永田町

ピアノ発表会の3日前、コロナになった。10日間隔離となるため、発表会には参加することができなかった。

あーあ、発表会に向けて1年近く同じ曲練習してきたのにな。

お披露目することができなくて残念だけど、正直そんなに落ち込んではいない。この曲の練習で得たものは多い。

特にその曲中に出てくる二拍三連のリズムを習得するのにかなり時間がかかったが、なんとなくそれを両手で弾けるようになった時の喜びは忘れられない。

できないことができるようになるのは楽しい。それの積み重ねで、少しずつできることが増えていくのが嬉しい。あ、これはあの時やったアレの応用だな、みたいな感じ。

また来年のピアノ発表会に向けて練習だ。

次やろうと思っている曲はもう決めている。

早速、例によってぷりんと楽譜でその曲を検索。いろんなアレンジのバージョンがヒットした。

この中で一番人気のアレンジをYouTubeで検索して、これを弾いている人の演奏を見てみた。

別に悪くないんだけど少しクセがある感じだった。

超初心者のおれが発表会で少し捻った演奏をするのはなんか洒落臭い。できれば原曲に近いやつがいい。

いろいろその曲の演奏動画をYouTubeで探していると、原曲に近い感じのやつを見つけた。その動画の概要欄には11年前の雑誌の楽譜を使っていると書かれていた。

この楽譜で弾きたい。その楽譜が欲しい。

その11年以上前の雑誌をAmazonやメルカリで検索すると、なぜか1万円近くもする。高すぎ。

近くの区立図書館にバックナンバー置いてないかなと調べてみたが、10年以上前の雑誌は蔵書していないようだ。

次に、その雑誌掲載の曲を販売していてダウンロードできるサイトを発見する。だがおれが見たい曲の楽譜だけ販売されていなかった。なんでだよ。

どうしたもんかとネットを漁っていたら、レファレンス協同データベースというページを見つけた。みんな考えることは同じで、おれと同じようにその楽譜を探しているという旨の質問を投稿している人がいた。

それによると、国立国会図書館にその雑誌の所蔵があり、借用はできないが複写サービスがあると回答していた。

というわけで土曜日に国会図書館に行く。

定期券内である四ツ谷で下車してそこから歩いて向かった。休日だからか道中ほとんど人がいなかった。

国会議事堂周辺は警備員が何人もいた。そこでもやはりおれ以外歩いている人がおらず、警備員たちはみんなおれのこと本当は見てるくせに見てませんよ〜みたいな顔で突っ立っていた。

ご時世で、土曜日の午後から入館する場合は事前登録が必要らしい。土曜日の午前中は人数制限がされていて先着1,000人までとのことだった。

1,000人が多いのか少ないのかわからなかったので朝イチで行くつもりだったが、寝坊して11時半前に到着。初めての人は登録が必要で、窓口で名前やら住所やらを記載して登録。15分程度で無事に国会図書館の利用者カードを獲得した。

12時前ギリギリで焦っていたが、人数制限に引っかかることなくすんなり入ることができた。

入館前にロッカーに荷物を預け入れることができる。財布だけ取り出してスマホとか全部ロッカーに入れた。スマホが手元にない状態、解放感あって最高。

館内の端末で雑誌を検索して申し込み。15分程度で受け取りカウンターにその雑誌が届いたのを確認して、受け取りに行く。

月刊誌が何部かまとめてファイリングされていた。その中で御目当ての2月号を開く。やっと、やっと見つけたぞ。

複写サービスを利用してついに楽譜を獲得。かかったお金は複写代数十円のみ。

御目当てのものが手に入りホッとしたのと同時にお腹が空いたので喫茶に行って定食をいただく。

食券買って席に着いて待っていれば食事を持ってきてくれる。楽ちんだ。

腹ごしらえをして満足したので帰ろうかと思ったが、せっかく来たので国会図書館をもう少し楽しんでみることにした。

とりあえず館内の端末をいじってみる。普通にインターネット使えるの良い。

国会図書館について調べてみた。納本制度により日本の出版物は全部ここにあるらしい笑

貸出はしていないので最新の出版物も他に誰も閲覧していなければすぐに読めちゃう。漫画も読めちゃう。

王様ランキングのアニメ1期の続きが気になっていたので『王様ランキング13巻』をチョイス。続いて三浦しをんの『愛なき世界』もカートに入れて申し込み。単行本で買うにはちと高いので無料で読めるの助かる。

愛なき世界おもしろかった。植物の研究内容が事細かに説明されているおかげで本村と同じ視点で研究の経過を楽しめる。四重変異体ができるのか気になってページをめくるスピードが加速していく。ワクワクした。

実験の途中、本村は大きな失敗に気づき悩むが、そこに見習い料理人の藤丸の口から出る言葉が本村の背中を押すシーン熱くて良い。

結局、新宿のBOOKOFFに立ち寄り『愛なき世界』の単行本買っちゃった。良いと思った本は買って家の本棚に入れて、たまに眺めるのがマイブーム。

新しい小説や漫画から10年以上前の雑誌まで読めちゃう国会図書館。また行こう。

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