
ネコたん!弐 感想
おはようございます🌞 ぽん酢です。
朗読劇『ネコたん!弐 仮面遊戯殺猫事件』の感想を書いていきたいと思います。
感想と言っても、峯田茉優さんの演技についてのものがメインになるかと思います。
まず、私が観劇した回は全部で3回です。
・2024/11/19 19時回(迷路ソマリ役:鈴原希実さん)
・2024/11/21 13時回(迷路ソマリ役:伊達さゆりさん)
・2024/11/21 18時回(迷路ソマリ役:伊達さゆりさん)
このうち峯田茉優さんが出演されていたのは11/19 19時回です。(阿修羅飄 役)
こうして見ると、まるで伊達さゆりさんのオタクみたいな感じですがそういうわけではなく、知人の伊達さゆりさんのオタクに誘われたのと、男性声優が演じる阿修羅飄と、峯田さん以外の女性声優が演じる阿修羅飄を観ておきたかったからです。
(ネコたん!壱でも伊達さゆりさんの演技は観ていたので、変化や成長を見てみたかったのもありますが……)
演者の違いによるソマリ解釈の違い
せっかく異なる声優での迷路ソマリを観ることができたので、鈴原さんと伊達さんのソマリで受けた印象の違いについて触れていきます。
まず迷路ソマリ自体ですが、決して頭がいいというわけではなく、常識が欠如している部分もありながらも、情熱があり興味を持ったことに突進していく愛くるしいキャラと認識しています。
公式の文章を引用すると、「思い立ったらすぐ行動、猪突猛進・天真爛漫な探偵猫」です。
鈴原さんと伊達さんのソマリで、この部分から大きく乖離することはありませんが、それでも微細な違いは感じ取れました。
違いについて分かりやすいと感じたのは冒頭部分の、アルファベット三文字の略語を頓珍漢になんでも「たまご」に繋げてしまうシーンです。
鈴原さんのソマリは、「英語が苦手」という面でソマリの頭が良くない特性を演じていました。一個一個単語を確認していくように、自信が無く探るような、でもその姿が可愛らしく見える。そんなソマリを演じられていたと記憶しています。
一方で伊達さんが演じるソマリは突き抜けてアホでした。自信満々に声高々と叫ぶ「グレートオブオールたまご」の語句。天真爛漫な様子が分かる、良いソマリでした。
個人的には序盤のこのシーンで、ソマリの勢いある情緒を見せてくれた伊達さんの演技が好きかな〜と感じています。終盤にソマリが阿修羅飄へ説教するシーンがあるのですが、この序盤部分でソマリの感情表現を見せておくことで、終盤の当該シーンの説得力が増すと考えています。
峯田茉優さんが演じる阿修羅飄の印象
一目見た時から世界屈指の財閥家系と分かる高貴さを感じる阿修羅飄です。おそらく峯田さんの声の出し方や台詞と台詞の間、そして立ち姿から感じ取れるものでしょう。
また、阿修羅飄というキャラはクレイジーな一面も持ち合わせているのですが、そのクレイジーな部分がどこで形成されてしまったのか、きっと財閥家系という立場から形成されてしまったのではないだろうか、という想像まで膨らむほどに峯田さんは阿修羅飄を演じきっています。
ちなみに、飄の性格が地位によって少し歪んでしまったのでは?と考えると、自分を叱ったソマリに友情を覚えてヘリコプターで雨路探偵事務所に突撃するのも、「仕方ないか……人との距離感分からずに成長してそうだもんな……」となります。
峯田茉優さんの演技で好きなシーン
想定よりもソマリについて書いてしまいましたが、内容的には少々物足りなさも感じるので、誰かソマリのオタク(もしくはソマリ役の演者のオタク)が補完してくれるのを期待しましょう。時代は他力本願です。
さて、本作での峯田茉優さんの演技で、特に好きなシーンが2つあります。
まず1つ目は阿修羅豪(阿修羅飄の父親)生前葬にて、チューインガムズのレンが登場したシーンです。レン(峯田さん出演回では涼本あきほさんが演じる)はネコたん!の世界のアイドルです。
レンが出てきたとき、峯田さん演じる阿修羅飄は主役である豪を差し置いて、それはもうとても興奮した様子で「レンちゃーーーーーーーーん!」と叫んでいました。これはもうある種ファンサですね。素晴らしいことです。
……。
本当にただのファンサ、ただのオタク丸出しの峯田茉優さんだとお考えですか?
