テレワークは役員車と相性バツグン
今回は、リモートワークが一般的になってきた今の時代こそ、古き時代の社長や取締役が使用していた印象がある“役員車”が有効に活用できる、という内容をお伝えします。
一見相容れない物を掛け合わせる事で意外なメリットが生まれる
昨年思わぬ処から端を発して、その便利さや必要性が世間に広がってきたリモートワーク。そのメリットを予想外のものと掛け合わせることで、大きなメリットが生まれることがあります。
私の実体験からその一例を挙げると“役員車”があります。会社の役員など要職の人が、運転手付きで送迎や外出の時に使う車の事です。
どちらかと言うと旧くからある存在のイメージなので、新しいイメージのテレワークとは全く相容れない印象があると思います。しかし実は、この「役員車」と「テレワーク」の2つを掛け合わせると、時間対効果を何倍も大きくできるのです。
社長時代に超繁忙期を乗り切った方法
私が以前自身が経営していた会社をM&Aでバイアウトした際、その直前の時期に猛烈に忙しい状況に見舞われました。
M&Aをする時には非常に膨大な量の資料の準備が必要になります。当時、そのほぼ全ての準備を私自身の手で行わなければいけない、という自社の状況がありました。そして、そのタイミングがBtoBの業態にとって一番の繁忙期に当たる、年度末の3月と重なったのです。その為当時の私は、膨大なM&Aの資料作成と通常業務で業績を上げるという事の両立を強いられたのです。
私の会社は社内をリモート化していましたが、実際の社長業の大半は取引先に出向いての商談が主です。その為、午前中に出発して取引先数社での商談を行い、戻るのは夜遅い時間。M&Aの資料作成ができるのはそこから後の深夜帯となってしまい、なかなかその作業は進みませんでした。
特にもったいないと感じていたのが“移動時間”でした。朝出発してから夜戻るまで、実際に商談している時間は半分もありません。大半は移動と移動の為の調整時間なのです。特に当時私は電車移動でした。電車の中ではPCを広げる事もできなく作業できないため、この時間を本当にもったいなく感じていました。
そんな時にどうしたかと言うと、高校の同級生だった友人に車送迎の運転手を頼んだのです。
ある友人が、その時たまたま職に付いていないタイミングでした。その為、その友人に日給制の運転手をお願いして、車で送り迎えしてもらう様にしたのです。
結果、もの凄く有益でした。移動時間の間中座席でPCを使った書類ワークができるし、リモートでの会議もできます。ビジネスパートナー達とのオンラインミーティングを車中から行っていた際には、「なんだか芸能人やエグゼクティブみたいな感じですね」と言われたりして、とても好評でした。
実際に大いに仕事が捗り、膨大なM&Aの書類ワークと事業の繁忙期の両方を全て成し遂げる事ができたのです。
テレワークのメリットは意外な所で活きる
この役員車を活用するというスキームは、「テレワーク時代だからこそ活きる手法」と言えます。車中でPCワークやリモートコミュニケーションが出来るようになった今だからこそ、大いに活用できる手段なのです。
実際に、ある一部上場企業の社長に、私のエピソードを踏まえつつこの“役員車×テレワーク”のスキームを紹介した所、早速導入されました。そして後日には、とても良い成果が出ているという感謝のメッセージを頂きました。
この“役員車×リモートワーク”のスキームは、それぞれのメリットでデメリットを補い合う良いパターンと言えると思います。
将来的に車の自動運転が当たり前の様になり、運転席に座る人が他事をやっても許される様な時代がくるかも知れません。しかしそれまでは、この運転手付きの車を活用して移動時間を有効活用していくという手法は、ビジネスに大きなメリットを与えてくれる手段になると思います。
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