テレワークで単調作業を長く続ける4つのコツ
今回は、在宅でテレワークをされている方から頂いた以下のご質問にお答えします。
Q.私はテレワークでデータ入力の仕事をしています。長時間単純作業が続くと疲れるし、飽きてしまうことがあります。テレワークならではの長時間単純作業するコツがあれば教えて下さい。
私は会社経営をしていた時代から現在に至るまで、他の人に依頼するだけでなく自分自身でも相当な量の単純作業を行ってきました。例えば、文字起こしを延々とExcelシートにはめ込むといった作業などです。
そんな中、私は試行錯誤しながら単純作業が苦にならないコツを見出して実践して来ました。その為、今では単純作業が全く苦になりません。
そこで今回は、私が実践している『テレワークならではの長時間単純作業するコツ』を4点紹介します。ぜひ日々のお仕事に役立てて頂ければ幸いです。
コツその1: “ながら”でやる
テレワークならではの長時間単純作業するコツ、1つ目は『“ながら”でやる』です。 つまり何かをしながらやるという事ですが、ここでは何か自分にとって楽しい事をしながらするという事です。
私の場合は、深い思考を伴わない単純作業は、必ずドラマやアニメを流しながら行って来ました。“ながら”の材料は各自が好きなもので良いと思います。例えばご自身が好きな音楽を聞くでも良いと思います。
ポイントは、その時間が単純作業をするだけではなく、自分が乗れるものを用意して同時に楽しみながらすることによって、やらされている感に襲われるのではなく半分自分が楽しいエンターテインメントの様な時間にする事です。
私の場合は、会社を経営していた頃に文字起こしをバラバラに数百件Excelシートに貼り込むという作業を行っていました。もともと私は可能な限りツールを使用して自動化したり外注に出すなど効率良くする事を指向するのですが、その作業は自動化ができなかったり秘匿性が高く求められるものだったので自分で行っていたのです。
そういった作業を行う時に、必ずドラマやアニメを流して半分エンターテインメントの時間にしていたのです。そうする事によって、長時間の単純作業が全く苦にならない楽しい時間になりました。
これは、他の人にこちらの作業環境が分からない、テレワークならではの手法と言えます。この様に、テレワークの利点を活かしてどんどんやりやすい形に改善していくという思考がとても大切だと思います。
コツその2:細かく分割する
テレワークならではの長時間単純作業するコツ、2つ目は『細かく分割する』です。
私が最近自身で行った作業に、AIの元データを作る為に1,000件ぐらいの様々な文章の良し悪しを評価するという作業がありました。これは、後に多くの人に作業を依頼するために、まず自分自身で試験的に行った取り組みです。
私はこの作業を1回10件から50件位に分けて空き時間に作業を行うという方法を採りました。私は様々な業務をいくつも同時並行で行っていますが、その合間に分割してこの作業を少量ずつ積み重ねる様に行ったのです。その結果、気づけば完了していました。
長時間作業≒数が多い作業と言えますが、たくさんある作業を一気にやろうとするから大変な訳です。 これを小刻みに分割していく事ができると、ほとんど苦を感じずに済みます。
英単語を覚えるのと一緒ですね。いきなり1,000語個覚えるのはかなり大変ですが、10語覚えるのは大して難しくありません。これを100日積み重ねれば苦痛なく1,000語習得できます。
この様に長時間単純作業を小刻みに分割すると、作業に伴うストレスを大きく軽減しながら全ての作業を完了する事ができるのです。
コツその3:ゲーム化する
テレワークならではの長時間単純作業するコツ、3つ目は『ゲーム化する』です。
長時間の単純作業をやり続けるのは大変ですが、そんな時、私は途中で時間を計るという取り組みをする事があります。
「10件作業するのに何分かかっているのかな?」と計測します。例えば最初は5分かかっていたとすると、「これをもっと早くするにはどうしたらいいのかな」と考え、余分な作業を外したりショートカットを導入したりして工夫します。 そして次の10件は4分30秒を目指す『タイムトライアル』を自分の中で行うのです。
この様に作業を楽しむようなゲーム化を自分の中でする事ができると、単純作業がゲームの様に楽しい時間になります。
改善する事で作業自体の効率や質も上がり、さらに作業に対する苦痛も大きく軽減できます。この様にゲーム化するという手法には、長時間の単純作業を行う上で大きなメリットがあるのです。
コツその4:なるべく自動化して省エネ化を図る
テレワークならではの長時間単純作業するコツ、4つ目は『なるべく自動化する』です。
著書『テレワーク環境でも成果を出す チームコミュニケーションの教科書』を書いた際の話です。本ができるまでには書いた文章がレイアウト化されたものが上がって来て、そこに細かく修正を入れていくという校正という作業を繰り返します。
その際に数千箇所の誤字脱字や言い回しを変えたりといった注釈を入れるという作業を行いました。どの様にするかというと、マウスで該当箇所を選択し、右クリックから『編集』を選んでウィンドウを出し、そこからさらに選択して修正内容を入力するといった作業です。何も工夫しないと作業画面を出すだけでも数工程、時間にして4〜5分かかるのです。
私は常にたくさんの単純作業を行う時には、何とか自動化できないかと試行錯誤します。この時は、キーボードの機能を活用していくつかの処理をまとめてワンボタンで自動で行う事ができないかと考えました。たまたまゲーミングキーボードを使用していた事から、そういった複数の作業をキーボードに登録してワンボタンでできそうだという発想がありました。そこでキーボードの操作方法を詳しく調べた所、考えた通りの事ができる事が判明し、工夫の結果ワンボタンで数工程を一気に行う事ができるようになったのです。1件あたり4〜5分の時間をカットできたので、1,000件分トータルで考えると、4千分から5千分の時間をカットする事できた計算になります。
この様に、『自動化できそうな部分をできるだけ自動化する』という事が、単純作業の苦痛を劇的に減らします。1クリックでも2クリックでも、1操作でも2操作でも減らす方法ないかと考えたり調べて工夫することが、作業の苦労を削減する大きな鍵なのです。
例えば、私の場合はブックマークなども必ず上手に登録して少ないクリック数で辿りつける様にしています。文章を作成する時には必ず頻出単語をワンクリックで出るように単語登録します。もっと手間を要する事はExcelなどで自作のツールを使って自動化する事もあります。
この様に自分のできる範囲で自動化できる所をことごとく自動化していくだけでも、長時間の単純作業の苦痛を大きく減らす事ができるのです。
この度、リモートでの会社経営・チーム運営を続けてきた中で得られた知見や実践例をまとめた書籍『テレワーク環境でも成果を出す チームコミュニケーションの教科書』をマイナビ出版さんから出版しました。
ぜひ、テレワークを導入される皆様の、より良い職場環境作りや、より楽しくて幸せなチームコミュニケーションの一助になればと心から願っています。
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