[24]「無限ループ」を止めるには
「実態の調べ方はもういい。財務・非財務の融合も解っている。
知りたいのは収支予想の作り方。
それには実態の調べ方を知らないと…」
この「無限ループ」は世界共通です。
「実態の調べ方」から連想されるSo What感も上述の思いを増幅させるのでしょう。
止める方法があります。
『モデリング』です。
よくある、エクセルを使った貸借対照表・損益計算書・キャッシュフロー計算書の「連環スキル」ではありません。
本来明らかにしたかった筈の「ビジネスモデル」について「3つの分ける(セグメント/数量単価/固変費用)」で成果物として表します。
【図表24】はそのイメージです。
一般に「収支予想のツール」としてしか語られないモデリングを、実態把握の「アウトプットフォーマット」に格上げする事で「無限ループ」に楔(くさび)を打ち込む事ができるのです。
「Aセグメントの販売数量(単価)に影響する外部(内部)要因は?」
「Bセグメントの限界利益率はどれぐらいか?それは何故?」
「売上高が減った要因は数・価格のどちら?」
モデリングにより「本当の問い」が鮮明に絞られます。
「ざっくり把握」の中身が違ってくる訳です。
先だっての『マッピング』も、モデリングの補強材料と捉えれば載せる内容が良い意味で自ずと減るのではないでしょうか。
前回触れた『キーパラメータ(鍵となる媒介変数)』は、モデリングの結果として得られます。
収支予想では「キーパラだけ見とけ」にすれば、財務分析全体が更に筋肉質になるでしょう。
この分野での正解は、一つだけではありません。
事前知識も関係ありません。
間違いが見つかれば「ありがとう」です。
対象先をより深く効率的に知れるチャンスです。
「スタートアップの分析に使える」と言った人もいます。
構わずやってみる。
マッピング、キーパラメータ、モデリング。
本当の財務分析はそういう所に関係する気がします。
追 記
「ありがとう」から、澤田富雄さんの名言で、仕事がうまくいかない人に共通して欠けるとされる『5つの"あ"』を連想しました。
挨拶する・「ありがとう」と言う・謝る・頭を下げる・新しい事に取り組む
仕事に限らなかったので子供たちにも話したら、事あるごとに「5つの"あ"、何だっけ」と聞いてくる様になりました。
子供にも伝り易いその響き
納得です。
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