読書記憶9「天使の囀り」
通勤時間が長くなり、読書が捗るのですが、仕事で疲れていると難しい本は読めない今日この頃です。
久々の読書記憶は通勤に読むにはピッタリのハラハラゾワゾワ、貴志祐介「天使の囀り」!
あらすじ
終末ケアに従事する精神科医の北島早苗、恋人で作家の高梨は「死恐怖症」だったが、アマゾンの奥地へ取材に行き、帰って来てから様子がおかしく…
「天使の囀りが聞こえる」
ーそう言って、恐れていた死に魅せられるように自殺をはかる。
さらに、調整隊の他のメンバーにも異変が…
いったいアマゾンで何があったのか?
誰しも「畏れるもの」がある
まず、あらすじ読んだだけで面白いですよね。
恋人が死恐怖症て!
それなのに良くアマゾンの奥地の調整隊に参加したよなと思いつつ、高梨がアマゾンから送ってくるメールが書き出し、最初の章なのですが、調査隊のメンバー紹介や生活のあれやこれやからはじまって、ある出来事を境に不穏な空気が漂ってくるところが、たまらんですね。
当たり前ですけどアマゾンなんて行ったことないから、どんな動物がいるのか想像もつきません。
特に作中に出てくるキーパーソンならぬ、キーアニマル、「ウアカリ」をはじめとする猿には全然詳しくなかったので後で調べてみたんですが、調べて余計ゾッとしました。
うーむ。
あのシーンを想像するとゾワゾワ…
さすが貴志祐介さん。
で、「おそれ」ですが、主人公の恋人・高梨は「死」、同じ隊には「動物」が怖かったり、「蜘蛛」「先端」「醜さ」…など色んな「おそれ」を持つ人々が出てきます。
人の感情て本当に不思議で、「精神」とはまだまだ未知の世界、十人十色すぎて永遠にこたえはないのかと改めて思いました。
この「おそれ」、畏れ、恐れ、怖れ、虞、など漢字がありますが、私は畏怖や畏敬の「畏れ」がなんだかこの話にはピッタリくるように感じました。
畏れるもの、なんだろう?
本当に怖いものって、なんだろう?
ベタだけど「人の悪意」や「強い感情」はこわいなぁ、
女もこわいよなぁ、
ああでも、自分を見失うのもこわいか…
などなど、考えてしまった通勤読書でした。
ponta
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