとさ。
さて、このお話の一部始終を見ていたのが、
この家に住んでいるネコです。
子どもたちがお豆腐屋さんやスーパーにはりきっておつかいにいく様子や、公園に寄り道するところまでしっかり見守っています。
裏表紙も、ほらこの通り。
「家族が次々に出てきて、豆腐がどんどん増えていく様子に、読む度に大笑いしています!」と、たくさん感想をいただくこの絵本。
小さなウソやかんちがい、いろいろあっても、家族で食卓を囲む姿は、見ているこちらもほっこりします。
日本万能食、とうふをめぐる大家族の笑えるお話とともに、今夜はお豆腐にしませんか?
●「おとうふ2ちょう」(作・くろだかおる/絵・たけがみたえ)
作・くろだかおる(黒田薫)
絵本作家。和光大学人文学部人間関係学科卒業。リズミカルでユニークな世界観が多くの読者を魅了している。
作品に、「ゆうれいとすいか」「ゆうれいとなきむし」『ゆうれいとどろぼう』(以上ひかりのくに)『はやおきおばけ』『おまつりおばけ』(共にフレーベル館)、『おとうふ2ちょう』(ポプラ社)。
絵・たけがみたえ(竹上妙)
画家、版画家。和光大学表現学部芸術学科卒業。生命力に満ちた力強い描写とユーモアあふれる表現で幅広い層の支持を得ている。 絵本作品に、『マンボウひまな日』(絵本館)『ふくろうのオカリナ』(蜂飼耳・作 理論社)『きょうは泣き虫』(好学社)「うみのあじ」(あかね書房)『だんだん だんだん』(チャイルド本社)。
(文 小堺加奈子)