退職交渉の重要性 其の二 退職準備編
地方の転職コンサルタントが思う「退職交渉フェーズの重要性」第二弾。
其の一 は 円満退職についてのお話でした。
ご興味がおありでしたら覗いてみてください。
今回は其の二、「(円満に向けた)退職準備編」です。
※退職したい会社から酷いハラスメントを受けていて恐怖を感じられる場合や、体調不良等で早急な退職を希望される場合は別のお話です。
そういったケースでは無理に「円満退職」を心がける必要はありません。
事務的に進めることも難しいと感じられるなら「退職代行」なども有効な選択肢となります※
が、もしも職場関係が悪くないなら、手軽だから、退職交渉が煩わしいから、という理由で大事な交渉を安易に他者に委ねることはお勧めできません。
◆退職準備は転職を本気で考えた時から開始すべし
最近では在職中に転職活動をして、次の職場が見つかってから退職されるケースが多くなりました。
大手転職サイト エン・ジャパンの調査によると、「在職中に転職活動を行う」と回答した方は86%にも上ります。
調査が2018年の10月に行われていますので、今ではもう少し上がっているのではないでしょうか。
転職活動に要する期間は本当にマチマチですが、ご縁がある時にはトントンとお話が進んであっという間に内定になることも。
考える暇もなく進め、退職準備をおろそかにして辞表を出すと、思わぬしっぺ返しをくらって難航する可能性があります。
転職の前には必ず「退職」があることを意識して、少しずつ準備をし始めてください。
◆まずは自分がしている仕事の状況把握
一般的に転職活動には「職務経歴書」が必要です。
多くの場合、これを作成する時点で一度自分の仕事の整理・棚卸が出来ているものですが、
改めて
・何を任されているのか
・それはいつまで続くと思われるか
・誰に対して責任を負っているのか
・今後期待されている役割はなにか
等、出来るだけ細かく書き出してみてください。
◆業務の仮仕訳、マニュアル作成
自分が抜ける穴をどうするのか、考えるのは組織や上長の仕事であり、厳密には個人が気にする必要はありません。
会社側の事情もありますので、引継ぎを誰にする等を勝手に決めつけることは出来ません。
ただ、だれがどの業務を知っているのか、対応可能なのかなど、ざっくりと整理しておくことは大事です。
自分以外に携わっている人がいない場合は、
・取引先の窓口リストや注意事項
・こんな時どうする Q&A
・業務スケジュールカレンダー
・チェックリスト
等をこっそり作り始めることをお勧めします。
ご自身の退職を切り出すときにとても心強い味方になってくれます。
◆引継ぎのスケジュール感を確認
ある程度業務の棚卸が出来たら、今度はそれを引き継ぐのにどれくらいの時間がかかるのかをざっくり計算してみてください。
時期的なものも、また転職先の都合もあるので、最低限必要な時間や内容を確認しておくイメージです。それを元に辞表提出のタイミングも考えられます。
長くかかりそうな業務については、詳細なマニュアルを作り始めたり、少しずつ少しずつ自分以外の人を巻き込んでおけると良いかも。
退職しそうだなんて噂が立たないように、自然にゆっくりこっそり、が鉄則です。
◆「転職貯金」のススメ
案外忘れられているのがお金の問題。
退職準備とは少し違いますが、こちらも転職を考え始めたら意識してください。
転職初年度は在籍期間の関係で賞与が出ない場合が多いのですが、住民税は容赦なく前年の年収を元に徴収されます。
それに加え、送別会、挨拶まわり、転居など以外に出費がかさみます。
いずれは転職を、と思った瞬間から「転職貯金」を始めることをお勧めします。
目安として6か月程度の生活費があればベストですが、簡単な額ではないのでまずは住民税分を計算しておきましょう。
いかがですか?
退職に準備なんて・・・と思われるかもしれませんが、この準備が後々自分を掬ってくれます。
社会人としては、出来る限り 立つ鳥跡を濁さず で去りたいもの。
転職活動を考えられている方は、頭の片隅に置いておいていただけると嬉しいです。
北陸で転職を考えている方、そもそも転職や退職について悩んでいる方は
北陸人材ネットにご相談ください。