セブ島 語学留学‼️ Day14(オスロブ#3)
オスロブには野良ケンが沢山いて、そのうちの1匹が何故か⁉︎ ずっとオレの側を離れなかった。ゴロゴロって甘えてくるでもなく、懐(なつ)いてくるわけでもないんだけど・・一定の距離を保ちながらずっとオレの後(あと)を着いてきた。帰る間際(まぎわ)までオレの側(そば)をウロウロしているので、地元の女の子がササッっと来て、野良ケンを紐でベンチにくくりつけてしまった。野良なだけに拘束(こうそく)されるのは嫌いなはず。偶然、その時の野良ケンの表情がパシャリと撮(と)られていた(上の写真)。紐でくくりつけられた姿が、なんとも寂しそうな野良ケン。こんなに寂しそうな顔してたなんて・・オレの側をウロウロしなければ紐で縛られることもなかっただろうに。なんか申し訳ない気持ちになってしまった。まだ、生きてるかな?・・・
さて・・ホエールシャーク・ウォッチングを満喫した我々10名は、次なる目的地スミロン島を目指す前に腹ごしらえをすることになった。次なる目的地と言っても遠くにあるわけではなくて・・ボートで10分ぐらいで行けるそうだ。ちょうど、あそこに見えている島なんだけどね。
我々10名は、レストルームと呼ばれていた簡素なベンチとテーブルを並べただけの空間で、写真付きのメニューを見ていた。英語表記だけでは、それぞれの料理のイメージが掴(つか)みづらいだろうからと、一品づつ親切に写真を貼ってくれていた。これならば誰が見ても間違えることはなさそうだし、イメージしていたものと違う!といったトラブルもなさそうだ。
なのに・・・
お待たせしましたぁ!って運んできてくれた料理が、10食分すべて写真と違うんですけどぉー!だけど具材は、それぞれ合ってるみたいなんだよね。これは一体どういうことなんだろうか? 運ばれてきた料理と写真つきのメニューを持ってキッチンに行って聞いてみた。
『あのね!写真の ”これ” を注文したんだけど、何故か⁉︎ 運ばれてきたものが ”これ” だったんだよね。なんか間違えてないかな?』コックさん、慌てる様子もなく・・お肉をヒョイっと持ち上げてメニューの写真みたいに配列し直した。しかも、オレたちのテーブルまで来て、他の9名分も手際よくサッサッっと!時間にしてわずか数秒!そして、満面の笑顔で親指をピッと立てて ”サムズアップ❗️”
さすが南国! おおらかすぎる!
バッチメイト達と目を合わせて思わず苦笑い。 ”こんなものは南国では、ハプニングのうちに入らない!” ってことか⁉︎
でもね、料理の味は最高に美味かった!
食べ終わって一息ついていたら、キッチンにいた先ほどのコックさんとバッチリと目があってしまった。コックさんは ”にかっ!” って笑ってた。オレは・・
”料理、最高に美味かったよ!”の気持ちを込めて ”にかっ” と笑いながら ”サムズアップ” してみせた。
南国の ”サムズアップ” って、日本で言うところの ”会釈” に近いのかな⁉︎
そうこうしている内に、どこからともなく良い匂いがしてきた。鼻を利かせクンクンしていると ”子豚の丸焼き” が運ばれてきた。
”子豚の丸焼き!”
まず、日本でお目にかかる機会のない貴重(きちょう)な代物(しろもの)だろう。早速、写メをパチリ!
