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働く価値のポートフォリオ|研究者・エンジニアの働き方を考える

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現代における働く価値を深堀りし、研究者やエンジニアがどのように価値づくりをしていくべきかを研究します。#研究者#技術者#エンジニア#博士#技術士#起業#パラレルキャリア#副業#新…
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#エンジニア

研究費コンシェルジュの視座_#5/○○に行く

 さて、このシリーズも今回が当初予定していた最終回です。後で思いついた!というのがなければ、ひとまずおしまいになります。  最後の選択肢はずばり、企業に就職しましょう!というものです。 企業の研究費は多い なぜ、企業に務めることが研究費財テクになるのかについてお話していきます。アカデミアでの1人あたりの平均研究費は約2000万円ほどと言われていますが、旧帝大などの名門ラボを率いる研究力の高い大学が、競合的研究費の多くを取得しています。さらに駆け出しの助教よりは、教授の方が

ポジショニングマップを用いたセルフブランディング#3_後編_3次元目の軸で更なる差別化を

 バイオ系の研究者 兼 研究所主催者 兼 職業デザイナーをしているポンヌフと申します。ポジショニングマップを用いたセルフブランディングの記事では、前編として商品開発のノウハウについて、中編として能力開発・人材開発への応用についてのノウハウを説明しました。後編では、2つの軸を使ってポジショニングした上で、3軸目を使って更なる差別化を図っていきます。  復習ですが、ポジショニングマップは、商品やサービスの開発において使われる手法の1つです。よく用いられるのは、独立した2つの要素

ポジショニングマップを用いたセルフブランディング#2_中編_能力開発・人材開発への展開

 ポジショニングマップを用いて、研究者やエンジニアの人財開発を研究していますポンヌフと申します。前回のnoteでは、ポジショニングマップを用いた商品開発のノウハウについてお伝えしました。今回は、いよいよ能力開発・人材開発への応用についてノウハウを説明いたします。  復習ですが、ポジショニングマップは、商品やサービスの開発において使われる手法の1つです。よく用いられるのは、独立した2つの要素を軸にして、他社製品をマップし、他社製品のないニッチな(競合の少ない(希少性のある)+

ポジショニングマップを用いたセルフブランディング#1_前編_まずは商品開発を学ぼう

 複数の所属でバイオの研究をしているポンヌフと申します。私は、接する人や場面によって、所属と肩書、職業を変えて示すようにしています。カメレオン研究者といった感じでしょうか。このnoteでは、私がブランディングで活用しているポジショニングマップという方法を用いた能力開発・人材開発の方法についてまとめていきます。今回はその前編として、能力開発や人材開発にポジショニングマップを応用していくために、まず基礎となるポジショニングマップの本来の使い方についてご説明します。 ポジショニン

新しい働き方;意識によるジョブ化によるセミポートフォリオワーカーのススメ

 研究者やエンジニアの新しい働き方を考える上で、ジョブ型雇用とポートフォリオワーカーという概念は重要な要素です。(ジョブ型雇用は、欧米で一般化が進んでおり、社内外に関わらず職務・役割に合う人材を、プロジェクトごとに雇用・配置する形態です。ポートフォリオワーカーは、複数のジョブを組みわせ、時代や状況に合わせてその組み合わせを変化させながら働く人です。従って、ポートフォリオワーカーにとってジョブ型雇用は、理想とするジョブのポートフォリオを整えやすい形態であるため、相性が良いと考え

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ジョブのポートフォリオは、ローリスクハイリターンが存在する!副業をはじめる前に知っておきたいこと

 複数のポストで研究を生業にしているポンヌフと申します。上のnoteで取り上げたような、ジョブ型雇用をベースにしたポートフォリオワーカーのような働き方は、より普遍的なものになっていくと予想していますし、研究者・エンジニアのより充実したライフスタイルをデザインするために重要な視点を提供すると思います。  しかし、現在の日本において、ポートフォリオワーカーになることが決してお勧めだとは思いません。なぜなら、もともとジョブ型雇用の応募は一部のAIエンジニアを除いて少なく(少なくと

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全ての生活・休息・遊びは課金/お金をもらってグリーン車に乗る方法/ノマド研究者の価値観

