焼きたてジャぱんの最終回について
皆さんは「焼きたて!!ジャぱん」をご存知だろうか。
1994年生まれの筆者は、小学一年生の頃に連載が始まり、中学一年生に連載が終わるまで、毎週楽しみに読んでいたのがこの作品。
日本を代表するパン、「ジャぱん」の完成を目標に、パン作りの大会などに出ては様々なパンを作る、パン作り少年漫画だ。
コミックスの巻末には作中で出てくるジャぱん〇〇号(試作品にはナンバリングが振られる)のレシピが載っており、小学生の作者も実際にパン作りに励んだ。発酵時間とかが子供にとっては地獄のように長かったが、その時間に何度も漫画を読み返した。そのくらい面白い漫画だった。
最近、《ママタルトのラジオ母ちゃん》や《真空ジェシカのギガラジオ》で、「焼きたてジャぱんの最終回が酷いらしい」と言う話題で盛り上がっていた。
本作品を読んだママタルトの大鶴肥満さん曰く、「ネットでは最終回の噂が独り歩きしていてかなり叩かれているが、ちゃんと作品を読んでいくとなかなか納得できる終わり方ではある」とラジオで述べていた。
焼きたてジャぱんの最終回で、独り歩きしている最終回の画像とは、下のものである。
コミックス26巻も続き、水曜日の晩頃にアニメもやっていた当作品の最終回 最後の一コマが「ダルシムのなんやて!?」で締められている、この画像がネットでは話題であった。
そしてこれに対し大鶴肥満さんは「言うほど酷くない」と述べていた。
では、本当に酷くないのだろうか。
納得できる終わり方だったのだろうか。
では実際に、連載を7年間追いかけていた筆者の考えを述べる。
焼きたて!!ジャぱんの最終回は酷かったのか?
それは……
ゲ ッ コ ク
激 酷 !!!!!!!!
げっこくでした。
どう考えてもげっこくです。本当にありがとうございました。
こういう読みの二字熟語がありそうでない「げっこく」という感想が飛び出てしまいました。
何故肥満さんはこの最終回に納得出来たのか、本当に分かりません。
では、どういう流れでこうなったのか?
※以下に最終回のネタバレを含みます。
繰り返すようですが、当作品は「日本を代表するようなパン、ジャぱん」を目指し、奮闘する様子を7年描いて来た。
作中では、富士山型をした無発酵ナン(ジャぱん16号)や、324層のバケモノミルフィーユのクロワッサン(ジャぱん43号)、大鶴肥満さんも大好きメロン寿司パン(ジャぱん58号)など、なんともワクワクするストーリーと素晴らしいパンが登場するも、「これは本当のジャぱんではない」と次の試作に取り掛かる主人公。
当然、読者の中では「真のジャぱん」に対してどんどんハードルが上がっていくのです。
そして最終章。
主人公はとある壁にぶち当たる。
「パンの発酵により発生する炭酸ガスが、地球温暖化を促進させている。地球温暖化により海抜は上昇し、タヒチ島などポリネシアの島々は沈んでゆく……つまり、パン作りは、人を悲しませる行為である」
「つまり、地球温暖化を解決するパン、これこそが《真のジャぱん》じゃ!!!!」
マジか
大きく出たな
でもここまで上がったハードルは、確かにこれだけの無理難題をクリアしてこそなのかもしれない。
そう読者に思わせ、またグイグイと引き込んでゆく当作品。
主人公は「とろろ」を使って真のジャぱん作りに取り組む。
と、とろろ??
マジか、パンで聞いた事無さすぎる……
これでどうやって、地球温暖化を解消するんだ??
一層、当作品は読者を引き込んでいく。
「出来た!!これが真の、ジャぱんじゃ!!」
とろろパンが完成する。
別に今のところ、地球温暖化を解消している感じはしない。
どうなるんだ……?
とろろパンを、主人公の(元)好敵手の、関西人パン職人の河内が食べる。
河内は、ミスター味っ子などのバトルグルメ漫画ではお馴染みの、いわゆるリアクション枠である。
その食べ物のうまさを、様々なリアクションをとって、面白おかしく読者に伝えてくれる。これもこの作品の魅力である。
パンを食べた河内はダルシムになった
もう1回いいます
パンを食べた河内はダルシムになった
とろろパンを食べて、そのリアクションでダルシムになった河内。
もう意味は分からないが、まあ、そういうリアクション芸だし。こんなとこにつっかかってても仕方ないよ。うん。そんなことより、どうやってとろろパンで地球温暖化を解消したんだ!?!?
ダルシムになった河内が、超能力で海から陸を浮かせた
これで地球温暖化で海抜が上昇しても、島は沈まないぜ
〜 fin 〜
は??????????????
え??????????????
まず、大陸って、表面だけ浮くようなものじゃなくない????
プレートとプレートがぶつかってその、隆起してその、
なんやて!!!??????!!!!????
夢オチは「なんでもありすぎる」という理由で、ご法度ですが、まさかのそれに近しい「ダルオチ」をした本作品なのであった
最終コマで「なんやて?!」と言うダルシムは、7年間もジャぱんとは一体何なのか?を追い求めてきて、最終回を読んだ読者。つまり、我々自身が、ダルシムだったのかも、知れませんね。
おわり