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政権交代の可能性

本稿の検討内容

本稿は野党単独または野党連合による政権交代の
可能性はあるのか検討を行うものである。


 近年の国際紛争や疫病による国際情勢の不安定化と、国内での物価高騰により生活は急激に変化を続けている。ロシアによるウクライナ侵略では、日本や欧米各国を中心としたウクライナへの経済支援。ロシアに対してはSWAPの停止や海外企業の撤退や輸出入制限などによる経済制裁。新型コロナウイルスではマスク着用の要請や緊急事態宣言などを発令した。そのような変化と共に国民の政治への関心度と考え方は急激に変化をし政権交代が起こるのではないかと考えた。

そこで本稿では2023年までの国際情勢や各マスメディアの政党支持率、総務省の統計に基づき国政選挙での全国比例投票や小選挙区投票の投票結果に基づき、野党単独または野党連合による政権交代の可能性はあるのか検討を行うこととする。

現在の日本の政治情勢

まず現在の日本の政治情勢では自由民主党、公明党が連立政権を組んでおり、野党では野党第一党が立憲民主党、つづいて日本維新の会、国民民主党、日本共産党、れいわ新選組、社会民主党、みんなの党、参政党と続いている。

立憲民主党の泉健太代表は23日、共産党の志位和夫委員長と国会内で会談し、次期衆院選に向けて連携する方針で一致した。22日の衆参2補選で野党候補を一本化し、参院徳島・高知選挙区では支援候補が自民候補を破ったことを踏まえた対応。

毎日新聞

日本維新の会の馬場伸幸代表が自民、公明両党と連立政権を組む余地を排除しないと発言したことを巡り、維新の藤田文武幹事長は9日の記者会見で連立の可能性を否定した。「連立入りを目指して選挙を戦う意思はまったくない。安易に連立を考えることはない」と説明した。

「政策が前に進むならさまざまな力関係の中で取引をする余白を残すことは当たり前だ」とも言及した。

共産党の小池晃書記局長は「自民党政治を変えるどころか支える政党だということを告白したと受け止めている」と批判した。

政策単位で自公政権に協力する考えを持つ国民民主党の玉木雄一郎代表は「驚きはない。どの国でも過半数が足りなかったらどこかと組んでやるしかない」と話した。

日本経済新聞

そうなると現実的に考えることができるのは野党第一党の立憲民主党、または野党第二党の日本維新の会が単独で政権交代をするのではないかということである。

広域通信制高校が企画した講義に参加する
立憲民主党 泉健太
日本維新の会 馬場信幸
国民民主党 玉木雄一郎

立憲民主党の泉健太、日本維新の会の馬場伸幸、国民民主党の玉木雄一郎各代表は17日、広域通信制高校が企画した講義に参加した。馬場氏は、約10年で政権交代を実現すると強調し「できないなら、維新は解散した方がいい」とも言及した。

日本経済新聞

 (学生から立憲民主党のビジョンについて問われ)5年で政権交代を考えている。これを言うとまた怒る人もいる。野党第1党たるもの、次の(衆院)総選挙で政権交代は当たり前だという人はいる。理想論は間違いなくそうだ。でもそのためには候補者がいて、一人ひとりが勝てるような状況も作らなくてはいけない。いくつもクリアしなければいけないことがある。

朝日新聞デジタル

政党支持率から見る政権交代

実際に次の選挙でどのくらい議席を取れるのかというのはNHK等のテレビ局や新聞社の政党支持率を見ればある程度分かるというのが考えられる。

2023年NHK世論調査  各政党支持率

NHKの政党支持率の世論調査を見ると4月に行われた統一地方選挙後には立憲民主党の支持は低迷日本維新の会が大幅に支持率をあげていた。だが現在は立憲民主党が徐々に支持率を戻し日本維新の会よりも高い状態にある。そのため次回の国政選挙の結果で情勢は大幅に変化が見られる。

日本維新の会が野党第一党になると問題点として上がるのが人気は関西だけでなく関東にも広がっていくのかというのがポイントになる。立憲民主党がこのまま野党第一党として活躍する場合には世代関係なしに支持を広げることができるのかというのがポイントとなる。

現在の日本維新の会の支持率を見ていると、選挙が来る度に大幅に支持率が上昇はするが、その後下落するため一時的な支持はあがるが支持基盤としては弱く、現状の自民公明の連立政権に不満のある人が多く投票や支持をしていると考えられる。そのため選挙期間の支持率が実際の選挙の票数に繋がる可能性が高いと見られる。

