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プロとして意識したとき
こんにちは。
POPコピーライターのナガイユミです。
疲れを感じない忙しさ
オープン直前の店舗で先輩たちとPOPを書いているときは時間との戦い。ある意味、殺気立っている。そんなときに新店舗で研修しているスタッフが私たちの近くで「うまっ!」と言って通りすぎる。
本来は喜ぶところだろうけど、そんな余裕はない。とにかく山積みになった依頼書をこなしていくのに必死。しかもデスクはなく、倉庫の床に段ボールを敷いてビールケースを机にする人もいれば、使わない棚を机代わりにしている人もいるし、段ボールを積み上げて立ってPOPを書く人もいる…それが苦にならないくらい必死だった。
オープン前日になるとナチュラルハイになり、ちょっとしたことでも笑い転げる変な状況になる。しんどいはずなのに疲れない…新店の準備で呼ばれるたびに陥る謎のテンションだ。
プロとしての目覚め
新店舗で準備作業をしているとそのお店で働くスタッフのいろんな研修がある。もちろん移動もあるが、その時に私たちがスゴい格好でPOPを書いている姿を見て「うまっ!」と言って通りすぎていく。
本来なら褒められて喜ぶところだけど、ある先輩がつぶやいた…
「私らはこれ(POP)で給料もらってるんや」
褒められて喜ばずにサラッと言える…「あ〜プロってそういうことだ」と痛感。新人だろうがベテランだろうが「POPライター」として採用されている以上はプロなので、褒められるためにPOPを書いている訳じゃない。
POPを褒められることよりもっと大事な役割がある。それを意識してからはPOPを褒められても嬉しいと思わなくなった。
周囲からの刺激
POPを書いていると褒められることもあればダメ出しもある。陰口を叩かれることだってるだろうし、無茶振りされてオロオロすることもある。それでも「POPライター」という職業は平静を装ってPOPを書き続けなければならない。
たくさんPOP依頼がある中でいろんな注文にも極力応えようと努力はするものの、私にはそんな技術もなかったし全力で取り組む以外に取り柄はなかった(笑)
ある日、ベテランの売場スタッフさんから私が書いたPOPで商品がすごく売れたと言いにきてくれた。しかも前年比の数値など細かなデータまで教えてくれた。そしてひと言…
「今度は倍以上売るよ!」
えええええっ!
これも売場スタッフのプロ根性。現状に満足せずにさらに(露骨に)上を狙う人たちが多い職場だったので、担当は違えど刺激だらけ。
そんな職場でPOPを書くというのは厳しい世界でもあるけど、この企業に入る前にフリーランスでやっていたけど意識が全然違う。私の考え方も変わったし、日頃の生活においてもPOPを書く右手にはかなり気を使うようになった。
当時は「プロのPOPライター」と名乗れば自分の意識が変わると思っていた。しかし店舗専属のPOPライターとして中に入ると周囲のプロ意識に圧倒されて、自分が「プロ」と名乗るのが恥ずかしくなる。
お店の売上を上げることはもちろんだけど、周囲のプロ意識が人を育てていく。それはレジ・各売場スタッフだけでなくPOPライターも同じ。「POPを書いてあげてる」なんて上から目線は私は嫌いだ。
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最後まで読んでいただいてありがとうございました。
次回をお楽しみに!