【最新事情】リモート時代の新卒社員の4つの課題と6つの取組|世界の最新テレワークニュース
テレワークに関する日本であまり知られていない世界中の最新ニュースについて、その要点&考察をお届けする「世界の最新テレワークニュース」。今回は、ABC Newsのリリースである「For new hires, remote work brings challenges, opportunities」という記事を基に、「リモート時代の新卒社員の4つの課題と6つの取組」というテーマで要点と今すぐ使える対策について解説します。
(元記事は英文ですがとても興味深い内容になっています。ぜひこちらもご覧ください)
▼今回の内容は以下の動画でもご覧頂けますので、ぜひご覧ください!
●最初からオフィス出社せずリモートワーク
それでは今回もさっそく記事のサマリーを日本語訳したものから紹介したいと思います。
リモート時代の新卒社員の4つの課題と6つの取組
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
・最初からオフィス出社せずリモートワーク
・課題1:コミュニティ感覚
→取組1:出社時の交流
→取組2:同じ時間を共有(Spotify9)
→取組3:リアル集合(BBQなど)
→取組4:近くのコワーキング活用
・課題2:仕事とプライベートの境目
→取組5:メンター制度
・課題3:リモートワーク適応困難社員との断絶
→取組6:レジリエンス・適応力アップ
・課題4:リモートメインと近隣コアワーカーとの断絶
・内向的だと、オンラインの方が人脈作りしやすい
まず今回の記事の大前提として、今年や昨年に採用された方というのは、コロナ禍の影響で、入社した最初からリモートワークの方が多いということがあります。
私が顧問をしているメンバーズの社員もそうでしたが、コロナ禍で最初からオフィスに集まることができなくて、4月の入社直後からいきなりリモートワークでした。
このように一度もオフィスに行ったことがないという人が非常に増えた訳です。おそらく今後歴史に残る、史上初のリモートスタートの年だったのではないかなと思います。 また新卒の方以外でも中途入社の方も入社した瞬間から出社ができずにいきなりリモートワークという方も多かったのではないでしょうか。
●課題1:コミュニティ感覚が持ちづらい
こういったこれまでに無かった形がスタートしたことにより、様々なチャンスもあるものの「課題」も出てきているということで、記事ではその課題が4点紹介されています。課題の1点目は「コミュニティ感覚が持ちづらい」です。
入社早々いきなりリモートワークになってしまうと、どうしてもなかなか他の社員と会う機会もないですし、人と会わずに同じ会社の一員なんだという感覚が持ちにくいと。家で1人で仕事をしているので、会社の仲間という感覚が得づらいということを感じる方も多いと紹介されています。
・取組1:出社時の交流を増やす
この1点目の課題「コミュニティ感覚が持ちづらい」に対して、記事が紹介する取り組みの1点目は、「出社をする時に交流の機会を増やす」というものです。
リモートワークをしている方からすると普段出社しないので、たまに出社できる時というのは実はすごい楽しみであるケースがあるんですね。 昔は出社するのが当たり前で、家で仕事が出来るというのはとても特別なことで、そちらが嬉しかったのですが、家で仕事するのが当たり前のリモートワーカーにとっては出社して仕事ができるというのは凄い「非日常」で楽しいことなんですね。
実は私も昨年までメンバーズの役員をしていた時には、週1出社で金曜日に出社をしていたのですが、普段リモートワークを長年続けているのでやはり金曜日に行く時は楽しかったんですよね。 普段と違うというのが面白さを演出しますし、会社に居ることによって、普段チャット上でコミュニケーションを取っている人とも対面で話せて、また違った感じがあってとても面白いということがありました。
こういった出社しての交流というところをすごく楽しみにしているリモートワーカーがいるということを、周りの人も理解しておくことが重要だと思います。特にこれからは、たまに出社をする人が交流をしやすい状況を作っておくことが大事です。せっかく出社してもすぐに普通に仕事に入ってしまうと、どうしても新たなコミュニケーションが取りにくいですよね。せっかくの機会なのに、それが活かせないのは非常にもったいないですよね。
上席や先輩が、最初からリモートという新しい形態のメンバーがいることを認識し、「せっかく会社に来たので、新しいつながりを作りましょう」というような出社のチャンスを活用する機会を設けるといったことは、今後非常に大事だと思います。
・取組2:同じ時間を共有する(Spotify9)
記事が紹介する課題に対する取り組みの2点目は、「同じ時間を共有する」というものです。
記事の中では「Spotify9」と紹介されています。つまり、9時に同じSpotifyで同じ音楽を聴いて、同じテーマで話し合うということをするそうです。グループ感を高めるために、同じ時間を共有して、共有する中で同じテーマについて語り合うと。
この「同じ時間を共有する」ということはとても良いことだと思います。しかし、これは恐らくSpotifyでなくても何でも良いと思うんですよね。同じ時間を共有するということが大切だと思います。私が代表をしていた会社であれば、「Good and New」という前日あった良いことを45人の社員をグループ分けして話し合うという取り組みをしていました。
