テレワークでもスムーズに相談するための5つの工夫
「リモート起業家」の私がテレワークで活躍する秘訣をお伝えするリモート仕事術シリーズ。本日は「テレワークでもスムーズに相談するための5つの工夫」を紹介します。
多くの場面で、テレワークの課題として、「相談がしづらい」ということを上げられますよね。実際、私はこれまで7社の起業をしていまして、それぞれの会社でメンバーがいて、数名の所もあれば、数十名の所もあれば、また数千人のリモートワーカーの方とも仕事をしているのですが、やはり相談の仕方が上手い人と下手な人で、仕事の進め方が全然変わってくるのです。
相談が上手い人はこちらとしても信頼できますし、人間関係が醸成しやすいです。その一方で相談が下手な人は、どうしても「この人はあまり仕事ができないのかな」という印象を持ってしまい、疎遠になってしまったり、仕事が任せられなくなってしまいます。
今回は私のこういった経験から、テレワークでもスムーズに相談し、信頼を得るための5つの工夫を具体的に紹介したいと思います。
▼今回の内容は以下の動画でもご覧頂けます。ぜひご覧ください!
工夫1.主体性をアピールする
まず1つ目のテレワークでもスムーズに相談して信頼を得るための5つの工夫は、「主体性をアピールする」ということです。
テレワークでは、特に「どの位自分で考えた上で相談してきているのか」ということは、文章を見るだけではなかなか分からないものです。重々自分で考えて調べたり努力した上で相談してきてるのか、全く何も調べず考えず相談してきているのか。 そこが文章で分かるようにすることが非常に重要になります。
具体的には以下の様な感じです。
上に示した左側が悪い例で、右側が良い例です。
左側、「回答方法を教えて下さい。」 この一文だけでは、自分で充分に考えたり調べる努力や取り組みをしてから相談しているのか、全くそういった取り組みをせずに相談しているのか、一切分からないですよね。
それに対して、右側の「回答方法を教えてください。(社内Wikiを確認したのですが、記載がありませんでした。)」この( )の中の1行があることで、きちんと自分で調べられることは調べたけれども分からなかったから相談してるということが伝わって、努力の跡が分かります。 この1行があるかないかで、同じ相談内容ですが受け取る側の印象が全く違う訳です。
テレワークで大切なのは、まずは相談する前に自分でできる努力は全て行う。その上で努力したことや取り組んだことがあれば、長文で書く必要はありませんが、「自分でやれることを行った上で相談してる」ということを伝える、つまり主体性をアピールしていく、これが非常に重要な取り組みになります。
工夫2.提案ベースで相談する
2つ目の工夫は、「提案ベースで相談する」ということです。
先程の質問は、両方ともあまり提案型ではなく「教えてください」という受身的な感じのものでしたが、きちんと考えた上で、「この形で良いでしょうか」「この対応で良いでしょうか」と「提案型」で伝えてくれると印象は俄然アップします。
具体的に見て行きましょう。
左側は見るからに全く提案型ではないですよね。「どんな回答内容がいいでしょうか?」と、特に自分で考えることがなく聞いてるだけです。
その一方で右側は、「回答内容は以下2つのどちらが妥当でしょうか? ①〜〜〜、②〜〜〜」・・・この様になっていると、自分で①、②と案を考えた上で、どちらが良いのか分からないので相談しているということで、きちんと考えた跡が見受けられますね。
さらに上のレベルを目指すのであれば、「私としては①が良いと思うのですが、その理由は○○○です」という風に、自分としてはどの選択肢が良いと思っているのか、そしてさらにその理由を書くことがお勧めです。
そこまで行ったらかなり良い相談になる訳ですが、最低限、上の右側の例の様に、自分できちんと考えた結果を提案的に相談できると、何も考えずに相談されているよりは、はるかに印象が良いくなります。
以上の様に、相談はなるべく「提案型」でするという意識を持って行きましょう。
工夫3.画面キャプチャを活用する
3つ目の工夫は、「画面キャプチャを活用する」ということです。
画面キャプチャとはスクリーンショットの事ですね。 私はいつもこの工夫を紹介する時に「百文は一見にしかず」という言葉を添えます。普通このくだりでは「百文」では無く「百聞」と書くのですが、ここで言いたいのは、テレワークの場合、百の文章で長々と書くよりも、画面キャプチャで画像として見る方が一発で分かって、はるかに伝わりやすいということです。
例えば、「エクセル画面の機能の使い方が分からない」という相談の時に、文章で質問すると、ものすごく無駄に長い文章になりますよね。そんな時、画面キャプチャ=スクリーンショットをパシャっと取って、「これですが」と言えば一発で相手に内容が伝わります。その回答の際も全く同様です。スクリーンショットを示して「これです」と伝えれば一発解決です。
例えば、以下の画像です。
左側は「回答完了はボタンAですか?」 と言葉だけで質問しています。それに対して、右側は、画面キャプチャを添付することで、視覚イメージが付いて、はるかに伝わりやすくなりますよね。
ちょっとした差ですが、画像キャプチャをす付けるか付けないかで回答する側、相談される側の負荷が全く変わります。さらには相互認識違いなどの防止もできるので、すごくお勧めです。
画面キャプチャは、Windowsの場合は「Windowsキー」+「shift」+「s」でできます。
これだけですぐに画面キャプチャができますので、必要な時にすぐに出来るように、何度も練習して何も考えずにキャプチャができるように習得してみて下さい!
