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RunwayFRAMESを最大限に活用する方法:公式ガイドを読み解いてみる

誰も使わなすぎると話題のRunwayが提供する画像生成モデル「Frames」
使ってみたいと思う人向けに解説記事を作成しました。公式チュートリアルでは画像も公開されていますので、そちらとともに参考にしていただければと思います。

公式プロンプトガイドはこちら

Framesがどのような表現を得意とし、どのように活用できるのかをスタイル・キーワード・使用例を挙げながら解説していきます。(ここでのスタイルは選択できるSTYLEとは別、表現の方向性を意味しています。)


1. Aesthetic Styles(美的スタイル)

まずは「Aesthetic Styles」。作品全体の雰囲気や感情を決める要素です。

Glitchcore

  • どんなスタイル?
    デジタルノイズやバグをあえて取り入れた、ちょっと混乱した感じのスタイルです。未来的でサイバーパンクな雰囲気を出したいときにぴったり。

  • キーワード:
    Glitch art, glitchcore, grain texture, datamosh, melting pixels, chromatic aberration, CRT static accents, low-contrast, visual anomalies.

  • こんなときに使える!
    テクノロジー系の広告や、近未来をテーマにしたデザインにおすすめ。

Dreamy

  • どんなスタイル?
    柔らかい光やぼんやりしたフォーカスで、夢の中にいるような雰囲気を演出します。ロマンチックなシーンやノスタルジックな表現に最適。

  • キーワード:
    Dreamlike, soft focus, light leaks, star lens flare, fine grain, soft gaussian blur, ethereal glow, motion blur.

  • こんなときに使える!
    ファンタジー小説の表紙やウェディング関連のデザインにぴったり。

Modern

  • どんなスタイル?
    シンプルで洗練されたデザインが特徴。無駄を省いたミニマリズムが好きな人におすすめです。

  • キーワード:
    Sharp, clean, minimalistic.

  • こんなときに使える!
    製品写真や企業のブランドイメージを作るときに最適。

Horror

  • どんなスタイル?
    暗い色調や不安定な動きで、不気味さや恐怖感を演出します。ホラー映画やスリラーの世界観を作りたいときに便利。

  • キーワード:
    High contrast, desaturated, unstable movement, dark color palette, horror aesthetic.

  • こんなときに使える!
    ホラー映画のポスターやゲームのダークなシーンにぴったり。

Lo-Fi

  • どんなスタイル?
    手描き感やくすんだ色調で、どこか懐かしい雰囲気を出せるスタイルです。アナログ感が好きな人におすすめ。

  • キーワード:
    Hand-drawn panel, lo-fi 1980s Japanese magazine art style, muted tones, pastel color palette, soft grain, nostalgic aesthetic, animated.

  • こんなときに使える!
    レトロな音楽アルバムのカバーや、日常的なシーンの描写に。

Vaporwave

  • どんなスタイル?
    80~90年代のレトロ感と未来的な要素をミックスしたスタイル。ネオンカラーやグリッチが特徴です。

  • キーワード:
    Vaporwave, saturated pink, purple, and blues, retro aesthetics, glowing neon elements, 90s design elements.

  • こんなときに使える!
    サイバーパンクなテーマや音楽イベントのポスターに最適。


2. Art Styles(アートスタイル)

次は「Art Styles」。作品の個性を際立たせたいときに使えるスタイルが揃っています。

Collage

  • どんなスタイル?
    異なる素材を組み合わせて、独特のテクスチャや奥行きを作り出すスタイルです。

  • キーワード:
    Collage style, mixed media approach, printed paper cutouts, torn paper edges.

  • こんなときに使える!
    アートポスターや雑誌の表紙に。

Pastel Baroque

  • どんなスタイル?
    華やかな装飾と柔らかいパステルカラーが特徴。エレガントで高級感のある雰囲気を出したいときに。

  • キーワード:
    Elegant baroque artwork, muted cool pastel color palette, floral motifs, elaborate, chaotic yet elegant scene.

