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クラウドソーシング活用時に 「依頼内容の誤解」をなくす3つのポイント

今回は、あるクラウドソーシングのグループワークに参加されている方から頂いた、以下のご質問にお答えしたいと思います。

Q.私が参加しているオンライン上でのグループワークで、管理者とチームメンバーの方との間に微妙なすれ違いがある事があります。ワークの内容がきちんと伝わっていなかったり、メンバー間の連絡に齟齬があったりするのを見受けます。こういったリモートワーク上でのすれ違い無くすにはどうすれば良いのでしょうか?

リモートワークは「伝わってない」ことを前提に進める事が大切

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まず大切なのは、リモートワークの管理者は「内容は相手に伝わっていないのが当たり前」という前提に立たなければいけないということです。

私は、以前自身でクラウドソーシングの会社を経営していたり、クラウドソーシング大手のディレクションに参加した経験等を多数持っている訳ですが、こういったリモートワーク案件の説明資料やマニュアルは、本当に大半の場合が、Googleスプレッドシート等にチャチャッと簡素に書かれているだけといった、全く不充分なものである印象があります。

マニュアルの内容が足らなさ過ぎるとか、逆に量がもの凄く多過ぎるとか、内容が雑で意味不明だとか独りよがりだったりする、といったケースを非常に多く見かけるのです。そういった伝え方が悪い場合には、メンバーに理解してもらえる方が難しいですよね。

さらに、そもそも業務ルールをラーニングする時間に対して、給与や報酬を支払われないケースが大半です。件数を作業していくらといった実作業に対する報酬が通常だと思うので、レギュレーションを把握する時間に対しては無報酬な事が多いのです。

レギュレーションを覚える時間に対してお金を払っているのなら話は別ですが、そうでない上に、まともな資料も提供せずして、完璧なレギュレーション理解と完璧な仕事を期待するというのは、間違っていると思うのです。私がリモートワークの管理者の皆様にお伝えしたいのは、「まずは、その高すぎる期待値を下げましょう」という事です。

やはり、リモートワークを運営する上では「内容は相手に伝わっていないのが当たり前」だという前提に立つべきだと思います。その意識を持った上で、詳しく丁寧に、できるだけ分かりやすい説明を加えていく事が大切なのです。

改善ポイント1:必ず理解度を確認するテストを挟む

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それでは、その為には具体的にどうしたら良いか。まず1つ目の改善ポイントは、「本番のワークに入る前に、必ず理解度を確認するテストを挟む」ということです。

私がクラウドソーシング案件で管理側に入る時に必ず行うのは、メンバー募集時に本番に即したテストを行こなうという事です。

実際にテスト運用を行ってみると、管理側、参加メンバー側、双方に予想以上に多くのエラーが発生します。運用面や業務面で予想もしないような齟齬があったり、メンバー側も予想以上にたくさんミスをしてしまいます。しかし、これは当然の事なのです。お互い初めての事なのでエラーが起こって当たり前です。大切なのは、事前テストで起こったエラーを双方事前に修正して、正しく本番に臨む事なのです。

事前に本番さながらのテストを行わないと、管理方法や運用ルールに間違いがあったり、メンバーがレギュレーションを間違えて認識していても、気づかないまま本番を迎えてしまいます。すると結果として、大きな問題に繋がってしまう事もあるのです。

やはり、リモートワークを行う際には、最初はお互いに間違いがあるという前提に立って、その上で事前にテストを行い、修正を加えて、双方正しい状態にできた上で本番に臨むという流れにすべきだと思います。 それをせずに本番に進んでしまっているとしたら、エラーが起こるのは当然だと思うのです。

改善ポイント2:スクリーン録画を活用する

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2つ目の改善ポイントは、「スクリーン録画を活用する」という事です。

業務ルールを説明する際に、文章を読んですぐ内容を理解できる人と、そうでない人がいます。私の経験では、文章で読んだだけで内容を把握できる人の方が少ないと思います。

それではどうすれば良いかというと、「スクリーン録画」を活用するのがお勧めです。説明を動画にとって伝えるという事を併用するのです。

私は小さな案件でも必ず、説明を動画で話したもの送って観てもらうようにしています。長い動画だと観てもらうのが大変なので、5分や10分と短くまとめたものを作って送るのです。

通常、企業にアルバイトや新入社員が入ってきた時に、簡単な文章やメモを渡して、すぐに「はい、仕事スタート」という形にはしませんよね。一定期間をかけてしっかりとした研修を行い、細やかに説明したり質問を受けたり、一緒にやってみせたりして出来ることを重々確認した上で業務に入る訳です。山本五十六さんの語録にあるように、「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ。」 といった感じで、ゆっくり丁寧に育成してから業務に入る訳です。

しかし、それがクラウドソーシングになった途端、分かりにくいマニュアルをポンと渡しただけですぐに仕事を開始させる事が多いのです。その結果、失敗してしまったのを受けて「間違ってますよ」と一方的に注意して済ましてしまう。これはどう考えてもおかしいと思うのです。 

しっかり伝わりやすいような伝え方をすべきです。一番簡単にできてお勧めなのは「説明動画を撮る」ことです。最低限、画面キャプチャを撮って渡す位の事は行った方が良いと思います。

リモートワークでは、なかなか伝わりにくいという前提に立って、スクリーン録画など工夫した伝え方をするというのが2つ目の改善ポイントですね。

改善ポイント3:管理者がしっかり介入してマネジメントする

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3つ目の改善ポイントは、「管理者がしっかり介入してマネジメントする」です。

メンバー同士で揉めたりとか、不信感が起こると、当然皆やる気がなくなるし、業務に支障が出てしまいます。そうならない為に、管理者はしっかり介入してマネージメントするという事が必須です。

そもそも、メンバーの間違いを修正する責任は、他の参加メンバーにはありません。そこはやはり、管理者が行うべき責任なのです。

メンバー間の不協和音があったら、管理者がしっかり介入して、正しく問題解決して修正していくようにしましょう。そういった事をせずして、現場に任してなんとなく上手く回ることを期待するのは間違っていると思います。そして、大半の場合は、管理者が介入しさえすれば、すぐに問題は解決するのです。

以上の様に、オンライン上で複数人をマネージメントする時は、まず「相手に伝わってない」ことを前提に進め、「必ず理解度を確認するテストを挟む」「スクリーン録画を活用する」「管理がしっかり介入してマネジメントする」というの3つの改善ポイントを行う事がお勧めです。これらのアプローチをする事で、目に見えてリモートのチームコミュニケーションが潤滑に行くようになるのです。


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