このシーンでオタク的挙動をしたのが、しっかりこの後の展開で活きてくるんです。阿修羅飄とレン(というか阿修羅家とレンの家系)は因縁の仲とも言える、レンにとっては宿敵とも捉えられる関係性です。レンが阿修羅に近づくために利用したのが、「阿修羅飄がチューインガムズの大ファン」という属性です。
前述の、生前葬でのオタク挙動阿修羅飄があることによって、この「大ファン属性」に説得力がでてきます。阿修羅家というのはネコたん!の世界における一番大きな財閥なのですが、「アイドルが巨大財閥の御曹司と繋がれるほどに阿修羅飄がチューインガムズの大ファン」というのを、峯田さんは一発の演技で提示しました。本当に素晴らしい。
2つ目も同じく生前葬のレン登場シーンで、レンが主役の阿修羅豪のためにステージに立ってパフォーマンスをしているシーンです。
私はこの時、阿修羅飄がどんな景色を見ているのか知りたかったので、ずっと視線の先を追っていました。
レンを演じていのが峯田さんと同じ事務所の涼本さんということもあり、ここの阿修羅飄の感情の機微を確認したかったのもあります。
それはさておき、本シーンでの阿修羅飄ですが、ステージにいるレンではなく父親である阿修羅豪をずっと見ていました。
私が下手からの観劇だったため、視線の角度がよく見えたので気づいたのかなと思います。おそらく正面からの観劇では、レンを見ているように映ったかと思います。(つまり物語の中で違和感の無い視線の動きです)
このときは、レンの登場を阿修羅飄が用意したので、父親である豪の反応を見たかったのかな?やアイドルにニチャニチャしている父親にイラっとしたのかな?という解釈をしながら観劇してました。残念ながら全てハズレです。
物語のこの後の展開として、阿修羅豪は生前葬中に絶命し、それを仕組んだのは阿修羅飄だったという真相が明かされます。
心臓に持病のある父親を生前葬で無理させてアイドルの登場と乾杯の音頭で死に至らせよう!という作戦を阿修羅飄は実行したわけですが、そんなことを計画していたらそりゃあ大ファンのアイドルよりも父親の姿が気になりますよね……このキャラクターの心情を台詞も無く台本にも書いてない状態で描写したのは、さすが峯田茉優さんだと思います。大好きすぎる。
伊達さゆりさんの演技
せっかくネコたん!壱と弐での伊達さゆりさんの演技を見比べることができたので、少し触れておきたいと思います。
ネコたん!壱のときから、声によるソマリの心情描写はしっかりとしていて、ソマリが持つキャラクター性が伝わってくる演技をされていました。
しかしながら、壱の時点では声以外の演技(表情つけ方、視線、マイクの使い方など)が、少しぎこちなかったように印象を受けました。
壱のときから変わってると嬉しいな〜と思いながら弐を観劇したところ、なんと大幅に改善されていて、めちゃくちゃ良い演技をされておりひっくり返りました。
台詞中の視線が台本から離れ目でも演技するようになり、それに伴い体を使っての表現(舞台ではないのであくまでも朗読劇としての範疇)も増え、壱の時に今後見てみたいなと感じた姿がそこにあってとても嬉しい気持ちになりました。
一人の声優さんの成長を感じられて、非常に良い体験ができました。
伊達さゆりさんありがとうございます。
最後に
もしネコたん!に参(続編)があるなら、必ず観に行きたいと思っています。
峯田茉優さんが出演されていたらとても嬉しいですが、ネコたん!という作品自体が好きでもありますので、物語の続きを追っていきたいな〜という気持ちです。
また、推しや応援している声優/演者さん、気になる声優/演者さんが出ていない回を見ることで作品の解像度や推しの演技のさらなる魅力を知ることができるので、生活を破壊しない程度に複数回観たいな〜と思います。
おわりだよ〜(o・∇・o)