  • こんなときに使える!
    ファッションブランドの広告やロマンチックなテーマに。

Illustration

  • どんなスタイル?
    手描きの風合いを重視した、親しみやすいスタイル。絵本や漫画のような表現に最適です。

  • キーワード:
    Storybook illustration, thick lines, clean bold shapes, hand-drawn quality.

  • こんなときに使える!
    教育用資料やキャラクターデザインに。

Anime

  • どんなスタイル?
    日本のアニメ風のフラットな色使いとキャラクターデザインが特徴。

  • キーワード:
    Anime-style illustration, slightly blurry background, flat shading.

  • こんなときに使える!
    アニメーションやキャラクターグッズに。

Pixel

  • どんなスタイル?
    ドット絵のようなレトロな表現。懐かしいゲームの雰囲気を再現できます。

  • キーワード:
    Pixel art, pixelated scene, nostalgic video game.

  • こんなときに使える!
    レトロゲームやデジタルアートに

3. Composition Styles (構図スタイル)

構図は、視覚的なバランスや焦点を決定する重要な要素です。

Centered Subject

  • 特徴: 被写体を中央に配置し、視線を集中させる構図。

  • キーワード:
    [subject] in center frame.

  • 活用例: シンプルな広告やプロフィール写真。

Rule of Thirds

  • 特徴: 三分割の交点に被写体を配置することで、自然なバランスを作る構図。

  • キーワード:
    Rule of thirds composition.

  • 活用例: 風景写真や映画のシーン。

Symmetrical

  • 特徴: 左右対称や上下対称で安定感を演出。

  • キーワード:
    Gentle symmetry, symmetrical composition.

  • 活用例: 建築写真や幾何学的なデザイン


4. Camera & Film Styles (カメラ&フィルムスタイル)

これらのスタイルは、写真や映像の質感や雰囲気を決定します。

Disposable Film

  • 特徴: 使い捨てカメラ特有の光漏れや粒状感で、ノスタルジックな雰囲気を演出。

  • キーワード:
    Classic disposable flash photography, on film, vignette, slight overexposure, muted color.

  • 活用例: レトロな写真や日常的なシーン。

VHS

  • 特徴: VHS特有のノイズや歪みで、80年代風のレトロな映像を再現。

  • キーワード:
    Shot on VHS, VHS artifacts, tracking lines, worn film texture, analog color bleeding, grainy quality.

  • 活用例: レトロな映像プロジェクトや音楽ビデオ

5. General Styles(一般的なスタイル)

ここでは、一般的なスタイルとその特徴、例のプロンプト、出力例を紹介します。

Cinematic

  • キーワード:
    Cinematic photograph, movie still, theatrical, anamorphic lens, 35mm, professional composition

  • 例のプロンプト:
    「古代の遺跡で本を読んでいる考え深げなエルフの女性のシネマティックな写真。ページからは淡い青い光が放たれている。クイーンに焦点を当てた浅い被写界深度の中距離ポートレート。 muted cinematic color palette with slight film grain.」

Portrait Photography

  • キーワード:
    Portrait, diffused lighting, editorial portrait, fashion portrait

  • 例のプロンプト:
    「星型サングラスとボウタイを着けたシベリアンキャットのポートレート写真。猫の口は開いていて、まるで鳴いているかのよう。拡散した光が被写体を均等に照らし、固い青い背景とのコントラストを生み出している。」

Product Photography

  • キーワード:
    Product photography, minimalist, clean, bright lighting

  • 例のプロンプト:
    「ユニークなボトルに入った香水のモダンな商品写真。ミニマリストでクリーンなデザイン。セージグリーンのカラーパレット。花や木の要素が考えられた配置で、明るい照明が香水ボトルを引き立てている。」


