その強さ【上弦の弍】手札誘発ギミック
はじめに
どうもはじめまして。Ponzと申します。
遊戯王マスターデュエルにてカードレアリティNとRのみでデュエルする＂N/R限定構築戦＂に燃えている者です。
今回は、その強さ【上弦の弍】手札誘発ギミック＂アッパーセコンド＂についてのお話しです。
よろしくお願いします。
手札誘発について
先日とあるショートコントを拝見した。
手札にある状態で効果を発動できる通称「手札誘発」のカードは展開に歯止めの効かなくなった現代遊戯王において不可欠であると言うことは周知の事実である。
中でも【灰流うらら】や【増殖するG】等は汎用性が高く必須級である。
ことN/R界にも手札誘発は存在する。
しかし、先述した必須級の手札誘発カードは無い。
したがって、N/R界では手札誘発はほぼ見られなかった。
これは＂嘘＂である。
正に今N/R界では手札誘発が飛び交っている。
N/Rの環境について
対してカードレアリティNとRの一部を規制し群雄割拠の環境づくりを目指した今最もプレイされているN/R限定構築戦＂NoRiches＂では、「花札衛」「ヴェンデット」「月光鉄獣」「NRGS」「メガリス」「メタルフォーゼ」「ノイドラビュリンス」「ドラメティアラ」等がそれぞれのシーズンでトップに君臨していた。
これらには共通している点がある。
１.環境トップクラスのデッキは特殊召喚効果を含む魔法カードを使用する場合がある。
２.魔神儀やゴッド系等の儀式サポートの豊富さが健在である。
３.強力な罠を有した罠デッキのほとんどが展開デッキに虐げられている。
これも＂嘘＂である｡
＂NoRiches＂の2024/04/08現在の環境において、先日の改定で罠デッキが強い環境となった。
そして、2024/03/29発売の新弾「ブレイジング・アリーナ」を経て一躍名乗りを上げた手札誘発ギミックが━━━
＂アッパーセコンド＂だ。
BKアッパーカッターについて
①は、本カード以外の「BK」モンスター又は「カウンター」名称のカウンター罠を参照できる強力なサーチ効果。サーチ先には、後述する手札誘発【BKチーフセコンド】や【フレイムベルカウンター】をはじめとした強力なカードがある。
②の条件は、自他問わないため能動的な効果発動も狙える。
BKチーフセコンドについて
①は、盤面に＋１、攻撃無効＋１、除外効果＋１の実質３枚壁になれる。また、発動タイミングは攻撃宣言時であるため対処されづらい。そして、エンドフェイズ時までの除外効果は、相手モンスターに使えば実質メインフェイズ２の展開を妨害している事と同義である。さらに、『対象を取らない効果』である。
したがって、強力な効果である。
しかし、自分の場に戦士族モンスター又は炎属性が存在している場合のみ発動できる条件が厳しい効果。
②は、返しのターンの展開力向上に貢献する場合がある。
【手札誘発の効力】
※発動条件を満たしている前提
◯「ヴェンデット」
・リーサルをずらせる。
・メイン２の動きを妨害する。
・ヴェンデットの付与効果を剥がせる場合がある。
◯「メガリス」
・リーサルをずらせる。
・メイン２の動きを妨害する。
◯「メタルフォーゼ」
・リーサルをずらせる。
・メイン２の動きを妨害する。
◯「花札衛」
・リーサルをずらせる。
・メイン２の動きを妨害する。
◯「マジェスペクター」
・リーサルをずらせる。
・メイン２の動きを妨害する。
◯「罠ビート」
・リーサルをずらせる。
・メイン２の動きを妨害する。
×「月光鉄獣」
・リーサルをずらせる場合がある。
◯「NRGS」
・リーサルをずらせる。
・メイン２の動きを妨害する。
◯「ノイドラビュ」
・リーサルをずらせる。
・メイン２の動きを妨害する。
◯「ドラメティアラ」
・リーサルをずらせる。
・メイン２の動きを妨害する。
◎エクシーズモンスター
・エクシーズ素材を剥ぎ取れる。
・対処が難しい【No.97 龍影神ドラッグラビオン】や【No.77 ザ・セブン・シンズ】にも効果的。
評価
＂発動条件が厳しい強力な手札誘発ギミック＂
補足
発動条件に難があるにも関わらず、現在のNoRichesで＂アッパーセコンド＂が名乗りを挙げた理由は「焔聖騎士」の存在にある。
先日の改定で【ブンボーグ003】と共に「メタルフォーゼ」デッキに採用され、罠デッキを蹂躙していた【ブンボーグ005】が禁止となった。
したがって、罠デッキ全般が活躍できる環境となった。
中でも「焔聖騎士」は＂アッパーセコンド＂との親和性が非常に高い。
本テーマは、炎属性戦士族のテーマである。
【焔聖騎士－ローラン】を中心に、【『焔聖剣－デュランダル』】、【焔聖騎士導－ローラン】、【オリファンの角笛】のテーマ内のサーチカード達を駆使して安定して炎属性戦士族を供給する。また、テーマ外のカードには、【焔聖騎士－ローラン】をリクルートできる【トゥルース・リインフォース】がある。
したがって、同じ炎属性戦士族の＂アッパーセコンド＂を難なく採用でき、最も再現性高く扱えるテーマである。
そして、＂アッパーセコンド＂の採用は「焔聖騎士」側にメリットがある。
今NoRiches環境で活躍する「焔聖騎士」は、強力な罠と合わせた罠型デッキで、じっくりとアドバンテージを稼ぎ盤面を固めていく。
防御力と出力を上げ、罠カードでない＂アッパーセコンド＂は、これと合致し本デッキをより強力なものへと昇華させる。
加えて、個人的見解だが【ブンボーグ005】が禁止される前から「メタルフォーゼ」対面と五分のパワーがあったデッキである。
故に、「焔聖騎士」がtier1候補筆頭として活躍し＂アッパーセコンド＂が環境で流行することが予測される。
終わりに
しかし、ピンポイントで戦局を左右する強力な手札誘発はあります。
それらは、N/Rデッキの基本である初動率低い問題をクリアし、デッキコンセプトとマッチできれば環境で流行し少し変化をもたらすかもしれません。
＂嘘＂である。
少しどころではない変化をもたらした。
以上が私の見解です。
今回は手札ギミックとしての観点から＂アッパーセコンド＂をお話ししました。
N/R環境考察のスタートは罠が強い点にあります。
今正に原点回帰しようとしているNoRiches…
しかし、事はそれに収まりません。
「焔聖騎士」が流行することは【焔聖騎士－ローラン】や＂アッパーセコンド＂が流行すると同義です。
また、改訂からパワーが落ちたものの「メタルフォーゼ」は一定の力があり＂応戦メサイア＂も一部見られるかもしれません。
したがって、過去類を見ない『手札誘発環境』となることとなるでしょう。
即ち『手札誘発＆罠環境』の始まりである。
立ち戻ったのではない。
これは『進化』である。