こどものころ読んだお話みたいにピクニックをしてみたかったんだ!『ティモシーとサラのピクニック』――絵本を思い出すところ#13
絵本の中の風景へ想いを巡らすとき、それを手にした幼い頃の記憶もまた、絵本の思い出の一部になっていく――そんな「絵本を思い出すところ」を編集者とカメラマンが探していきます。
おはよう、とってもいい天気!
今日は、待ちに待ったピクニックの日。
野原に布をひろげたよ。
サンドイッチ、おにぎり、ウインナーにたまごやき。
あまくて美味しいクッキーもある。
大好きな絵本とおなじはっぱだね。
こどものころ夢中で読んだ
ティモシーとサラのお話みたいに、
ピクニックをしてみたかったんだ!
ごちそうさま。
ポツ!
あっ! 雨がふってきた……。
木の下で、雨やどり。
すぐにやむかな?。
絵本と違って、雨はほんの少しふっただけで、
また太陽が野原を明るく照らした。
はっぱたちが、いつもよりきらきらしている。
次のピクニックはいつできるかな。
今度はどこに行こうかな?
★
『ティモシーとサラのピクニック』 作・絵/芭蕉みどり
芭蕉みどりさんの、通称「ティモサラ」シリーズの4作目。
今日は楽しいピクニックの日。お父さんの作ったサンドイッチを持って、お母さんの見つけた素敵な場所に出かけます。サンドイッチを食べようとしたその時、雨がふってきました。雨はふりやまず、おうちに帰ったティモシーとサラはがっかり。ところがお母さんがふたりを呼ぶと、そこには……!
春の空気と家族のあたたかさが詰まった、読んでいるだけで楽しくなる作品です。細やかに描かれた草花、ピクニック道具、お菓子など、とても愛らしく、いつまでも絵本の世界に浸っていたい気持ちになります。https://www.poplar.co.jp/book/search/result/archive/3450023.html
★
(文・編集/齋藤侑太 写真/白井晴幸)
ポプラ社 齋藤侑太
1985年、茨城県生まれ。2012年、ポプラ社入社。営業職、社内デザイナー、幼児向け書籍の編集を経て、2020年から絵本の編集を中心に担当。
白井晴幸
東京都生まれ。2010年、多摩美術大学卒。作家として活動する傍らカメラマンとして本の装丁や風景、建築などを撮影している。≪Website≫