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テレワーク導入時の社員にすべきコミュニケーションフォローの3つのポイント

今回はテレワークを導入する際に企業が社員にすべきサポートやフォローのポイントについてお伝えしたいと思います。

一般的に、企業がテレワークを導入する際に社員にすべきサポートやフォローというと、多くの場合はIT機器とか在宅手当を準備する資金補助や援助といった物理的な内容にフォーカスされる事が多いと思います。

そこで今回は視点を変えて、コミュニケーションの観点からテレワークを導入する際に企業が社員にすべきサポートやフォローのポイントについてお伝えしたいと思います。

コミュニケーション面のフォローをする前提とは

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テレワークを導入すると言っても、実際の多くのケースでは最初から全社的にテレワークを導入する訳ではなく、まずは一部の社員や部署、もしくは週に2日などの一部の日といった感じの部分的な導入から始める事が多いと思います。 

その様な際に起こり得る事として、同じ会社の中でテレワークを行う人とテレワークを行わない人という違いが出てくる状況があります。組織としては、人ごとに異なる条件が出る事を前提に、この違いが会社やメンバーにとって問題化せずに円滑に進められる様にフォローや体制作りをしていく必要があります。

その様な問題解決を個々人の力に任せると、個々の力関係等があり言いにくいこととか、依頼しづらいといったことが発生しがちですよね。そういった個々人への負担を生まない様に、組織としてルール化していくことが重要です。

組織側でルールとして決めればある程度の強制力が出てくるので、個別の交渉が必要無くなります。つまり、言いにくい関係性の人に対して個別に言わなくても良くなるのです。

この様に個別に言う事は心理的負担があるという事を組織側が理解して、個人間で交渉をしなくても済む組織としてルール作り、座組作りをする事が大切です。

以上が、テレワークを導入する際に企業が社員にすべきコミュニケーション面でのサポートやフォローの前提の考え方です。次に具体的なポイントを紹介していきます。

ポイント1:オンライン会議では『カメラオン』を徹底する

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テレワークを導入する際に企業が社員にすべきサポートやフォローのポイント、1点目は『オンライン会議では“カメラオン”を徹底する』です。

オンラインで会議をする上で、顔が見えるのと見えないのとではコミュニケーションのレベルが大きく異なってきます。

顔さえ見えれば、お互いのその日のコンディションもある程度伝わるし、考えている事も一定程度感覚で分かります。相手の反応も知り得やすくなります。その事でコミュニケーションを良くする大きなヒントを得る事ができるのです。

反対に、顔が見えないと相手がどういう風に話を聞いているか全く分かりません。リモートの場合は、極端に言えば実際に参加しているかどうかもわかりません。寝転んで参加しているかも知れませんよね。カメラオフだと表情も分からないし、反応も非常に分かりにくいので、コミュニケーションの質が非常に低下します。その結果、会議の生産性が大いに下がってしまいます。

この様にコミュニケーションレベルと会議の質を低下させる事無く大いに向上させる為に、リモート会議においてはカメラオンにした方が良いのです。

ところが相手に「カメラをオンにしてください」と依頼しづらいケースがあります。

例えば相手が女性の場合は、セクハラの様な感じに受け取られてしまう事がありますし、化粧をしていない時にはカメラオンにする事に抵抗があるという声を聞きます。また相手が目上の人だったりすると、「カメラをオンにしてください」と依頼する事自体が失礼に当たるのではないかと心配になるという意見を聞きます。

そこでこの場合も、個別に依頼する負担を無くす為に、組織全体としてルール化する事が大切です。

オンライン会議でコミュニケーションの質を上げる為に必須と言える『カメラオン』。これを個別の人が依頼するという心理的ハードルを取り除くために、組織として積極的にルール化する事をおすすめします。

ポイント2:チャットやメールのリアクションをルール化する

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テレワークを導入する際に企業が社員にすべきサポートやフォローのポイント、2つ目は『チャットやメールのリアクションをルール化する』です。

テレワークのメインコミュニケーションツールは『チャット』です。多くの場合、テレワークでの日常のコミュニケーションは、ビデオ通話ではなく簡単にメッセージが交わせるチャットがメインになります。

このチャットを使用する上で、メッセージを発信した際に何のレスポンスもないと相手が見たかどうか分からないし、見ていたとしても納得してもらえているかどうか分かりません。「どう伝わっているんだろう・・・」と大変不安に感じます。そこから業務に大きな支障を生む事もあります。

そこをきちんと、簡単でも良いのでレスポンスを返せば、伝わっている事が分かり安心してリモートのコミュニケーションを進める事ができます。『レスポンス』は誰でもとても簡単にできる事ですが、リモートコミュニケーションでは不可欠な非常に大切な要素なのです。

ところが、これも目上の人などには依頼しづらいという声を多く聞きます。この『チャットやメールが来た時のリアクションの徹底』という事に関しても、組織全体としてルール化する事が大切なのです。

ポイント3:個別に話す場をきちんと設ける

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テレワークを導入する際に企業が社員にすべきサポートやフォローのポイント、3点目は『個別に話す場をきちんと設ける』です。

テレワークでは、物理的距離が離れている分、対面のケース以上にメンバー同士の個別のコミュニケーションが大切です。

テレワークを行う上での大きな課題の1つとして「雑談がなくなること」が挙げられます。雑談には多くのメリットがあります。普段から雑談する機会が多いとその延長線上で相談もしやすくなるし、互いの悩みに気づいてメンタル的な課題の早期発見に繋がる事があります。

メリット面でも雑談の機会を多く持つことで会話の中からアイデアとか早発性が見つけやすくなりますし、結果的に組織全体の生産性やレベルが上がるのでとても有益です。その為、一般的なビジネス書等でも大いに雑談が励行されています。

ところがテレワークでは、物理的距離が離れている分この『雑談』が難しいのです。この難しさを理解した上で、組織として意識的に座組を設ける事が大切です。

具体的には相互1on1や毎朝の個別朝会を設定するなど、個別でコミュニケーションを取る場を組織全体の業務ルールとして設定します。そして、そこで雑談をしてもらうのです。

雑談が減るとメンバー同士の関係性が希薄化したり、組織としてのモチベーションが下がります。反対にその場を増やせばコミュニケーションが活性化し、組織としての生産性が大きく向上します。その為、個別コミュニケーションの場を組織側できちんとルール化する事が大切なのです。


この度、リモートでの会社経営・チーム運営を続けてきた中で得られた知見や実践例をまとめた書籍『テレワーク環境でも成果を出す チームコミュニケーションの教科書』をマイナビ出版さんから出版しました。

ぜひ、テレワークを導入される皆様の、より良い職場環境作りや、より楽しくて幸せなチームコミュニケーションの一助になればと心から願っています。


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