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セクシュアリティ、ふりだしに戻る

 

 自分は女性を好きになるのだなと気が付いたのは中学一年生の時。縦割り清掃班の班長に一目惚れをした。小学生の時にバレンタインにチョコを渡していた相手は男の子だったが、先輩へ抱く感情を知覚して「なるほど。これが恋か。」と納得した。

 後々自分の恋愛指向に思い悩むことはあったが、それは「なぜ男性のことは好きになれないのか」が大半で、「女性を好きになる」という事実を受け入れることに葛藤はなかったし、初恋のタイミングで自己否定をすることもなかった。「いや、だってこれは恋じゃん!?!」と心の中に住むギャルが出てきてしまったため認めるしかなかったのだと思う。実際あれは恋だったよ。少なくとも、私にとってはね。

 女子校という環境下だからかもしれないという仮説は大学に入って早々に破られた。まあ薄々分かっていたけれど。

 そもそも男性に対してイケメンかそうでないかの判断があまりつかない。正確に言うと顔の作りが整っていることはわかるが、それに対して興味がなさ過ぎるために人から言われて初めて(確かに、イケメンなのかもしれないな…)と思うことがしばしばある。

 対して女性にはほぼ毎日(やだ…今すれ違った人、超かわいかった…)と思って生きている。ショートヘアだからこそ際立つ首の細さが好きだ。はい。突然の性癖暴露失礼しました。

 セクマイ系のイベントでセクシュアリティを聞かれた時、友人にカミングアウトをするときは「基本的に女性が好き」と言っていた。はっきりとレズビアンである、と言い切る自信はなかったし、あまりしっくりこなかった。そしてもし仮に男性と恋愛関係になった時に「嘘をついた」ということになってしまうのが怖かった。

 未来のことはわからない。ただ、過去を見てみると「恋愛感情を抱いた相手は女性だった」という事実が存在していたから、それを伝えていたという感覚だ。

 そんな言い方をしていたけれど、自分の中では、男性と付き合ったら社会的にも制度的にも生きやすいのだろうなぁと感じつつその未来は来ないと思っていた。共に生きる相手は女性だろうから、結婚も子供を持つことも一筋縄ではいかないことだと思っていた。

 しかし。私が今付き合っている相手は男性だ。

 予想外の展開過ぎである。

 ほぼほぼ確立したと思っていた自分のセクシュアリティが再び揺らぎ始めた。なぜ?自分は何をもって人を好きになるのか?そもそも恋愛と友愛は何が違うわけ?どうして恋人になりたいと思うの?止まらない止まらない、自分に対する疑問が。

 ふりだしに戻る、という感覚をすごろく以外で味わうことになるなんて思ってもみなかった。だって私の恋愛において性別はとても重要な要素だと思っていたんですよ。それがいきなり崩されたのだから、もう大変。ぐるぐるぐるぐる、している。現在進行形で。

 突如現れた(???)たちにこれからひとつずつ答えを見つけていくつもりです。

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