コツを覚える|武術から学ぶビジネスのイロハ
少林寺拳法の基本の大切さを説くのに「コツを覚える」の話する事があります。
「コツ」は骨という漢字が当字に出来ます。
頭で解ったと実際出来るは別物です。
何度も繰り返し稽古し、筋肉が覚え、それを通り越して「骨身に染みる」ほどになって初めて「コツ」を覚えるに至り、技を使いこなせるようになる。そこまで至らないと所謂「骨抜き」です。
これは武術や芸事の世界だけでなく、日常生活や仕事にも共通すると思います。
頭で理解している段階では再現性のある動きは出来ない。身体が自然に動くのは、骨の髄まで染み込んでいることが肝要。考えることなく身体が自然に動くこと。
「体」という漢字は、骨が豊かと書いて、
體
身体動作には随意筋による動きの発動がありますが、これはいわゆるアウターマッスル。インナーマッスルは意識的に動かすとか動いている感覚はないと思います。
このインナーマッスルの働きをリードするのが、骨の動く方向。身体に無理のない動きは、骨格が正しく動く方向に身体の動きを合わせるだけ。
不必要なウエイトトレーニングでアウターマッスルを鍛え、緊張や執着のある(自我)脳の働きで本来骨が動く方向からズレる方向に動かすことで金属の経年劣化のように身体を壊す結果になると思います。
知識が勝り、心の求める事に耳を傾けて動かないと心の病になるのと同じでしょう。仕事も損得の知識やスキルばかりに気がいき、徳を忘れると社会から活かされるビジネスにはなり得ないと思います。
骨の動きを最大限に活用するには、アウターマッスルの緊張がない「脱力」が鍵になります。そして、重力を骨で上手に捉えて地球とお友達になった正しい姿勢何求められます。
そして、リラックスしながら正しい姿勢を基本の繰り返しで学びます。また腑抜けにならない為に臍下丹田の充実が肝要になります。
武術では居着くことを良しとしません。戦いの場では昔は死を意味することになります。仕事でも変化を恐れて変わる事をしない居着きは衰退を意味します。
VUCA、DX、AIだと横文字が流行を牽引しているような今日ですが、SDGsは何も目新しい事ではなく、日本人は和の生活で実践して来ているのではないでしょうか?
歴史と文化を正しく理解し、人々や社会と関わり方を骨身に染みるほど楽しく味わいたいものです。