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「人が多いチャンネルで発信したくない」という抵抗感への3つの対処法

今回は、最近リモートワークを導入された事業者の方から頂いた、以下のご質問にお答えしたいと思います。

Q.会社でリモートワークを導入し、チャットツールを使っています。そんな中、メンバー数人から、「元々SNSなどの発信も苦手で、多数の人に対して自分の意見や考えを知られる事に抵抗がある」という相談を受けました。こういった、リモートワークでの“発信が見られることへの抵抗感”を取り除く対処法というのはありますでしょうか?

オープンが基本。しかし、一方で凄く苦手な人もいる

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チャットツールなどを使ったリモートのチームコミュニケーションでは、透明性を高めて建設的にするために、出来る限りオープンにしてどんどん公開していくというのが、望ましい発想とされています。これは、Slackなどのメジャーツールなどでも推奨されていて、多くのグローバル企業などでも主流な考え方です。

しかし、その一方で個人に目を落とすと、多くの人へ発信する事に高いハードルや抵抗を感じて、なるべく限定して発信したいというケースが多々あるのも事実です。

そこで今回は、私が実際に、自身の事業でリモートワークを実践してきた中で、こういったお悩みがある人と一緒に取り組んだ際に、良い結果に繋がった3つの対処法を紹介したいと思います。

対処法その1:「自分チャンネル」を用意する

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発信が見られることへの抵抗感を取り除く対処法、その1つ目は「“自分チャンネル”を用意する」です。

これは、“チャットのチャンネルとして、その人だけが発信する場を設ける”という方法です。

多くの人へ発信する事に抵抗がある人は、遠慮がちであったり奥手ぎみな人が多い傾向があります。こういった方は、自分以外の人が大勢いる時に自分がマジョリティ(多数派)でない場で発信する事に対して、非常に苦手意識を感じてしまうのです。

こんな時にとても効果的だったのは、その人だけが自由に発信できる「自分チャンネル」を作ることでした。その人が発信する専用の場を設けて、ホウ・レン・ソウを始めとする全て発信をそこで行う、というルールでスタートした訳です。すると、それが自他共に当たり前の事になって、チャットへの苦手意識があった人達も自然と発信ができるようになったのです。

発信が見られることへの抵抗感がある人がいた場合は、メンバーそれぞれに自分チャンネルを設けて、各自の発信をそこで行うという業務ルールにするという事が、1つ目のお勧め対処法です。

対処法その2:発信のパターンを身につける

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2つ目の、発信が見られることへの抵抗感を取り除く対処法は、「発信のパターンを身につける」です。これは、最初の内はある程度発信のパターンやルール、フォーマットを設けた方が良いという事です。

初めて参加する人にとっては、いきなりフリーフォーマットでやりとりするというのは、勝手が分からず抵抗があると思います。

そこで、「何かメンバーがしてくれた時には、こういった感謝のコメントを返しましょう」とか、「業務が進んだ時には、このフォーマットで報告を送りましょう」とか、そういうルール化やフォーマット化することで、抵抗なくすんなりと行っていくことができるのです。慣れたルーティーンをこなす様な感じになり、「発信する」という敷居高い感じでは無くなります。

この様に、特に最初の内はフリーフォーマットにせずに、発信のパターンやルール、フォーマットを設けるのがとても効果的です。そうして、だんだん慣れていったら、フリーフォーマットでやりとりするようにすれば良いですよね。

対処法その3:情報を共有してチームメンバーに理解を求める

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3つ目の、発信が見られることへの抵抗感を取り除く対処法は、「情報を共有してチームメンバーに理解を求める」です。

私も以前、発信が見られることにかなり強い苦手意識を持ったメンバーから相談を受けた事があります。彼は「誰かに自分の発信が見られたら、とにかくめちゃくちゃ苦痛で本当に嫌なんです。絶対に避けたいんです。」と本音を言って来てくれたのです。

代表者や責任者の立場からすると、こういった本音の相談というのは、とてもありがたいものです。聞くことさえできれば、対処の方法は幾らでもあるのです。

そこまで苦労したり、悩んでまでその方法でやってもらう必要は全くありません。運用ルールを変えたり、個別ルールを設けたり、部分的にクローズドにするなど、一緒に無理なくやれる形にできる選択肢はたくさんあるのです。

しかし、自身がどれだけ抵抗を感じているということは、ちゃんと伝えないと分からないものです。何故嫌なのか、どれぐらい自分が発信をすることに抵抗があるのかといった事をちゃんと伝えて、双方に最適な合意を取っていくという事が、結果的に、個人にとってもチーム全体にとっても良い方向へ行ける解なのです。

以上の様に、「自分チャンネルを用意する」「発信のパターンを身につける」「情報を共有してチームメンバーに理解を求める」という3点が、発信が見られることへの抵抗感を取り除く、有効な対処法になります。是非、リモートワークのさらなる活性化に活用して頂ければ幸いです。


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