 いきなり本質的なことを言います。 時間を使うということは、命を使うということ。 働くとは、人生の時間を使って、お金などの価値を生み出すこと。 よって、働くこととは、命を価値に変える活動と言えます。 命の交換 つまり、命と価値を常に交換しているというイメージを持っています。  半分ノマド的エンジニアの私は、いつでも好きな時に働けるようになっています。コロナ禍で在宅ワークが普及して、同様の状態になっている会社員の方も多いのではないでしょうか?  そんな私は、働く(命

†私らしい働き方† 様々な研究を様々な肩書で行う独立系ポートフォリオリサーチャー

私らしい働き方;研究者のニュータイプ私らしい働き方は、様々な所属で研究を楽しむことです。  私は今、企業の研究会開発職、個人で作った研究所の所長、研究のコンサルタント、独立系URA(リサーチアドミニストレーター)、解析受託機関の代表、研究費の審査員、研究費申請支援会社の社長、科学技術を使用した探偵業、大学教員、NPOメンバー、学会の評議委員、大人や子供向けの研究塾などなど、かなり自由に様々な所属で研究を謳歌しています。研究に関連する新しいジョブや職業をデザインして、小さくて

新しい働き方;サイエンスロスを埋める戦略を走らせる!営業職でも主婦でも、科学者になれる_Introduction

サイエンスロスとは?「研究職に就きたかったけど、経済的なゆとりがないから希望する職種でなくても働くしかない」 「研究職に就いたはずなのに、本質を突き詰めた基礎研究ができなくて、気持ちが上がらない。」 「小さい頃から一生懸命勉強して希望する研究職のポジションを得たのに、夫の転職等のやむを得ない事情で離職を余儀なくされ、サイエンスとの接点がなくなってしまった。私がしていた努力は何だったのだろう。」  これらの意見は、私の周りで耳にしてきた研究に対して熱い気持ちを持っている人

新しい働き方;複業で技術コンサルタントをはじめよう!

 副業で技術コンサルをしているポンヌフと申します。このNoteでは、独立及び副業の技術コンサルにフォーカスして、その魅力をお伝えします。 技術コンサルタントとは? 技術コンサルタント(技術コンサルと略すことも多い)は、技術的な分野においてコンサルタントを行う専門家や専門家の集団を意味する言葉です。一般的に、顧客に対してソリューション(課題の解決)を提供する職業であると言われています。また、技術コンサルには、コンサル会社に属する方と、独立開業されている方の2つに大別されます。

ジョブ型雇用とポートフォリオワーカー;Background and Introduction

 研究者やエンジニアの新しい働き方を考える上で、ジョブ型雇用とポートフォリオワーカーという概念は重要な要素と考えられます。このNoteでは、まず、これまで日本で一般的な形態であるメンバーシップ雇用に対して、欧米で一般化が進んでいるジョブ型雇用の概念を説明します。次に、ジョブ型雇用の概念を取り組んだポートフォリオワーカーという新しい働き方を提案します。  2021年現在、研究者やエンジニアにおきまして、わたしは完全なポートフォリオワーカーになることをお勧めしません。代わりに”

働く価値のポートフォリオ_#2. 収入が増えて稼ぎが減るとはどういうこと?

働く価値のポートフォリオ 第1回は、副題を「経済発展における欲求のシフト」として、マズローの欲求五段階説をベースに、世界的に欲求が高次化している現状を整理しました。第2回の副題は「収入が増えて稼ぎが減るとはどういうこと?」として、「働く価値とは何でしょうか?」に対する回答を考えていきます。  ポートフォリオ(Portfolio)とは、元々は複数の書類をひとまとめに持ち運べるケースの意味ですが、クリエイターは作品集の意味で、金融業界では、投資家が保有している金融商品(現金、預

働く価値のポートフォリオ#1_経済発展における欲求のシフト

 新連載「働く価値のポートフォリオ」では、働く価値について世の中の最新の知見をレビューし、根拠に基づくライフスタイルデザインの方法を議論していきます。第1回では、働く価値を考えるために、人間の欲求と集団の欲求の遷移について取り上げます。 働く価値とは何でしょうか? 転職サイトでは、「より収入の高い転職条件を探していきましょう!」というのを広告にしていますよね。「転職者の平均年収アップは+100万円以上」などの広告です。確かに収入は働く対価として極めて重要ですが、私は、あくま