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Pono#12 腰痛①


腰痛とは?



腰痛は生涯で約80%の人が経験すると言われています

2/3は1~5ヵ月以内、残り1/3は6ヵ月以上症状が継続するとされいて何らかの治療が必要になります
一般的に腰部への身体的負担が大きい作業は腰痛発生の危険因子ですが、それ以外にも心理的要因(ストレス、睡眠障害など)も腰痛の発生や蔓延に関与しています

腰痛は発症から経過期間によって、①急性腰痛(発症から2週未満)、②亜急性腰痛(2週間以上3ヵ月未満)、③慢性腰痛(3ヵ月以上)に分類されます

①2週間未満:激しい痛みにより日常生活が困難
②2週間以上3ヵ月未満:約2/3は良くなることが多く、通常通りの生活が送れる
③3ヵ月以上:約1/3が3ヵ月以上痛みが継続し、何らかの治療を必要とする



腰痛と治療


全腰痛の割合


原因が特定できるもの以外の腰痛(22%+46%)はセラピストがメインでケアに当たることが出来ます
全体の約7割なのでほとんどですね

また腰痛のうち3人に1人(全腰痛の32%)は手術検討になりますが、その3人に1人の10人のうち1人しか治らなかったりするもの現状です

このため、オペをしても治らなかった腰痛もセラピストが出番になります
オペでしか治せない腰痛とはとても限られたものになる訳です

このためほとんどの腰痛はセラピストに治してもらいましょうということになるのです

慢性腰痛に対するオペの疼痛軽減効果は、認知行動療法や運動療法などの非手術治療と同等である

疼痛診療ガイドライン2019




動かないのは腰痛の敵!



過度の安静は腰痛にとってマイナスです
急性炎症のうちは安静にしておくべきですが、そうでなければ

①可能な仕事は続ける
②長期の安静はいけません

セラピストは患者さんにできるだけ『現状維持の活動は行ってもらう』ように説明しなければなりません

もちろん無理まではしなくて大丈夫です
自分のペースでやりましょう♪




腰痛の原因


結論を言うと、

胸郭(胸周り)と股関節が動けてないからです


その分『腰が働かされすぎている』のです!

身体全体、動きの総和で「サボっているところ」と「働きすぎているところ」とがあります

動くべきところが動いて、動いちゃいけない(安定してないといけない)ところは動いちゃいけないのです

腰は安定していないといけない部位なので動きすぎてはならず、
逆に胸郭と股関節はもっと動いていないといけません



職場でもいませんか?

もっと働かないといけない人(サボっている人)と
反対に働きすぎな人(私にばっかり仕事が回ってくる)


働きすぎな人にとってはストレスでイライラも溜まったもんじゃないですよね?
それが「痛み」なのです

腰痛がある方の体はだいたいこんな感じなのです

役割の不均等が痛み(腰痛)を生じさせている

腰痛のケアをしていくのにもこの
「サボっているところ」と「働きすぎているところ」を見抜いて
バランスを整えてあげることが大切になってくるのです


サボっている人はもっと働くべきだし
働きすぎな人はもっと頼るべきなのです



生理的曲弯


背骨には「生理的曲弯」というのもがあります
背骨は7個の頚椎、12個の胸椎、5個の腰椎の計24個の背骨と仙骨、尾骨から構成されています

頚椎は前に凸(前弯)、胸椎は後ろに凸(後弯)、腰椎は前に凸(前弯)とS字状に交互にカーブを描いています
このカーブが歩行などの動作時の衝撃吸収を手助けしています

基本的にはこの生理的曲弯のカーブの形が一番機能を発揮しやすいですが、
仕事や生活習慣などの体の使い方によって背骨のカーブは様々です
複合している場合もあります
(もちろん遺伝的な骨格の差というのもありますが)

図-A

カーブが強すぎると、例えば腰椎の前弯が強すぎて腰をそっている状態(図-A「反り腰」)が続くと関節や筋肉に負担がかかってしまい痛みを生じさせてしまいます
これが腰痛です

反り腰

カーブは強すぎても、弱すぎてもダメなのです
生理的弯曲というちょうど良い弯曲がベストなのです

「あなたはどんな姿勢、背骨のカーブを描いているでしょうか?」




セラピストが診るポイント


「どんな姿勢で?」
「どんな動かし方で?」
「どこが動いていなくて?」
「どこが動きすぎているのか?」
「左右で動きに違いはあるのか?」
「どこに痛みはでているのか?」
「痛みはピンポイントなのか?それとも全体的にぼや~と出ているのか?」

「どんな動きの癖をしているのか?」
「どんな考え方の癖をしているのか?」
「どんな気持ちを抑え込んでいるのか?」
「前屈で痛いのか?後屈で痛いのか?」
「朝に痛いのか?夕方に痛いのか?」
「立つ瞬間に痛いのか?」
「歩き始めに痛いのか?長く歩くと痛いのか?」

そんな生活の中のヒントから腰痛の原因と見極めていかなければなりません

難しい言葉を使うと、
「椎間関節性の痛みなのかな?」
「仙腸関節性の痛みなのかな?」
「筋、筋膜性の痛みなのかな?」
「骨盤の傾きは?後傾?前傾?」
「ニューテーション?カウンターニューテーション?」
筋肉などもあげたらキリがありません
大腰筋?腸骨筋?大殿筋?中殿筋?小殿筋?大腿筋膜張筋?大腿直筋?外腹斜筋?広背筋?胸腰筋膜?靭帯?脊柱起立筋?多裂筋?椎間板?・・・etc


それらに加え、介入してはいけない腰痛も見極めなくてはなりません


だから安易に揉んでもいけません
原因が分からないのに揉んでしまうということは危険な行為です

そのような点からも患者さま、お客さまには何処へ行ったらいいか、安全かを見極めて、頼る場所を慎重に選んでいただきたいと心より想っております



まとめ


はじめにもお伝えいたしましたが、腰痛は人生で8割の人が経験されるものです

上半身と下半身とを繋ぐ「腰」

関係している部位、範囲がとても広いのです
それゆえ腰痛を引き起こす火種も多いく、腰痛に悩まされる人が多いという事にも頷けるでしょう


腰痛は日々の「動き方」の中に原因があります



「病院に行っても治らない!」
「接骨院で揉んでもらっても治らない!」


そうおっしゃるのは時間をかけて動きを見極めてもらえていないからだと私は思います

治せるものは、ちゃんと選んで、納得のいく所で治しましょう


自分の体は自分で守らないといけません
しっかりと大切な体をプロに診てもらう責任があなたにはあります!

腰痛は諦めなくていい!



「この腰痛がなかったらあれもこれもできるのに・・・」

「腰が痛くて毎日、億劫だ」
「もう嫌になっちゃう」

「年のせいかな?」


よく聞きます

年齢のせいにしたら楽だけど、私の仕事は「年齢」で片付けるものではありません

魔法使いじゃないから10代、20代の頃に巻き戻すことはできないけれど、今の現実をみてその可能性を紡いでいくことはできます

腰痛には原因があります

治せるものは治しましょう


本気で治したい、治せすためなら頑張れるという方のお手伝いをさせてください



読んでいただきありがとうございました



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