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森林環境税と森林環境譲与税について分かりやすく解説してみた

1 導入

突然ですが、最近良くニュースでも見かける「森林環境譲与税」と「森林環境税」って知ってますか? 名前も似てるので(てかほぼ同じ)良く分からないですよね。筆者もネットで軽く調べてみましたが、実態を掴むのに苦労したというのが現状です笑 そこで今回はこの2つについて詳しく解説していきたいと思います!

2 森林環境譲与税とは?

(1) 目的
ずばり、森林の公益的機能の発揮のためです。何のこっちゃって感じですよね。森林には当然のことながら木材供給という役割がありますが、森林の役割はそれだけじゃないんです。

例えば、山崩れや土砂災害、台風などの自然災害から人間を守る役割があります。樹木が地中に深く強く根を張っているおかげで、土が流れないんですね。上手いこと抑えてくれます。森林様様です笑

他にも水を蓄える役割もあります。森林の土壌は水をとにかく良く吸収します。つまり保水性に優れているんですね。(ここについて詳しく知りたい方は土壌間隙 浸透能 でググってみてください!)森林に雨が降るとゆっくり地下にしみ込んでやがて河川に流入します。そのため洪水や渇水を防ぐことができるんです。

他にも色々な機能がありますが、これらを森林の公益的機能と言います。この機能が適切に発揮されるようにすることが森林環境譲与税の目的です。

(2) 用途
目的の所でも少し触れましたが、森林環境譲与税の用途は「森林の公益的機能を発揮させるため」です。具体的には、間伐などの森林整備や、林業に関わる人材の育成、木材利用の促進などが挙げられます。

ちなみに森林環境譲与税を何に使ったかは市町村ごとに公開の義務があります。そうしないと、全然関係ないことに使われちゃうリスクもありますもんね笑

(3) その他
どう分類していいか分からなかったので、その他という括りにします笑

まず、森林環境譲与税に関してですが、2019年4月から施行されています。意外にもコロナ前からスタートしてるんですね。昔の筆者があまりニュースを見てなかっただけかもしれませんが笑

もう一つ、市町村ごとに配分される金額に関してですが、① 市区町村の人口、② 林業就業者数、③ 人工林面積の3つの指標によって総合的に判断されます。そのため、人口が多いだけの市町村の配分額は多くなってしまいます。事実、森林環境譲与税の配分額が昨年度、最も多かったのは横浜市で浜松市、大阪市と続きます。

配分を判断する指標に関して見直す必要がありそうですね。

3 森林環境税とは?

2024年4月から施行されます。仕組みとして、国内の納税者6200万人から1人当たり1000円を徴収し、住民税と併せて市町村に納められます。その後、都道府県を通して国の交付金/譲与税配布金特別会計によって管理されます。
ここから、森林環境譲与税が交付されます。

4 つまり、2つの違いって?

まとめると、国民から1人あたり1000円/年を回収するのが「森林環境税」で、集めた森林環境税を分配して各市町村に配分されるのが「森林環境譲与税」です。

国民から集めるのが森林環境税で、市町村に配分されるのが森林環境譲与税、って理解してもらえればOKです。森林環境譲与税の財源が森林環境税って理解でもいいと思います。

下の図は林野庁のHP(森林環境税及び森林環境譲与税:林野庁 (maff.go.jp))から引用したものですが、非常に分かり易いです。

ひょっとしたら勘の鋭い方は、「現時点で森林環境譲与税の財源ってどこなの?」と思われたかもしれません。色々調べてみると、公庫債権金利変動準備金を活用すると書かれています。簡単に要約すると国が地方の財源不足の補填のために準備している金みたいです。曖昧ですみません、、、

5 まとめ

ざっくりですがまとめてみました。混同しやすい2つですが、こうして見ると全然違いますね。今後もどこかで出てくるトピックだと思いますので、注目していきたい分野です。


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