転職活動の第一歩！「自己分析」と「現職分析」で自分らしいキャリアを築く

転職を考えるとき、多くの人は「今の会社を辞めるかどうか」という判断にばかり意識が向いてしまいがち。

しかし、実は転職活動の第一ステップとして“自分”と“今の職場”を深く知る作業こそが最も重要です。

本記事では、自己分析と現職分析を通じて自分の「本当の価値観」や「転職活動の軸」を明確化し、その上で今の職場と比較・検討することで、より良いキャリアの選択肢を探る方法をご紹介します。

自己分析と現職分析とは？

　転職活動の第一ステップは、自己分析と現職分析です。ここで重要なのは、自分の価値観や転職における「軸」を明確化し、現職がその軸にどれだけ応えているかを見極めることです。

漠然と「今の仕事が合わないかも…」と感じるより前に、「自分は何を大切に働きたいのか」「どんな環境なら自分を活かせるのか」を具体化することで、転職の必要性やタイミングを冷静に判断できるようになります。

自己分析の方法

　多くの人が新卒時に自己分析を行っていたかもしれませんが、社会人経験を経た今、再度「自分史」や「ライフラインチャート」を用いて振り返ることをおすすめします。
これは、大学卒業後の経験や出来事を継ぎ足しながら、キャリアの中で自分がどう成長してきたか、またどう感じてきたかを可視化するものです。

　自己分析をする際に、自分の価値観を「転職活動の軸」として明確にすることが重要です。以下のような3つの軸を使って整理してみましょう。

1. 条件面

   • 給与、勤務形態、福利厚生など、生活や働き方に直結する要素。

2. 会社の雰囲気や仲間

   • 社風や同僚の価値観、仲間との協力体制。

3. キャリア形成ややりがい

   • 仕事の内容や意義、長期的な成長や達成感につながる部分。

　これらの軸を基に、自分が大切にしたい価値観や優先順位を言語化してみましょう。例えば、大きなプロジェクトを成功させた経験を振り返る際に、どのようにやりがいを感じたのかを考えると、「プロジェクトを牽引して成し遂げたことにやりがいを感じる人」もいれば、「サポート役として貢献し、成功に導くことでやりがいを感じる人」もいるはずです。
このように、軸を通して「何にやりがいを感じ、どのように働きたいか」を見つめ直すことができます。

いきなり軸を見つけるのは難しいので、下記のようなことを思い出して書き出してみると共通事項が見えてくるかもしれません。

• 成功体験・失敗体験を列挙する
  小さな業務改善から大きなプロジェクトまで、どんな場面でやりがいを強く感じたか、または挫折や苦手意識を感じたかを具体的に書き出してみましょう。

• 長所と短所を客観的に見つめる
  同僚や上司からよく言われる評価やフィードバックを思い出し、自分の強みや改善点を整理してみると、新たな気づきが得られます。

• “得意”“好き”“求められる”の交点を探る
  自分が「得意とすること」「好きなこと」「他者から求められること」が重なる領域は、自分に合ったキャリアを築く大きなヒントになります。

現職分析

　自己分析で明確にした軸や価値観が、現職でどの程度満たされているかを冷静にチェックしましょう。
現職の業務内容や働き方が自分の軸にどれだけ合致しているかを見極めることで、現職での改善が可能なのか、それとも転職が必要なのかの判断材料となります。

• 「今の職場で得られる成長機会」を再確認する
  社内異動や職務拡大など、転職以外で自分の軸を満たす方法がないか検討してみましょう。

• 数値や事実ベースで判断する
  「なんとなく気持ちが合わない」だけで判断せず、給与水準や評価制度、キャリアパスなどを客観的な情報と照らし合わせて分析します。

• 社内外の人の声を取り入れる
  信頼できる同僚や友人にヒアリングして、現職にいる自分の姿や、他社との比較ポイントを客観的に掴むと分析がより正確になります。

まとめ

　転職活動における自己分析と現職分析は、単に「転職をする・しない」という決断だけでなく、自分のキャリア全体を俯瞰するうえで欠かせないステップです。

大学卒業後の経験を振り返り、価値観や優先順位を明確にする作業は、意外にも新たなやりがいや強みの発見につながるかもしれません。

また、現職に対する不満や違和感をただ感じるだけでなく、具体的な数字や事実を元に整理することで、改善の余地や転職の必要性を冷静に検討できるでしょう。

　「自分の軸」と「現職の特徴」を照らし合わせることで見えてくる答えは、人によってさまざまです。
必ずしも転職すべきという結論ではなく、“現職でさらにキャリアを充実させる”という選択肢も十分に考えられます。

大切なのは、自分が何を望み、どんな環境で力を発揮できるのかをはっきり言語化し、自らの意志でキャリアをコントロールしていくこと。

自己分析と現職分析を徹底し、自分らしい道を切り拓いていきましょう。