オレたち10名がワサワサと子豚の丸焼きに群がって写メしているもんだから・・丸焼きを運んできた地元の人たちが端(はし)に追いやられ遠慮(えんりょ)がちに立っていた。みんなで一緒に写真撮ろ!って伝えたくて・・"Together"って声をかけたら、喜んで写真に入ってくれた。子豚の丸焼きで場の雰囲気がめっちゃ盛り上がった。
英語の先生も言ってた。語学の習得に大切なことは・・
『正確な発音を気にすることでもなくて、正しい文法で話すことでもない。相手の気持ちをわかろうとすることだ。』って・・
確かに!単語ひとつでお互いの気持ちが繋(つな)がれるんだもん。
食事も終わり、次なる目的地スミロン島に行くために、我々10名は船着場へと移動した。ホエールシャークの時は、サメを怖がらせないようにエンジンの付いていないシーカヤック(幌に風を受けて進むやつ)で移動したけど、スミロン島へはヤマハのエンジンが付いたボートで向かった。
ひとつ悔やまれたことがあって・・遊びに行くんじゃなくて勉強しに行くんだからと、普段使い慣れているゴーグル(水中メガネ)を持ってこないで、現地(オスロブ)でゴーグルをレンタルしたことだった。お世辞にも良いゴーグルとは言えず・・レンズには、長年使い続けられてきたであろう無数のキズがついていて視界がクリアでなかった。人との出会いも ”一期一会(いちごいちえ)” と言うけれど、生き物との出会いも ”一期一会” なのだよ。ゴーグルさえ良ければもっと色鮮やかにハッキリと生き物たちの姿が見れたであろう。惜(お)しいことをした。
シュノーケリングではパッとしなかった海中の景色だったけど・・キャプテン(ボートの操縦士)がボートから飛び込みができる深めの場所に移動して係留(けいりゅう)してくれた。
『ここなら安全だから、自由に飛び込んでいいぞぉ!』
ヤッタァー!飛び込みだぁー!すかさずダァーイブ!
飛び込みにもオレなりの ”こだわり” があって・・身体が入水する時の感触が、少し溶けはじめのアイスをスプーンでスゥーっとすくえた時の感じを目指している。(ハーゲンダッツのコマーシャルのあれだね!)冗談ではなくて、真っ直ぐに入水できた時って、水しぶきが、ほとんど立たないんだよ。その時の感触は、まさにハーゲンダッツ!
この時は、時間を忘れて飛び込みまくっていた。群馬県でキャニオニングを経験した時に教わったバックフリップ(後方一回転)も大いに練習させてもらった。他のバッチメイトたちは海遊びに飽きたのか・・砂浜で甲羅干しになっていた。
またまたキャプテンがボートを移動してくれた。遠目には小島(こじま)に見えたスミロン島。意外にも大きな島だった。スミロン島には一軒だけホテルもあって、旅慣れたヨーロッパ系の人たちが家族で泊まりにやってくるほど人気があるそうだ。
ボートは島の外周をグルリと移動しながらポイント毎(ごと)に係留してくれていたわけだ。砂浜と砂浜との間には南国チックな植物たちがワサワサと生い茂っていてボートがゆっくり進む度に視界が開けて次なる砂浜が見え始めてくる。
えっ! えぇー!!
その砂浜には驚くものが置いてあった。置いてあったというか⁉︎ 停めてあったというのか⁉︎ ボディー全体がスケルトンの小型ヘリコプターが砂浜にでぇーんと鎮座していた。な、なんという光景なんだろうか?砂浜にヘリコプター⁉︎
『あのヘリコプターを近くで見たい!』キャプテンにお願いして、その砂浜の前にボートを係留してもらった。果たして、ヘリコプターのオーナーはいるんだろうか?砂浜に降りたオレは恐る恐るヘリコプターに近づいていった。近くで見れば見るほど小ぶりなヘリコプターだった。朽ち果てて使われなくなったものではなくて、イグニッションをひねればキュイーンとプロペラが勢いよく回りそうな、現役のヘリコプターだった。
ボートに戻って、キャプテンに『あのヘリコプター誰の?』って聞いてみた。
『さぁー⁉︎』
両手を広げて首を振られてしまった。
オレにとって興味津々(きょうみしんしん)なことも、まわりのみんなにはどうでもいい無関心なことらしい。他のバッチメイト達は・・このビーチでもみんなで甲羅干しになっていた。