ep31.開放感でハワイ旅行
麻奈は麻莉が亡くなってからも麻莉の家族に依存し、ときには泊り込みで子供たちの面倒を見ていた。なぜならブログのアクセス数アップのために姪甥と関わる必要があり、それは伯母としての関わりでもある。麻莉が亡くなったからといって辞められるもんでもない。
すでに麻莉の代わりに母親になったつもりでいただろう。生前から子供たちに麻莉のことを「麻莉ちゃん」と呼ばせて、自分を「麻奈ママ」と呼ばせていた。病床に伏せって手も足も出せない麻莉への、精神的な拷問と言ってもいい。
子供たちとの関わり合いは、伯母としての使命感の前に麻莉への復讐なのだ。麻莉に引け目や負い目を感じていた自分からの脱却、勝利宣言のようなもの。自分の振る舞いを麻莉がどう感じるか?なんて考えが浮かぶはずもない。麻奈は他人の気持ちなんて考えたことがない。
麻莉が病床に伏せっているときから、麻奈はすでに蟹蔵にもまとわりついていた。偶然を装って出待ちしたり、同じ時間にジムや美容院に出向いたり。そしてそれをブログに投稿してアクセス数(=金)を稼いだ上に、麻莉の嫉妬心をも煽る。不倫する女性が正妻へアピールしている姿と重なる。
当然、色んな方向から苦言を呈される。「母親気取り」「麻莉の後釜を狙ってる」「麻莉の気持ちを考えろ」「出しゃばりすぎ」「はしゃぎすぎ」自己中で思いやりが皆無だから、こういう極悪非道の振る舞いができるのだろう。
しかし、いくら好感度が下がろうと、いくらアンチに口撃されようとも辞めるわけにはいかない。麻奈にとって麻莉家族への関わり合いは、「金・復讐・承認欲求」を一挙に満たせる合理的な行動なのだ。
麻莉が亡くなって四十九日も過ぎてないのに、蟹蔵一家は麻奈を伴ってハワイ旅行に行っている。もちろん麻奈が言い出しっぺで、「子供たちのため」という大義名分を旅行の口実にして押し切った。
麻奈ははしゃいでいた。言葉は悪いが「ようやく死んでくれた!」と言わんばかりのはしゃぎっぷり。親族が亡くなってすぐに旅行もどうかと思うが、それをブログにアップするのも如何なものか。あたおかメンヘラの思考は一般人には到底、理解できない。
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ポンズケースケの考察日記
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