【トップの最新名言】セールスフォースCEOマーク・ベニオフに学ぶ〜リモートワークの未来を考える5つの名言|世界の最新テレワークニュース
テレワークに関する日本であまり知られていない世界中の最新ニュースについて、その要点&考察をお届けする「世界の最新テレワークニュース」。今回は、MARKETS INSIDERのリリースである「Salesforce CEO Marc Benioff rules out a full return to work, says the pandemic will linger, and urges climate action in a new interview. Here are the 8 best quotes.」という記事に基に、「セールスフォースCEOマーク・ベニオフに学ぶ〜リモートワークの未来を考える5つの名言」というテーマで要点と今すぐ使える対策について解説します。
今、日本のSaaS企業の大半がこのSalesforceという会社をベンチマークして進んでいると言われています。CEOであるマーク・ベニオフの最新の世界観を知ることによって、私たち日本のビジネスマンも今後どのように社会が進んでいき、どういう風に考えていけばいいのかというヒントになるかなと思います。是非ご一読頂ければ幸いです。(元記事は英文ですがとても興味深い内容になっています。ぜひこちらもご覧ください)
▼今回の内容は以下の動画でもご覧頂けますので、ぜひご覧ください!
●マーク・ベニオフの世界観1:リモートは続くだろう
今回もサマリーを日本語訳してまとめていますので、まずはそちらから見て行きたいと思います。
(※上が日本語訳したもので、下が元々の英語の原文です。)
マーク・ベニオフの世界観、1つ目は「リモートは続く」です。これは「今後ビジネスの世界はどうなりますか」という質問に答えている内容です。記事では全世界で15%ぐらいの従業員がオフィスに戻ってきたということにも触れていますが、マークは「全員が戻ってくるわけじゃないよね」と言っています。「今、多くの人は自宅で仕事をして成功しているよね」と。「彼らは自宅で仕事を続けたいと思っている」「従業員が生産的であれば、CEOにとってはそれで良いはずです」と述べています。
マーク・ベニオフのもとには「コロナが終わったら完全にリモートではなくなって、全員オフィスに戻ってくるんじゃないの」とFORTUNE500という大企業群の様々なCEOからの声が届くそうです。しかし、それを彼は明快に否定します。「確かに一部戻るかもしれないけれども、全員戻るわけじゃないですよね」「全員がオフィスに戻ってくる時代はもうありません」と。「こういった方向に向けて、マーク・ベニオフとSalesforceは向かっています」と。
確かに、リモートに慣れてしまって仕事も回ることを知っている訳なので、反対にもし会社が強引に「全員戻れ」と言ったら、その企業の社員は他の会社に転職してしまうといったこともあり得ます。マーク・ベニオフは「リモートが全く無くなるということは今後もう無い」ということを、ここで改めて強く主張しているのです。
●マーク・ベニオフの世界観2:物理出社ではなくデジタル出社
マーク・ベニオフの世界観、2つ目は「物理出社ではなくデジタル出社」です。
マークは「私はサンフランシスコのアパートでSalesforceを立ち上げました。今日、私はSlackでSalesforceを始めようと思います」と言います。Slackはビジネスチャットツールですね。 このチャンネルでも何度も紹介しているテレワークで最も重要なツールと言えるものです。マークは続けます。「私のデジタルスペース(ビジネスチャット上のスペース)が、物理的なスペース(=オフィス)よりも重要だからです。私は皆をまとめる必要があるのです」。
Salesforceは社員の8割、9割近くがリモートワークです。そうなった場合に、CEOとしてどこに居るか、どこに存在して影響力を出すかというところで、もはや物理的な出社ではなくて「デジタルスペース」に居て、そこからいかに発信して存在感を出すのか、指揮をして行くことの方が大切であると言うのです。
世界中の経営者やチームリーダーの中には依然として出社している人も当然いると思いますが、リモート化が進み出社してない人もかなり増えています。社員やチームメンバーも同様です。そういった環境で、人に対してしっかり情報を届けたり、コミュニケーションしていこうと思うと、もはや自分自身はどこに居るべきなのか、何処に存在するべきなのかというところで、自身も物理的に出社して、出社している人に対して指示出したらいいよねという時代ではなくなったと。リーダーが自ら「デジタルスペース」に出向いて、そこから発信をしていくことが重要であるという事を言っている訳です。この意識はなかなか持てていない人も多いと思いますが、これから非常に重要な考え方だと思います。
●マーク・ベニオフの世界観3:Slackがデジタル本社に
