読書記憶18「ハサミ男」

あらすじ

美少女を殺害し、研ぎあげたハサミを首に突き立てる猟奇殺人犯「ハサミ男」。3番目の犠牲者を決め、綿密に調べ上げるが、自分の手口を真似て殺された彼女の死体を発見する羽目に陥る。自分以外の人間に、何故彼女を殺す必要があるのか。「ハサミ男」は調査をはじめる。

倒叙ミステリ

前回の「殺戮にいたる病」もでしたが、こちらも倒叙ミステリの分類でしょうね。

もはやネタバレですが、タイトルからしてミスリード。

倒叙脳?!なのか、早い段階で真相には気づきましたが、破綻具合がなかなかに面白かった一作でした。

破綻の中身というか、犯人の動機とかそのあたりをもっと知りたいと思ったのですが、発売が1999年。

おそらく“そういう時代”だったのではないかと思います。

倒叙や叙述トリックの時代と言いますか。
80年代〜90年代にかけては倒叙や叙述分野の名作が多い気がします。
まさに“映像化不可能”で、“文ならではの楽しみ”。

じっくり本を読んで、「ああそういうことか!」となる。
そんな時間、その楽しさもまたミステリの醍醐味ですね。

ponta

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