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Parenting: 父親の愛情が子どもの人格形成に長期的に大きな影響を与える

初出 2017/07/18 Blogger「PonoLipo 子ども Lab」

A father's love is one of the greatest influences on personality development

https://www.sciencedaily.com/releases/2012/06/120612101338.htm


Date:June 12, 2012
Source:Society for Personality and Social Psychology
Summary:A father's love contributes as much -- and sometimes more -- to a child's development
as does a mother's love. That is one of many findings in a new large-scale analysis of
research about the power of parental rejection and acceptance in shaping our personalities
as children and into adulthood.

アメリカでも日本でも、長い間「子育ては母親の仕事、父親は余り関わらなくても影響ない」という考えが一般的でしたが、コネチカット大学のRonald RohnerとAbdul Knalequeが、この半世紀の世界各国のリサーチ結果を集約して分析して「母親からにも増して父親から拒絶された体験を持つ子供は、大人になってもずっと不安感が強く、情緒も不安定で、他者に対しても敵愾心を持ちやすく攻撃的な態度を取りやすい傾向があるという結果が、人種・文化・性別に関係なく世界的に広く報告されている」というレポートをPersonality and Social Psychology Reviewに5年ほど前に発表しています。

これは、世界各国でこの半世紀にわたる「幼少期の保護者からの拒絶と許容」に関する36の研究結果を集約して分析したものということです。トータルで10,000組以上の参加によるリサーチ結果となっています。

Rohnerは「これまでの脳科学などの研究により、人が拒絶を体験した時に活性化する脳の部位が、身体的苦痛を感じた時に活性化する脳の部位と同じであることが報告されていますが、身体的苦痛に比べ、精神的な苦痛体験は、長年にわたって何度も呼び覚まされる傾向にあります。」と指摘しています。これが、幼少期の拒絶体験が大人になるまで、その子どもの人格形成に影響を与えていくという結果につながっているようです。

これまで子どもの情緒不安定や落ち着きのなさ、攻撃的な言動など「母親のしつけのせい」にされがちでしたが、実は父親が子どもを受け入れ、関心を持ち、愛情を注いで接していくことが、非常に重要であり、その子どもの人生を大きく左右するということです。

もしパパやママ自身が、幼少期に苦い拒絶体験をお持ちで、なかなかご自分のお子さまに愛情を注いで接するということが実感として分からないという場合は、思い切って周囲の人や専門家に助けてもらったり手伝ってもらったりして、ご自身の深い傷を子どもに負わせず頑張って乗り越えることで、ご自身の傷も癒してほしいと切に願います。

私の父は、幼少の頃ネグレクトを経験し、70代半ばで亡くなるまでほんとうにその体験に苦しみ、葛藤していました。私の幼少期にも、一生懸命一緒に遊んでくれたり、頑張って良い家庭を築こうと、必死で努力し葛藤していました。その苦闘は、子どもの私にも切実な感じでひしひしと伝わってきて、思春期の頃は息苦しくて、早く親元を離れたい一心でしたが、初孫として生まれた私の息子が無条件に父になつき、孫を可愛がる中で父自身の傷も癒されていくようで、私と父の関係も晩年は、ほんとうに温かく心通うものとなりました。


ご自身の子育てに真正面から関わるということは、楽しいことも苦しいことも自分の幼少期の経験を追体験するようなところがあります。けれど「子宝」とはよく言ったもので、子どもと向き合って愛情を注いでいくことは、あなた自身の心の中にあるご両親との葛藤やわだかまりを癒してくれる大きなチャンスでもあります。


苦しくなったら自分ひとりで抱え込まずに、家族や他人の助けを借りて下さいね。まずは、目の前のお子さんをハグして頬ずりして、その子の確かな存在を感じて下さい。そうすれば、過去にとらわれず深呼吸して、そこから子どもと一緒に、あなた自身の新しい親子関係が始まりますから。

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