マーク・ベニオフの世界観、3つ目は「Slackがデジタル本社に」です。マークは「この新しい世界では、CEOとしてビギナーズマインドを養っていなければ間違いを犯すことになります。私たちがSlackに270億ドルを支払った理由の1つは、全ての企業がデジタルHQ(=デジタル本社)を持たなければならないことを知っていたからです。欲しいものではなくて、必要なものだったのです」と発言しています。
ここにあるように、Salesforceは270億ドル(=約3兆円)という巨額の資金で、Slackを買収したんですよね。マークは買収した理由として、「全ての企業がデジタル本社を持つ必要があり、Slackが本社になると思ったからである」と言っています。さらに「これは欲しかったんじゃなくて、必要だったんだ」ということを強くメッセージしている訳です。
前段の部分は、「これまでの慣れている物理的オフィス出社前提ではなくて、きちんと初心に帰って新しい世界をしっかり理解していこう、新しい世界に慣れていこう」という警鐘だと思います。
今後は、これまでの物理的なビルのオフィスではなくて、チャットツールがデジタルの本社になると。そして、いかにこのデジタルの本社に出社して、この中でいかに盛り上げていくかが、企業のコミュニケーションや人間関係、雰囲気を醸成するために非常に重要であると。企業のリーダー・経営者としてはこの点を押さえて考えるべきなのは言うまでもありません。そして同時に、所属する個々の社員やメンバーとしても、いかにデジタル本社であるビジネスチャットツールに慣れ親しんでいくか、ここで存在感を出していくのかということがとても重要になるでしょう。
●マーク・ベニオフの世界観4:ビジネスもメタバースに
マーク・ベニオフの世界観、4つ目は「ビジネスもメタバースに」です。マークは「ロブロックスは、デジタルインターラクションの未来像です。カスタムワールドやカスタムアプリケーションを作成していますが、それはすべて一貫したメタバースプラットフォーム上に構築されています」と言っています。・・・カタカナばかりで、よく分からないという方も多いと思います。
まず「ロブロックス」とは何かという話ですが、ロブロックスというのは、世界で大きく展開するゲームのプラットフォームです。このロブロックス上で色々なゲームがインストールやダウンロードできたり、アバターという自分自身の見た目を購入して変更ができる。日本でも以前から流行っていますよね、GREEやDeNA様なイメージのものです。この会社が上場して3兆、4兆という凄い時価総額がついているという話が前提としてあります。
次に「メタバース」というのは、要は「デジタル空間の新しい世界」といった感じです。最近Facebookのマークザッカーバーグなども非常にこの「メタバース」に注目していることを発信しています。
ロブロックスはそのプラットフォーム(=世界)の中で、色々なゲームやアプリケーションやアバターが構築されています。 マークは、今後ITサービスの世界では同様に、Salesforceやslackといったプラットフォームの上に、どんどん新しい世界やアプリケーションが作られていく。 一貫して1つの世界観の上に成り立ってくる形が広まるということを言っています。
ロブロックスが国レベルの土台だとして、その上にある建造物のように様々な要素が展開されている様に、SaaSの覇者であるSalesforceも向かっていく。そして同様にFacebookも向かっていく。そうであれば、もう絶対に世界中のビジネスシーンがこういった方向性に世界が動いていくことは間違いないですよね。今後こういう世界観に、経営者として、ビジネスマン個人としてどうアダプトしていくのかということはとても重要です。
●マーク・ベニオフの世界観5:会社が継続するために
マーク・ベニオフの世界観、5つ目は「会社が継続するために」です。マークは「CEOは自分たちの文化、価値観、本当に大切なものに焦点を当てる必要があります。信頼はどこにあるのか、安全性はどこにあるのか、平等性はどこにあるのか、持続可能性はどこにあるのか。これらは今日の企業のコア・バリューである」と言います。
マーク・ベニオフは「トレイルブレイザー」という本を出しています。
この本は社会課題に対して自身や自社がどう企業貢献してきたかといったことが書かれた本です。この様にマーク・ベニオフは社会課題などへの関心は非常に高い「意識高い系」の典型とも言える人です。彼は会社が存続していくためには、「信頼」「安全性」「平等性」「持続可能性」といった価値を出していかないといけないと主張しています。
著書「トレイルブレイザー」の中でも、自身と自社がこれまで性差別問題や地域問題といった様々な課題に直面してそれをどうクリアしたが書かれています。そしてその過程からどの様に良い人材が集まってきたかといったエピソードが数多く紹介されています。
今後個々のビジネスマンも、こういった「構造や組織を作れている会社のメンバーになるのか」、「昔ながらの考え方に縛られる企業で働いていくのか」の選択を迫られる局面が多々出てくることになると思います。今回の記事はそういった際の観点にも役立つのではないでしょうか。
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