超気まぐれな日記①
中華料理屋にテレビ線の工事をしに行った。そこは車がよく通り連休になると渋滞になるようなメイン通り沿いにある店だった。店構えをみても最近できたわけではなく昔からある老舗のような雰囲気が漂っていた。この店の前を今まで何百何千と通っているのにはじめて存在に気づいた。おそらく工事にいくことがなければ一生気づくことはなかったかもしれない。
きっとこの店のように、自分の視界には飽きるほど入ってきているのに意識の中には侵入できていないものがたくさんあるような気がする。子どもの頃に読んでいた「遊戯王」というマンガでセクシーダイナマイトボディ孔雀舞が「見えるけど見えないもの」って謎にほざいてるシーンを思い出した。急に深く感じてきた。
この世には知らない世界が山のようにあるが、それははるか遠くの宇宙の彼方の話ではなくて、半径10メートル以内のカメレオンのように背景の同化したものなのだと思った。
この店の主人だと思われる人がでてきた。てっきり中華鍋を汗だくで振るうご主人は中華人民共和国出身だと思っていたけど、昔は暴走族の総長でその町のギャルたちはみんな食ってきました、といわんばかりの風格を漂わした純日本人だった。これまたバイアスが壊されて自分の見えていなかった世界が広がった気がした。
そういえば、なにかの記事で中華屋の看板が赤い理由が書かれてあったような気がする。これもまた自分の世界が広がった印象だったけど、忘れた。
今度この中華屋料理屋に足を運んでみようと思う。
以上。終わり。