【2022 AW】これは外せないブランド3選
2022AW海外(東京以外)のコレクションが、3月8日をもって幕を閉じた。
パリ、ミラノ、ニューヨーク、ロンドンと各地でショーが開かれた。コロナの影響からフィジカルでのショーができなかった1,2年を考えると、今季は多くのブランドがフィジカルでのショーを再開していた印象だ。
僕はTwitterを中心にコレクションツイートを1日1回を目標として更新しているため、2022AWのツイートは今後も続くだろう。しかし、海外のコレクションが終了した今、特に注目したブランドを3つこれまでのツイートの中から紹介しようと思う。
BOTTEGA VENETA 2022AW
ひとつ目のブランドは、BOTTEGA VENETAだ。
今季は新クリエイティブ・ディレクターのマチュー・ブレイジーが手掛けるデビューコレクションとなった。マチュー・ブレイジーは、RAF SIMONS、Maison Margiela、CELINE、Calvin Kleinと世界中のファッショニスタが注目するトップブランドでキャリアを築いてきた彼は、新しいBOTTEGA VENETAの物語をスタートさせた。
今季の注目アイテムの一つであるデニム。上記のファーストルックから、白のタンクトップにデニムパンツを合わせる非常にシンプルなスタイル。実はこのパンツはレザーのデニムにプリントを施したものという、BOTTEGA VENETAにしかできない裏切り方のスタイルであった。
またブランドを象徴する編み込みのバックは、以前よりもより細やかなデザインになっている。バックだけではなく、シューズにも同じデザインを用いていることで上記のようなシンプルなスタイルの中にも溶け込むことができていると思う。
Yohji Yamamoto 2022AW
2つ目のブランドは、Yohji Yamamotoだ。
Yohji Yamamotoに注目し始めたのは、日経新聞の私の履歴書で山本耀司が掲載していたことがきっかけだ。ブランド創設者の生い立ちから現在までを深く知ることができたのは、ブランドに対してのイメージと見方が大きく変わった。そんなYohji Yamamotoが今季のファーストルックで登場したのはデニムのシャツである。
僕は、Yohji Yamamotoがデニムをスタイリングの一つに取り入れること自体の衝撃があった。また、そのスタイルをファーストルックで登場させることにもさらに衝撃を覚えた。しかし、シンプルにテーラードの効いたデニムのシャツを提案するだけではなく、ブランドの象徴でもあるブラックと独自のカッティング、シルエットを放つスカートを合わせることで「らしさ」を表現できていると感じた。
上記のスタイルは、デニムは外すことのできないアイテムであること、現代的なテーラードの要素を取り込んでいること、Yohji Yamamotoのブランドらしさの3つが含まれたスタイリングである。
GIORGIO ARMANI 2022AW
3つ目のブランドは、GIORGIO ARMANIだ。
GIORGIO ARMANIは、社会に対しての想いやメッセージをファッションを通して伝えることで有名な1人である。そんな中、今季のコレクションのランウェイショーを開催する時は、ウクライナに対してロシア軍が軍事侵攻をしている真っ最中の出来事。
そこでGIORGIO ARMANIはBGMは使わず無音でショーを開催することを決定した。「ウクライナの悲劇に巻き込まれた人々へのリスペクトのサイン」として、開催の数時間前に急遽、無音での発表に変更した。
僕は、社会がファッションを変える力をもっていると思う。その僕の中の想いが現在の社会情勢を考慮してすぐさまにファッション業界が対応した例である。正直、GIORGIO ARMANIのコレクションはあまり注目をしていなかった。しかし、社会に対しての想いや考えをブランドとしてスピード感を持って表現したことが今季のコレクションで非常に印象的であった。
コレクションを動画で拝見したが、無音の中のショーは非常に厳かで独特な雰囲気を醸し出してることを感じた。しかし、GIORGIO ARMANIの力強いメッセージ性と光沢感、艶感、スパンコールを散りばめたようなデザインのアイテムは、「光」を彷彿とさせるアイテムばかり。「光」を彷彿とさせるアイテムだからこそ、無音のショーを決断したのであると思った。1日でも早く戦争が終わるように願う「光」を待っているかのような、GIORGIO ARMANI本人の表現方法がコレクションであったのではないか。
2022AW 振り返り
今季、僕が特に注目したブランドは、BOTTEGA VENETA・Yohji Yamamoto・GIORGIO ARMANIの3つ。
デニム、テーラード、社会情勢、各ブランドが表現することは異なっても、それぞれの想いを明確にコレクションで表現していると感じた。パンデミックや戦時中という社会が非常に不安定の中に開催された2022AWのランウェイショーは、僕が初めてファッションウィークを見た印象に残るコレクションになった。
今後は、2022AWのツイートと新たに深掘りしたいブランドが登場したら、noteで記事を書いていきたい。自分だけの視点と感性で、今後も夢に向かって発信を続けます。