「自分から表現」=「自分が発信する場所」をつくる

リモートワークで重要なマインドセットとして、「自分から表現」することが大切だと先日お伝えしました。今回は、そのためのテクニックを2記事にわたって紹介していきます。

「自分から表現」=状況をきちんと伝える

経営していたポップインサイトで、ベテランの営業マンが入社してきた際の話です。彼の場合、細かい報告などはあまりせず、自分で結構進めてしまうところがありました。でも、成果も出ていないし、動きも全然見えなかったので、不安な気持ちに…。結局、「絶対に1時間に1回は報告してください!」といったルールを半強制的につくってしまいましたが、イヤイヤ報告するような感じで、うまく回らず、結局あまりいい関係にできないままでした。「察してくれ」という期待がおそらくあったとは思いますが、正直全然わかりませんでした。

逆に成果が出ていれば、「成果が出ているからほっとけ」と言えると思いますが、いきなり成果を出せるケースばかりではありません。ここで重要なのは、「状況をきちんと伝える」ということです。上司からすると、部下が何をやっているのかわかりません。上司が部下の状況を知るのは、適切なアドバイスをしたり仕事の進捗を把握したりするのに不可欠です。

一方で、部下が上司の状況を知っていることも重要だと、個人的には思っています。ポップインサイトでも、いくつかの部署で「上司が何をしているのかわからない」という不満の声が上がってくることがありました。11:00くらいのミーティングでも少し遅れたり、寝ぼけている風な感じがあったりして、不安だと。なかには「部下に状況を伝える必要はないよね」と思う人もいるかもしれませんが、やはり上司の動きがわからないと、部下は不安です。どれくらい何に時間を割いているのかわからないので、いつ、どのくらい相談したらいいのか判断できません。


1対1だと、矢印を向けられた側が大変

では、どうやって自分の状況を伝えるのか?

例えば、1対1のチャットやメッセージで、30分や1時間おきに「◯◯さん、今これやっています」、「◯◯さん、これ終わりました」などと自分に向いた矢印が送られてくるのは、結構面倒くさいです。病んでいる彼女みたいな(笑)。一方的に送りつけられているような感じになり、「そんなに細かく言わなくてもいいよ」という気持ちになって対応が難しくなります。

1対1だと、コミュニケーションの矢印がAからBに突き刺さるので、向けられた側が大変です。送っている側も、1対1だと返信を当たり前のように期待してしまうので、無視もできない…お互いにしんどい状況になっていきます。

「矢印を誰にも向けない発信の場」をつくる

重要なのは、「自分が発信する場所」をつくっていくこと。おすすめなのが「自分のチャンネル」を持つことです。SlackでもChatWorkでも、どんなチャットツールを活用してもいいですが、そこに例えば「池田チャンネル」などと題して、自分がつぶやくチャンネルをつくる。そういう場を明確にしておくと、発信がしやすくなります。

「自分のチャンネル」は、自分の状況をつぶやいているだけなので、矢印を誰にも向けていません。ツイッターのような、ある意味「独り語り」的な。「誰も反応しなくていい前提で、自分の状況をつぶやける場をつくっておく」というのは、コミュニケーションの発信のベクトルとして重要だと思っています。そうすることによって、発信する側も見る側も気楽になれます。

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