2172 インサイトのファンダメンタル分析
初めまして、リトルポパイです。
2172 インサイトのファンダ分析を備忘録も含め、
2023年2月時点、自分なりに記していきます。
ここにたどり着いている方は、事業内容はすでにご存知だと思うので、割愛いたします。
注目し始めたきっかけ
最近、高PERキラキラグロース株のパフォーマンスが良くなく、今まで人気ではなかった低PBR株やテーマ株の株価が上昇しています。そこで私もせめてテーマに沿った投資をしようと思い、個人的に今後の日本でアツいものは「インバウンド」という結論に至りました。
日本は観光立国として確立していくだろうと考えており、2023年度に入り急速にインバウンド需要が増加していると感じています。(実際に以下のデータ参照)
しかしインバウンドテーマ株を探したところ、すでに宿泊施設予約会社や航空会社、旅行ツアー会社の株価は上昇中で投資の旨味が少ないと感じておりました。
そんな中、2023年2月10日に監視リストに入っていた「2172 インサイト」が株価急上昇、なんぞやと思い確認したところ大幅上方修正とのことでした。さらに中身を見てみると北海道の観光分野の広告事業が上手くいっており、ここは未だに織り込み済みでない可能性が高いと感じたため、調査を始めました。
インサイトのクセ
数年前からこの銘柄は監視リストに入れており、ここ数年の株価急騰のクセもおおよそ把握していると思っております。
ここ数年で株価が急騰したタイミングは以下の三つ。
2019年7月
菅内閣から利用者増加が続く新千歳空港の機能強化に向けて、発着便数拡大などを要望が発表されました。
最高値は885円。
2019年10月
札幌でマラソン・競歩オリンピックが開催されることが決まりました。
最高値は675円。
2020年8月
当社と日本最大のクラファンプラットフォーム「マクアケ」が組んだというニュースが発表されました。当時のマクアケは現在の株価の約10倍ある大人気企業でして、自分もこのニュースにワクワクしていた記憶があります。しかし業績が良くなったとかそのような類ではなく、ただの思惑でした。当時のYahoo掲示板では新しい時代のマクアケ!といったコメントが散見されたかと思います笑
この時の最高値は865円。
このように、今までの株価急騰は全て思惑であり、
これらのニュースの後の当社の業績は、決して投資家の期待を超えるものではなく、株価は今まで低空滑走しておりました。
しかし2023年の2月10日に上方修正が発表されました。
2023年の2月10日からの株価急騰は思惑ではなく、
業績によるものということで、今までのボロ株(気を悪くした方すみません)が成長株に切り替わった瞬間だと感じました。
それでは今後の株価上昇についての所感を簡単に述べていきます。
割安性×成長性×カタリスト
1.安全性
まず軽く安全性について触れます。数字は直近の2Q決算から算出します。
流動比率160%
固定長期適合率はもちろん、固定比率100%以下
自己資本比率も問題なし
営業CFがマイナスとなっていますが、「売上債権の増減額(△は増加) 」の項目は回収し、結果通期でプラスに落ち着くので問題なし。
以上より、安全性については問題のない銘柄かと思われます。
2.割安性
他社比較
当社の売上比率的に広告代理店とみなします。その広告代理店の中でも地域に基づくデジタルマーケを得意としています。というか広告代理店は全社がデジタルマーケに注力しています。なので広告代理店全てと比較しても良いと考えています。
普段はバフェットコードというツールで比較させてもらってますが、インサイトは載ってません泣
PERはコチラをご覧ください。
これは昨年のデータで、最近の2023年度の決算内容を含んでいませんが、大きな変化はないでしょう。インサイトはほぼ最下位に位置します。
PBRはノーマル。
当社比較
当社の過去の株価指数と比較します。
この記事を書いている2023年2月下旬時点の予想PERは6.7です。
過去のPERを観察してみると、コロナショック時を除き、基本PER8以上で推移してきました。
総じて現時点でまあまあ割安という印象です。
株価は今後上がるのか?
純利益ベース
基本的にこの銘柄の株価はPER8に収束してきたことから、仮にこの銘柄の適正PERが8だと仮定します。(それでも低いですが)
ダブルバガーを最低でも狙いたい私としては、予想PERが4となる、つまり純利益が最低でも2億円はいく必要があります。
現在23年度の予想当期純利益は1.23億円。
このギャップを埋めることができるのかどうかですが、23年度の2Q時点ですでに1.2億に達していることから、今年さらに追加で上方修正が出され、純利益2億円を超える可能性は大いにあると考えています。※1
PERベース
そもそもPERがもっと大きくても良いと思っています。
上方修正によると、
売上高YoY +26%
営業利益YoY +136% となっております。
24年度以降もさらに業績upすると※1
PERが8で収まるレベルではなく、少なくともPER15ほどの人気が出ても良いと考えています。
簡単ですが、このように純利益増加・PER上昇の両方の点から時価総額の上昇、株価上昇につながると考えています。
3.成長性
以上の内容は来期以降も業績がupしていくことが前提です。
※1今後の成長性について所感を述べます。
内部環境の変化
・営業利益の大幅アップ
取締役に浅井亮介氏がアサインされたことが大きいと思っています。
この方はADK・博報堂で10年キャリアを積んだ後に、2021年7月インサイトに入社し、2022年7月にはデジタルビジネス部長に、同年9月には取締役に就任しました。
そのタイミングで、売上が上がるものの販管費は変わらず、営業利益率がかなり改善しました。因果関係の考察余地はありますが、今期の営業利益は一過性のものではないと推測されます。
市場の外部環境
・売上高アップ
2Q売上高20億のうち9億円は観光コンサル事業によるものです。
それに付随し、“販促物”や“その他“の項目においても観光に関わるものもあるので、売上の半分以上は観光関連といっても差し支えないかもしれません。(違ったらすいません)
(例として、外国人向けの英語の札幌市ホームページ作成を手掛けるなど)
2023年度現在、インバウンド需要が急増していると最初に述べましたが、実は…コロナ直前2019年の訪日外国人客数には未だに半数しか戻っていません。
そのこともあり、まだまだ伸びる余地が大きいと思っています。
さらにインサイトは観光大国北海道がメイン。北海道は今後次のようなビッグテーマが待っています。
4.カタリスト
今後のスケジュール(未定のものも含まれます)
2023 ボールパーク開業
2023-24 再開発ラッシュ①
2027 ラピダス工場
2028 再開発ラッシュ②
2030 札幌五輪?
2030 北海道新幹線開業
このように北海道では毎年何かしらの株価急上昇のきっかけ(カタリスト)が生じることが予想されます。開発事業は以下のリンク参照。
以上、個人の見解を多分に含みます。
懸念点
•時価総額が小さすぎる
•大株主構成が創業者一家
•広告以外の事業を考慮していないじゃないか
•他の観光銘柄とも比較すべき
などなど、Twitterの方でリプライやDMいただけると幸いです。至らない点もまだまだ多いかと存じますが、ご教授の程よろしくお願いいたします。自分の可能な範囲で議論もできたらと思います。
追記訂正)
観光コンサル事業の売上はふるさと納税事業によるものが大きいと思われます。。。