茅野太郎と占いの学校4

ドアチャイムがガラリと音を立てた。
女の子が恐る恐る入ってくる。
「……こんにちは」
「らっしゃい」
太郎の向かい側に座る。
無言の時間が少しの間流れたが、女の子の方が口を開いた。
「茅野くん、どうしたらあなたみたいになれる?」
「ならないほうがいい」
「そんな」
「その先は、孤独だぞ」
「……」
「結局、占い師はひとりぼっちだ」
「茅野くんは、寂しくないの?」
「慣れた」
「……」
よくある話。
占い師になりたいという人はごまんといる。
楽に稼げるから、自分の好きな時に働けるから、人に感謝されて敬われたい人が安直に考える。

本来は占い師ほど、自分を律していかねばならない。
「生半可な覚悟で占い師になるもんじゃねぇよ」

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