次に立憲民主党では支持率をみてもあまり大きな変化が見られず2023年1月と同年11月では支持率の変化は見られず選挙期間には多少下がっていたが危惧するべき数字ではないため普段から支持している人が世論調査でも支持したと考えられる。

過去4回の国政選挙から見る政権交代

衆議院議員選挙 比例代表
自民 令3 34.66%  19,914,883票
       平29 33.28% 18,555,717票
立憲 令3 20.00% 11,492,094票
       平29 19.88% 11,084,890票
維新 令3 14.01% 8,050,830票
       平29 6.07% 3,387,097票
公明 令3 12.38% 7,114,282票
       平29 12.51% 6,977,712票
共産 令3 7.25% 4,166,076票
       平29 7.90% 4,404,081票
国民 令3 4.51% 2,593,396票
       平29なし
れいわ 令3 3.86% 2,215,648票
           平29 なし
社民 令3 1.77% 1,018,588票
        平29 1.69% 941,324票
N党 令3 1.39% 796,788票
       平29 なし

参議院議員選挙 比例代表
自民 令4 34.43% 18,256,245票
       令元 35.37% 17,712,373票
立憲 令4 12.77% 6,771,945票
       令元 15.81% 7,917,720票
維新 令4 14.80% 7,845,995票
       令元 9.80% 4,907,844票
公明 令4 11.66% 6,181,431票
       令元 13.05% 6,536,336票
共産 令4 6.82% 3,618,342票
       令元 8.95% 4,483,411票
国民 令4 5.96% 3,159,625票
       令元 6.95% 3,481,078票
れいわ 令4 4.37% 2,319,156票
           令元 4.55% 2,280,252票
社民 令4 2.37% 1,258,501票
       令元 2.09% 1,046,011票
N党 令4 2.36% 1,253,872票
       令元 1.97% 987,885票

総務省HP

上記は総務省のHPを元に筆者がまとめたものである

しかし直近の過去4回の国政選挙をみると立憲民主党の投票数は8%ほど減少しているため支持基盤は強いが一般の人の投票は他党へ流れてしまうというのが分かる。一方で日本維新の会は国政選挙をみると得票数が9%ほど上昇しているのが分かる。今までは野党第一党として力を持っていた立憲民主党だが、日本維新の会の人気が出始めて現状の与党政治に不満を持つ人が立憲民主党から日本維新の会に流れてしまっているというのが過去4回の国政選挙の投票結果から考えられる。他にも世代別得票率をみると立憲民主党に得票した人はもっとも多いのが60代から70歳以上のため今後10年以降になると得票率も下がり立憲民主党は現状のままだとさらに議席数が減ると考えられる。

そのため次回やそれ以降の選挙になると日本維新の会の選挙の際にでる勢いや、現状の与党政治に不満を持つ人が立憲民主党ではなく日本維新の会に投票をし、元から支持していた60代から70歳以上の人たちも少なくなるため立憲民主党は得票率で負けてしまい野党第一党の座を日本維新の会に奪われてしまう可能性が高いと考えられる。

一方で自由民主党の支持率をみると3割近くを得ており、過去4回の国政選挙の投票率も下がっていない。世代別の各政党の得票率を見ても自由民主党は10代からの人気が高く自由民主党の得票率は上がっていくのではないかと考えられる。このことから日本維新の会単独での政権交代というのは夢のまた夢であり、これは立憲民主党にも同様に言えることであり、ほかの泡沫政党も支持が大幅に上昇していることもないため難しいと考えられる。

以上のことから考えらる政権交代

これら以上のことから多党制を採用している日本では政権交代を望んでも、立憲民主党と日本維新の会などの野党内での票の分散が大きく見られるため、野党連合を組むもしくは、得票率が大幅に下落し立憲民主党が泡沫政党のように議員の数が少なくならないと政権交代は不可能に近いものではないかと考えた。立憲民主党は強い支持基盤もあるため今後10年内に泡沫政党のような党になるとは考えることは難しい。これら以上のことから今後10年以内で考えると政権交代が起きるのは野党連合を作る又は与党から野党に人が大きく流れない限りありえないと考えられる。現状の各党首の発言を見ていても野党連合を組むのは少ないと考えられるため今後10年以内での政権交代は難しいものであり政権交代は現状の状態が続くと最低でも今後10年以降に政権交代の可能性が見えてくるのではないかと思う。

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