45人から毎回グループを組み換えるといったことをしていたんですけども、そういった時間を共有する仕組みは、リモートワークだからこそ普段あまり無い機会になりますので、そういう機会を作ることはとても有益だと思います。
・取組3:リアルに集合する(BBQなど)
課題に対する取り組みの3点目は、「リアルに集合する(BBQなど)」というものです。
記事の中では、とあるCEOの方が新卒の2人を呼んで自宅でリアルにバーベキューをしたというエピソードが紹介されています。とても非日常的な触れ合いをCEOと一緒にできたことで、新卒の2人はとても喜んだそうです。こういうリアルのイベントを、今はコロナ禍で作りにくくはあるんですけど、作れるようになった時には作っていくと有益であると紹介されています。
確かにこういった機会がたまにあるだけでも、一体感が全然違うと思いますし、その後のリモートコミュニケーションもすごく取りやすくなると思うので、できる状況になったらぜひ実践すると良いと思います。また、もしかしたらこういう場を演出するサービスを作るというのは新たなビジネスチャンスかも知れないですね。
・取組4:近くのコワーキングを活用する
課題に対する取り組みの4点目は「近くのコワーキングを活用する」というものです。
同じ会社の人がいる訳ではありませんが、近くのコワーキングやフリーワークスペースを活用して、その中で仲間とか友達を作っていくということをすることによってコミュニケーションの機会を作っていくということが紹介されています。社内のコミュニティ感覚を上げる訳ではありませんが、リモートで仕事をしてる仲間とコミュニティみたいな形で仕組みを作っていくというのもアリだと思います。
●課題2:仕事とプライベートの境目が難しい
記事で紹介されている課題の2点目は「 仕事とプライベートの境目が難しい」ということです。
記事では、仕事を何時に上がって良いのか、昼ごはんをどのようにとったら良いのか、そういった所を判断するのが難しいということが課題になっていると書かれています。
この課題に対してはメンター制度のような感じで、気軽に相談できる先輩社員を担当に付けて、相談ができるようにしていくと良いと紹介されています。
●課題3:リモートワーク適応困難社員と断絶しがち
記事で紹介されている課題の3点目は「 リモートワーク適応困難社員と断絶しがち」ということです。リモートワークに適応しづらい年配の社員もいると。そういう人とリモートワークに専念する人が断絶しがちであると書かれています。
やはり多くの企業にZoomも未だによくわからないし、チャットも使えないという人がおそらく数多くいると思います。そういう人と最初からリモートワーク前提の人は合いにくいかも知れません。
記事は、こういったケースはむしろチャンスだと説いています。一般的に若い人の方が変化に適応しやすいと。そこで、若い人の方が古いタイプの人に合わせて対応していくと良いと。そしてその過程の中で柔軟性を身に付けることで、ビジネスシーンで活躍するための社会性やコミュニケーション能力を向上させることができるということが紹介されています。
●課題4:リモートメインと近隣コアワーカーとの断絶
記事で紹介されている課題の4点目は「リモートメインと近隣コアワーカーとの断絶」ということです。
これは日本でもよくありがちなことかも知れません。リモートワークをする人と、オフィスの近くに住んでいてよく出社して、メンバー同士のつながりが濃くなるコアワーカーの間が断絶してしまうかも知れないという懸念です。
会社で顔を合わせて集まると情報も濃く集まりやすいので、その中で話が完結してしまって、リモートメンバーが疎外感を感じてしまうと。自分が知らない所で話が出ていてよくわからない感じになってしまうというのです。
記事にはこの課題への対策は書かれていませんが、こういったことが実際によくあるということを認識して、配慮することも大切だと思います。
●内向的だと、オンラインの方が人脈作りしやすい
記事で最後に紹介されているのは「内向的だと、オンラインの方が人脈作りしやすい」ということです。
記事では、内向的だとオンラインはチャンスで、オンラインの方が人脈作りしやすいというメリットもあるということを紹介しています。要するにオンラインでもチャットで繋いでもらうとか、SNSで人脈を拡げるとか、やり方を工夫すれば人のつながりをより作ることもできると。リモート前提は課題もあるけど、チャンスでもあるということで、色々な対策を講じた上で、リモート時代にいかに活躍していくのかということが大切であると書かれています。
私のnoteシリーズやYouTubeチャンネル「テレワークで活躍したいなら~池田朋弘のリモートコミュニケーション実践塾」では、まさにテレワークで活躍したい方向けの最新情報やテクニックを紹介していますので、ぜひ参考にして頂ければ幸いです。
***********
▼今回の記事の動画版はこちら。参考になりそうであれば、ぜひチャンネル登録お願いします!
▼YouTubeチャンネル「テレワークで活躍したいなら~池田朋弘のリモートコミュニケーション実践塾」
▼テレワークで活躍したい方向けのnoteシリーズ
この度、リモートでの会社経営・チーム運営を続けてきた中で得られた知見や実践例をまとめた書籍『テレワーク環境でも成果を出す チームコミュニケーションの教科書』をマイナビ出版さんから出版しました。
ぜひ、テレワークを導入される皆様の、より良い職場環境作りや、より楽しくて幸せなチームコミュニケーションの一助になればと心から願っています。