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稼ぐのは難しい。富を継承するのはもっと難しい。


現在のイタリア・フィレンツェの富裕層の一族は、600年前もフィレンツェの富裕層だったという調査結果がある。金を稼ぐ能力の遺伝のせいなのか、はたまた富の継承のせいなのか。おそらく後者である可能性が高い。どれだけ機会平等な世の中になろうとも、持つ者と持たざる者の隔たりは大きいということか。

日本も似たようなものである。地主、議員、宗教法人、企業。。。基本的には世襲制で富の源泉を受け継いでおり、いくら相続税が高いといっても、富が富を産む資本主義では庶民との差は縮まらない。

昨今、叫ばれている後継者不足とは、つまり儲からないからだ。儲かれば子供も事業を引き継ぐだろうし、子がなければ一族の誰かが引き継ぐか、従業員を思えば養子をとることも考える。結果、しっかりと後継者が現れ、イタリア・フィレンツェのような富裕層の実態が再現される。

日本における法人の96.3%が同族会社で、資本金100億円以上の大企業でも49.9%が同族会社だという。余程の大企業でもない限り、ほとんどの企業は今後も当たり前に世襲していくことだろう。そんな同族会社の内紛を取り上げた著書に含蓄があった。


『亀裂 創業家の悲劇』


この著書はマヤさんの転落劇の参考図書として読んでみようと、昨年10月に購入したもの。力を合わせて事業に励んでいた同族会社の転落には、マヤさんの転落劇に通じるものがあるのではないかと。

それはそれは見事にマヤさんらの「揉め事」にリンクした。占いやスピリチュアルへの傾倒、邪な欲望と詐欺師の盲信、合意した契約書を一方的に破棄、功労者を追い出す、一人の死により誰かが狂う様子、ワイドショーの賑わい、復帰のための裏工作。。。同族が故の憎しみや内紛、スピーディーが故の脆弱性。

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