6. Subject Poses(被写体のポーズ)

次は「Subject Poses」。被写体のポーズによって、作品の印象が大きく変わります。

Relaxed

  • キーワード:
    Relaxed pose, elegant

  • 例のプロンプト:
    「薄い透明なプラスチックに完全に包まれた人物のシネマティックな写真。自然な色合いのカラフルな花が光沢のある透明なプラスチックの下に見える。人物はリラックスしたポーズで、しわのある白いプラスチックに完全に覆われている。柔らかい自然光が当たっている。」

In Motion

  • キーワード:
    Natural motion blur emphasizes the subject's movement against the still environment

  • 例のプロンプト:
    「花畑の中で踊るダンサー。自然な動きのブレが、静止した環境に対して被写体の動きを強調している。背景は焦点が合っている。」

Surreal Anatomy

  • キーワード:
    The [subject] curves and bends impossibly. distorted, warped, squished, and extremely deformed and exaggerated

  • 例のプロンプト:
    「男性が不可能な形に曲がり、歪み、押しつぶされ、極端に変形している。シネマティックでアバンギャルドなスタイル。」


7. Texture Styles(テクスチャスタイル)

次は「Texture Styles」。テクスチャに特化したスタイルで、作品に独特の質感を与えます。

Scanner

  • キーワード:
    Black and white scanned image, vintage photocopy scan stretch effect, grain texture, gritty

  • 例のプロンプト:
    「花の歪んだ白黒スキャン画像。ビンテージのフォトコピーのスキャンストレッチ効果。グレインテクスチャが gritty な印象を与える。」

Static Hologram

  • キーワード:
    Static hologram in the shape of [subject], CRT static, soft natural glow

  • 例のプロンプト:
    「光っているCRTスタティックでできたキャラクターのプロフェッショナルなアクションショット。動きの中で捉えられたダイナミックで表現力豊かなダンスポーズ。ムーディーでダークなシネマティックシーン。」

Chrome

  • キーワード:
    Liquid chrome, reflective, shiny, iridescent sheen

  • 例のプロンプト:
    「液体クロムで完全に覆われた古典的な装飾建物。光沢のある反射的な建物が周囲の白い石の建物と対照的。」

Piñata

  • キーワード
    Piñata [subject], thin tissue paper in assorted colors

  • 例のプロンプト:
    「電話線にぶら下がるピニャータの鳥。薄い色とりどりのティッシュペーパーで作られている。」


8. Text Styles(テキストスタイル)

最後に「Text Styles」。文字を使ったデザインに特化したスタイルです。

Theater Marquee

  • キーワード:
    Theater with a large marquee sign that boldly spells [word]

  • 例のプロンプト:
    「大きなネオン看板が「RUNWAY」と書かれた映画館のシネマティックな静止画。マルキーボードが「FRAMES」と大きく書

Neon Sign

  • キーワード:
    Neon sign that spells [word]

  • 例のプロンプト:
    「1950年代のドライブスルー用ネオン看板で、「RUNWAY」と「Frames」と大きな矢印と星が描かれている。」

Balloon

  • キーワード:
    Balloons forming the word [word]

  • 例のプロンプト:
    「空に浮かぶ「RUNWAY」と書かれた風船が都市の上にある。」


おわりに

最後は力尽きて挿絵を入れることができませんでした。随時更新していきます。どうぞ公式チュートリアルをお手元にお読みください。私はそうしています。

かつて動画生成AIで一世を風靡したRunwayが、満を持してリリースした画像生成モデル「Frames」。その実力は、特定の分野においては、Midjourneyなどの競合モデルよりも優れているのは間違いありません。特に、細やかなスタイルの制御や、プロンプトへの忠実性は、他のモデルにはない強みと言えるでしょう。

しかし、冷静に現状を見つめると、Midjourneyをはじめとした他の画像生成AIがすでに多くのユーザーに支持されているのも事実です。これらのモデルに慣れ親しんだユーザーが、「わざわざ乗り換える」ほどの決定的なアドバンテージをFramesに見出せるかどうかは、まだ未知数な部分もあります。

Runway Framesが、脚光を浴びる日は来るのでしょうか?

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