チャットツールでDMでなくチャンネルを使うべき 3つの理由
テレワークにおける代表的なコミュニケーションツールの1つと言えば、何と言っても“チャット”ですよね。今回お伝えするのは、そんなチャットを使用する際には、なるべく“DM(ダイレクトメッセージ)”ではなく、“チャンネル”を作りましょう、というお話です。
まだまだDMで送りたい人が多いが・・・
テレワークが普及して、多くのチャットツールが一般的に使われるようになってきました。Chatwork(チャットワーク)やSlack(スラック)、Googleのハングアウトや、MicrosoftのTeams(チームズ)など、皆さんもリモートのチームコミュニケーションで使用されている事が多いのではないでしょうか。
そんな中、チャットを使う上で、多くの人がDM(ダイレクトメッセージ)を使っているケースが多い印象があります。しかも、2人の間のみならず、3人や4人の間の場合も、“ダイレクトチャット”といった複数人の間のDMの様な機能を使っているケースを良く見ます。
実際に、先日私が参加しているプロジェクトで、新しくサイトリニューアルをするという企画の打ち合わせが行われたのですが、その際にも、「今後の打ち合わせは関係者間でのDMで行っていく」という話があったのです。
私はその場で、「やはり、DMではなくて、“チャンネル”を作ってコミュニケーションして行きましょう」と提案し、そのメリットを説明しました。その結果、そのプロジェクトでもチャンネルを作ってコミュニケーションが行われています。
チャットツールでチャンネルを使う事には、沢山のメリットがあります。今回はチャンネルを使うメリットの代表的な3点を紹介したいと思います。
チャンネルのメリット1:メンバーを追加できる(過去ログを共有できる)
チャットツールで“チャンネル”を使う代表的なメリット、その1つ目は「メンバーを追加しやすい」という事です。
ビジネスをしていく中で、企画をスタートした後に、追加メンバーがチームに加わるというケースはよくありますよね。しかし、多くのツールの場合、DMは後でメンバーを追加する事ができないケースが多く、チャンネルに比べて拡大性に難がある事が多々あります。つまりこの場合、スタート時にDMで作成してしまうと、関係者が増えて人を追加する場合には、また新たなチームDMを作り直さなければいけないのです。
そしてその場合、多くのツールではDMのログ(その時点までのやりとりの履歴や記録)が移行できないため、これまでのログを共有できず、新メンバーへ情報共有することができません。これを無理に行おうと思えば、1つ1つのチャットを新DMへ転送するという非常に大変な作業をしなければいけないのです。つまり、DMでは新メンバーの追加に、大変な時間と労力のコストが掛かるという事です。
しかし、チャンネルでは、メンバーの追加は簡単です。チャンネルは元々メンバーの追加が当然の様に想定されています。その為、追加に伴う機能が付いていて、簡単な登録さえすれば、すぐに新メンバーが合流することができます。追加する前のログも当然そのままチャット上に溜まっているので、遡って見るだけで、簡単にこれまでの情報を共有することができます。
この様に、チャンネルはDMに比べて、“圧倒的にメンバーの追加がしやすい”というメリットがあるのです。
チャンネルのメリット2:公開・非公開の設定ができる
続いて2つ目の、チャットツールで“チャンネル”を使う代表的なメリットは、「公開・非公開の設定ができる」という点です。
多くのチャットツールのチャンネルでは、公開、非公開を選択して設定する事ができます。それに対してDMの場合は、そもそも個人間コミュニケーションの為のツールですので、当然当事者以外は見ることができません。
チャンネルの場合は、公開するという事が設定できる為、広く見てもらいたい場合は、公開設定すればそれがすぐに可能になる訳です。逆に、非公開にしたくなった場合には、設定さえ変えればすぐにクローズドにすることができます。
この様に“公開・非公開の選択が簡単に設定できる”というのも、チャンネルの大きなメリットの1つなのです。
チャンネルのメリット3:チャンネル名をつけられ、後から見つけやすい
チャットツールで“チャンネル”を使う代表的なメリット、3つ目は「タイトルを付ける事で後から見つけやすくなる」です。
DMの場合は、多くのケースで一覧に表示されるものは「お互いの名前」です。仕事でチャットを使う場合は、テーマや話題ごとにチャットアカウントを変える事が多いと思いますが、そんな時、DMではほぼ全てお互いの名前のみが表示されている訳なので、後から該当のチャットを探す際に、1つずつ開いて内容を確認しないと、どれが該当のものなのかが分かりません。
しかし、チャンネルであれば、自由にタイトルを付けることができます。そこに、プロジェクトやタスクやトピックの名称を付けておけば、後からチャットの一覧を見返したり検索する時に、すぐに該当のチャンネルを見つけることができるのです。
ビジネスで使用していると、プロジェクト毎にチャットが立つので、早い段階でたくさんチャットのチャンネル数が増えてきます。そういった時に、この「タイトルを付ける事で後から見つけやすくなる」というメリットが、非常に役に立ってくるのです。
情報はなるべくオープンにするのがおすすめ
私は、自身の事業で長年に渡ってリモートワークを実践してきた中で、チームコミュニケーションを円滑に進める為には、押さえるべき大切なポイントが幾つかあると考えています。その内の1つに、「情報はなるべくオープンにした方が良い」という事があります。
日本の多くの企業には、「なるべく公開範囲を広げずに話したい」という発想が見受けられます。しかし、そうしてしまう事で、情報が誰かの所で止まって貯まってしまったり、一部の人以外は誰が何を話ししているかさっぱり分からないといった閉鎖構造になってしまい、結果的に、チームの雰囲気やモチベーションがどんどん下がってしまい、業務成果が大きく低下する事がよくあると思います。これは大変非効率だと思うのです。
そこで私は、リモートワーク上で、透明性を高めて空気感を良くして良いチームワークを生むコツは、なるべく情報をオープンにして、可能な限りできるだけ誰でも見れるようにする事だと考える訳です。そしてチャットを使用するケースでは、この情報公開は、個別コミュニケーションツールの“DM”ではできませんが、多人数向けコミュニケーションツールの“チャンネル”なら、とても便利に実施できるのです。
その様な観点から、 チームコミュニケーションを向上するためには、なるべくDMではなくて、チャンネルを作った方が良いという結論に至る訳です。
今回ご紹介した様に、チャンネルを活用する事で、メンバーの追加が簡単にできる様になり、新メンバーはログを確認してすぐに情報共有できる様になります。チームメンバー以外にも公開して情報の輪を速やかに広げる事も可能になります。また、不要になったチャンネルは消せば良いだけですので、作るリスクは何もないのです。
この様に“チャンネル”を使用する事には多くのメリットがあります。これらが私がビジネスでチャットツールを使用するときには、なるべくDMを使わずにテーマごとにチャンネルを作って行くのをお勧めする理由です。
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ぜひ、テレワークを導入される皆様の、より良い職場環境作りや、より楽しくて幸せなチームコミュニケーションの一助になればと心から願っています。
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