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高齢者問題とご近所付き合い

深夜の喚き声

10年近く前、深夜になると外から喚き声が聞こえた。それが連日で午前2時〜5時ぐらいに聞こえてくる。「他の人には聞こえない声が私には聞こえるのか?」と思いつつ、ご近所さんに相談しても「そんな時間には眠ってる」と言われるだけ。そりゃそうだ(笑)

深夜に聞こえる喚き声…最初は酔っぱらいが叫んでいると思っていたが、耳を澄まして聞いてみると酔っぱらいではない。となると…警察に連絡したほうがいいのか?日に日に不気味さを感じていた。

深夜のテレビ番組に夢中になり明け方近くまで起きていたら、またあの喚き声が聞こえた。この日は別の部屋にいたのでいつもより声が大きく聞こえる。窓をそっと開けて外を見てみると、そこには…

すぐ隣の文化住宅の2階通路から「ドロボー、ドロボー」と80代女性(A子さん)が叫んでいた。かといって泥棒がいるわけでもなく、道路に向かってひたすら「ドロボー」と叫んでいるだけだった。

後日分かったことだが、「ドロボー」と叫んでいたAさんは痴呆症。隣の80代男性(B男さん)が勝手に部屋に入って豆腐を盗んだとか、家の前に一升瓶を置いて外に出られなかったなど被害妄想が酷かった。

一方で勝手に泥棒扱いされているB男さん…本来なら喧嘩になっても不思議ではないが、耳が遠くて寝ているときは補聴器を外している。だから外で何を喚こうが何も知らなかった。

結局、A子さんが夜中に喚いているのを聞いているのは私だけ。包括センターの方から事情を聞かせてほしいと言われて正直に話したが、これがきっかけで施設に入ったらしい。喚き声がなくて安心したが、別の心配がどこかにあった。

正月の早朝

これも隣の文化住宅で起こった話。(また)深夜にテレビを見ていたら外から無線の音がする。

外で無線⁉︎
『「警察」「救急車」「消防」この3つのうちどれか!』そんな勘が働き、窓を開けて外を見ると、2人の警察官が耳が遠いB男さんのドアを叩いていた。補聴器を外しているからどれだけドアを叩いてもB男さんの応答はない。警察官が別の心配をしていたので、外に出て警察官に声をかけた。

すると「ちょっと来てもらえませんか?」と呼ばれて警察官の元に行くと…そこには痩せ細った70代男性(C夫さん)が下着姿で倒れていた。新聞配達員が気づいて警察に通報したらしい。だが、身元がわからないので倒れていた現場のすぐそばの家のB男さんに尋ねたかったのにドアを叩いても応答がなかった…そんな経緯。

下着姿で倒れていたC夫さんはA子さんやB男さんがいる文化住宅の住人。ややアル中気味でよく道路で寝ている人だった。昼間に外ですごい音がしたので見に行ったらC夫さんが酔っぱらって階段から転げ落ちて救急車で運ばれたこともあった。

今回は1月の深夜…低体温症になっていたので、警察官が救急車を呼んだとのこと。救急車が到着するまで警察官2人と私の3人がC夫さんについて話して時間を繋いだ。

夜中の出来事なので、他の住民は救急車のことを知らない。現場がすぐそばだったのにB男さんですら知らなかった。深夜に起きているとこんな事ばかりだ。

深夜に倒れていたC夫さんについて包括センターから事情を聞かれた。その後のC夫さん、施設に入る前にアル中治療のため入院したそうな。

ご近所付き合い

私が住む地域は高齢者が多い。家族と同居してる地元民もいるが、他の地域から引っ越して一人暮らしの方もいる。割合は半々って感じ。

元気な人が多いが情報の入手方法はテレビや新聞、地域のことは回覧板ぐらい。私も今の土地に長年住んでいるのでご近所付き合いは多い。どこに誰がいるか分かっているので、地震や台風で被害を受けた時も近隣で声を掛け合ってきた。

今でも地主が多くて近所付き合いも多いが、ワンルームマンションが続々と建設されて誰が住んでいるのか分からないのも現状。引っ越してきても挨拶もないので名前も知らない…先日も宅配業者の方に表札がないお宅を尋ねられたが答えられなかった。

ご近所だけど知らない人…関わりを持たなくていいので楽といえば楽。とはいえ、ある程度の情報交換はいざという時に助け合いができるメリットがある。そういう環境で育ってきたので私はご近所付き合いは大切だと思うタイプだが、それすら面倒と思う人が多いってことはちょっと寂しい。

あ、今は付きまといとかあるから、ご近所とはいえ警戒しないといけないのか⁉︎日本も物騒になったな…

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