工夫4.待機中のタスクを伝える
4つ目の工夫は、「待機中のタスクを伝える」ということです。
「待機中のタスクって何?」 と思う方が多いと思いますが、相談や質問した後にすぐに回答が帰ってこないケースってよくありますよね。
リモートではそれぞれ時間もバラバラですし、特に相談される側の上司とか先輩というのは忙しいケースが多いと思います。質問してもすぐに回答を返してもらえるとは限りません。むしろすぐには返せないケースが多いですよね。
そんな時に、相談された側の上司が不安になるのは、回答を返すまでの間、質問した人は何をしているのかということです。
例えば質問が届いていて着信から30分経った後にその質問を見ました。その時に、「この質問してから30分の間、この人はどうしているのかな?」「もしかしたら回答を待って、何も進んでいないのではないかな」・・・ こういった不安を抱くのです。恐らく同じこと思っている上司は世の中に大勢いると思います。
この時にこの様な風に書いてくれてるとすごく安心します。
左側はダメな例です。 この質問だけだと、回答を待っている間何が行われているのか分からず、「ずっと止まってしまっているんじゃないか」と、不安なんですよね。
良い例は右側です。「(確認中は別の回答を進めておきます)」・・・この1行があると上司はすごく安心できます。 質問されてちょっと時間たっているけど、別の仕事がきちんと進めてくれていることが分かるからです。
このことも、ほとんど実践している人は見かけませんが、テレワークの上司や先輩の不安を大いに解消でき、非常に自身の評価を上げることができるポイントだと思います。
工夫5.クイックコールを活用する
5つ目の工夫は、「クイックコールを活用する」です。
どれだけ便利だと言っても、文章やメール、チャットだと伝えられる情報量に限界があるんですよね。
例えば、文章になかなか出来ない質問ってよくあります。また、何度も質問が往復することもあります。質問しても、回答しても、なかなか結論にたどり着けず、ラリーを繰り返してしまう。すぐに回答してもらわないと納期に間に合わないというケースもあります。
こういうときにはチャットとかメールで時間をかけてだらだらとやりとりするよりは、1回電話したりオンライン会議したりして話す方が圧倒的に速いのです。
やはりリモートになると、どうしても相手の時間を奪いたくない、奪ってはいけないという心理が働いて、何とか電話やオンライン会議ではない、チャットやメールで完結しようという意識が働くと思います。
しかし、ビジネスは手間や時間を無駄にする方が良くないケースも多々あります。ここぞという時には、電話やオンライン会議で遠慮せずに聞いた方が良いのです。
こういう意識をきちんと持たないと、これが出来ないことによって、無駄に文章で誤解が生まれたり、時間を浪費することに繋がります。それを防ぐためには、何かあったらクイックコールもできるという状況をつくっておくことが重要です。
もちろんメンバー間での意思疎通が必要ですが、ここぞというケースでは、「申し訳ありませんが、ちょっと電話かオンライン会議をお願いできませんか?」と伝えることで、結果として大きなミスや重要なタイミングを逃すことを防ぐことができます。
今回のまとめ
・工夫1 主体性をアピールする
・工夫2 提案ベースで相談する
・工夫3 画面キャプチャを活用する
・工夫4 待機中のタスクを伝える
・工夫5 クイックコールを活用する
それでは最後に今回の振り返りをしていきます。今回は5つの工夫を紹介しました。
1つ目は「主体性をアピールしよう」ということでした。どこまで自分で努力した上で質問しているのかを書いておくということです。
2つ目は「提案ベースで相談する」ですね。全てを相手任せに質問するのではなく、「AとBどちらがいいですか?」とか「私はAが良いと思いますが、いかがでしょうか」と提案ベースで勧めましょう。
3つ目は「画面キャプチャを活用する」です。「百文は一見にしかず」でしたね。文章で伝わりにくいことは、画像などの具体的なイメージがあるとすぐに正確に伝わります。
4つ目は「待機中のタスクを伝える」です。質問してもすぐに回答が返ってくるとは限りません。その間何をしているのかという上司や先輩の不安を解消するアプローチになります。
5つ目は「クイックコールを活用する」です。便利とはいえ、メールやチャットでは相談が解消しないこともあります。そういった時には、クイックコールとして電話やオンライン会議という選択肢をきちんと持っておくことが大切です。
今回は以上の5つの工夫を紹介しました。 ぜひ1つでも取り入れて頂いて、テレワークであってもスムーズに相談できて信頼関係を構築できる様になって頂ければ幸いです。
それではまた、次回の「テレワーク実践術」でお会いしましょう!
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▼YouTubeチャンネル「テレワークで活躍する秘訣~池田朋弘のリモート仕事術」
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