さぁ、歌舞伎を観よう！

歌舞伎についてつらつらと書いてるわりに、僕自身は一度も歌舞伎を鑑賞したことがない。だから演技がどうとか書いたことはないし、きっと観たところで書けやしない。

團十郎さんの襲名披露公演が九州各地であるから行こうかなーと思ってるけど、地元で観ようか博多まで行こうか、席は取れるのか、どんな服装で行けばいいのかすら迷っているレベル。そんな歌舞伎シロート。

今回の猿之助さんの件がきっかけで歌舞伎に興味を持ち、観に行ってみようかなーと考えてる僕のような方もいるのではないか。

当noteの歌舞伎ご意見番・Jang HyuKさんのコメントが参考になったので、そのまま転載する。

• 一幕見席（ひとまくみせき）…自分の好きな芝居だけお手軽に（500〜2000円）観劇できるチケット

• 四代目市川猿之助…主演・演出・プロデューサーと何でもこなす歌舞伎界のジャッキー・チェン。ある事件が発生して現在、警察に事情聴取されている。

• 🐵👴とPURPLEさんの業…猿之助さんの家と香川照之さんの家はひと悶着もふた悶着もあった

• 六月大歌舞伎…6月3日〜25日にある市川中車（香川照之）、市川團子、中村壱太郎が出演する公演。

• 傾城反魂香（けいせいはんごんこう）…『六月歌舞伎』の昼の部の演目

• 義経千本桜…浄瑠璃および歌舞伎の有名演目。『六月歌舞伎』の夜の部の演目

• 仁左衛門…十五代目・片岡仁左衛門。京都西高を中退してまで歌舞伎に打ち込み、三男ながら名跡を襲名

• すし屋…『義経千本桜』三段目『すし屋』のこと

• 松緑…四代目・尾上松緑。

• 四の切…『義経千本桜　四段目・川連法眼館の場』の通称

• 狐忠信…『義経千本桜』の登場人物。源義経の四天王・佐藤忠信の狐の化身

• ケレン…仕掛けを使った宙乗り、早変わりなど奇をてらった演出のこと。ケレン味の語源。

• 澤瀉屋…読み・おもだかや。猿之助や中車が在籍する歌舞伎の屋号。名跡は「市川猿之助」と「市川段四郎」の二枚看板。「猿翁」は「猿之助」を譲った者が名乗る隠居名。

• 銭ゲバ松竹…歌舞伎を金儲けの道具としか見てない松竹株式会社のこと

• 義太夫物…人形浄瑠璃を歌舞伎化した演目をさし、『義経千本桜』は義太夫物の代表作。三味線の"でんでん"という音から別名・でんでん物とも。丸本物。

• 現代風歌舞伎…スーパー歌舞伎やパンク歌舞伎、アニメの歌舞伎化など現代的な価値観を取り入れた歌舞伎のこと

• 平成中村座…ほぼ毎年「平成中村座」を冠した公演が行われている。毎年、劇場が変わり今年は兵庫県姫路市・姫路城三の丸広場内に特設劇場が設けられた

Jangさんはさらっと説明しているけど、歌舞伎に縁のない人には言葉の意味すら分からない。なんなら言葉を知っても分からない。伝統芸能を理解するってことは歴史を学ぶってことだから、これは歴史を知らない無知な僕に落ち度がある。

一幕見席も同時解説イヤホンガイドもあるとはいえ、きっといきなり古典歌舞伎を観たところで楽しめない。Jangさんはまず好みを知ることや、現代語の演目を観劇することをオススメしてくれている。古典はそれからでも遅くはない。

多くの歌舞伎評論家は歌舞伎が大衆演劇ということを忘れ、伝統芸能への固執や粗探しに注力しているような気がする。安全地帯から口だけ出すのは、いつだって無関係な外部の人間だ。いくら古かろうが歴史があろうが、大衆を楽しませられない伝統芸能は廃れていく運命にある。

猿之助さんは伝統芸能と大衆演劇の間で葛藤してきたのだろう。過去との調和と未来の創造は、時代を創るパイオニアには常に付きまとう苦悩だ。歌舞伎界、弟子、興行の重責…普通の人なら即倒れするようなモノを一身に背負っていた。猿之助さんは亀治郎時代からずっと女形やってたんだから、ゲイになるのも仕方ないとこある。

だからと言ってセクハラパワハラを許容しろとは思わないけど、孤独な改革者ってそーゆーもんだし、あのジョブズだってヒドいパワハラのエピソードが山ほどある。iPhoneが誕生した代償としてパワハラがあったってだけのこと。

もちろんパワハラを肯定はしないけど、メカニズム的に必ず発生し得るものなのだから、嫌なら辞めるか新しい物を創ればいい。安全地帯から週刊誌にチクってお小遣いもらっといて、自分は正しいことをしていると言い聞かせてる卑怯者には、そもそも新しいものなんか創れやしないが。

別に歌舞伎がどうなろうと知ったこっちゃないけど、チクった卑怯者のせいで猿之助さんという改革者が追放されれば、それだけ歌舞伎界の改革は遅れる。パワハラなんて古い歌舞伎界の慣習の最たるものなんだから、回り回って卑怯者の首を締めることにもなる。世の中はそういうもんだ。

ジョブズだって一度はAppleから追放されたが、改革が必要となって呼び戻された。悪評を実力でねじ伏せて戻ってきた。大なたを振るうにはある程度の傍若無人さは必要で、相手の気持ちなんていちいち考えてられない。だから大企業のトップにはサイコパスが多いとも言われている。

いじめがクローズアップされるようになっていじめは減ったのか？いや、バレないように陰湿になっただけで、いじめの総和総数は変わりないはずだ。猿之助さんの一件でパワハラが無くなるなんて考えてるのなら、脳内はとんだお花畑で考えが浅い。人間の業は消えない。

さて、地元で観るか博多で観るか。せっかくだから一番良い席で観たいけど、はたして取れるのかどうか。歌舞伎を誘えるような友達もいないし、悩み疲れて結局ウヤムヤになって行かなそうな予感もする。僕もそれなりに苦悩している。