セブ島 語学留学 Day42
今朝は、初めてシュウさんに起こされた。この42日間で初めての事だった。寝たのが明け方だったから無理もないけど・・帰りの荷物のパッキングやらで朝からバタバタした。シュウさんも今日で留学生活が終わりで日本に帰るので、2人して部屋の中をウロウロして片付けをしていた。増えた荷物はテキストブックぐらいなんだけど・・なんか旅行カバンが重くなった気がする。
片付けも一段落したところで、朝食を食べにカフェテリアに行った。ホントのホントに学校での最後の食事だ。薄味のスープも、ほとんど味のしない漬物だって・・明日からは食べることはないけど・・42日間、毎日食べてきた味だけに、食べれなくなるのはちょっと寂しい。
出発までのわずかな時間を利用して、最後にキャンパス内を散歩した。自分の部屋、クラス、売店、カフェテリア、職員室、たまにジム・・限られたエリアでしか行動しなかったので・・一度、プールサイドで過ごしてみたかったなぁ!
42日間(6週間)という日数、同じ場所で生活するってことは、観光旅行や1週間ほどのサーフトリップで滞在するのとは違って、その場所で ”過ごす” というよりは ”生活する” に近い感覚があった。セブ島に暮らす人々の息遣いまでもがスゥーっとオレの心の中に入り込んできたって感じか!?
やっぱり最後は、見送りに来てくれた人たちと ”English Fella” のオブジェの前で記念撮影となった。
『カズさんお願いがあります。なんかカズさんを思い出せるようなイラストをTシャツに書いてくれませんか?』撮影のあと、りょうくんにお願いされた。
聞けば・・『タイとカンボジアに行った時に心細くなったらカズさんのことを思い出したいんで・・』
初めて、一人旅をするって言ってたりょうくん。今までやったことないことに挑戦してみるって素晴らしいことだと思う。そのりょうくんの ”御守り” がわりになるんだったらと・・・背中側の左肩にデカデカとオレの顔をコミカルに書かせてもらった。
『こんなんでいいかな?』
『うわぁ〜最高っす!ありがとうございました。』と嬉しそうだった。
タイやカンボジアでのコミュニケーションのキッカケになってくれれば嬉しいね。
『じゃあ、みなさんありがとう!さようならー!』
物事の終わりって・・実にあっさり、さっぱりだ。
見送る方も、見送られる方も既に未来を見据えている。オレたちは日本に帰ってからのことを・・残った人たちは、明日からの勉強のことを・・・
タクシーでシュウさんとマクタン空港へと向かった。
昨日、あれほどバタバタした空港までの道のりもタクシーだと一瞬だった。
実に味気ない・・
オレはセブ島から成田空港へのダイレクト便で、シュウさんはマニラ乗り換えの名古屋行きの飛行機に搭乗するので、ここでお別れだ。
オレ『シュウさんにはお世話になっちゃって・・ホント、ありがとう。』
シュウさん『うえ・・うえぇ〜うっうっ・・』シュウさんは泣いていた。
『うっうぇ・・オレの方こそ、ホントありがとうございました。カズさんが来るまでは、オレ生活だらしがなかったんです。朝起きれないし・・たまにクラスサボっちゃってたし・・でも、毎朝、カズさんに誘われて、いっしょに朝食食べるようになってから・・めちゃくちゃ気持ちが軽くなったんです。こんな若造のオレにキチンと丁寧に接してくれたカズさんには・・感謝しかないっす。うっうっ・・うえぇ〜・・あざぁ〜したぁ〜!』
オレももらい泣きした・・りょうくんといい、シュウさんといい・・心がキレイな若者だった。
搭乗まで少し時間もあったのでLINEでコジに挨拶した。
”ホント、ありがとね。楽しかったよ。みんなにもよろしく!”とだけ送信した。
ホントは・・・日本にも遊びにおいで!って続けたかったけど・・あの子たちが日本に来るためには、どれだけ大変なのかを想像すると・・軽々しい言葉は使えなかった。
11:00になり搭乗手続き開始になった。
フィリピン航空のカウンターで・・
職員の女性『預ける荷物をここに置いてください。・・2kgオーバーしてますね!』
オレ『えっ!? 何か出さないといけないってことですよね!?』
職員の女性『そういうことです』
オレは、荷物をパッキングしていた時のシュウさんとのやりとりを思い出していた・・・・
オレ『なんかやたらとカバンが重くなったんだよなぁ』
シュウさん『あっ!それきっとテキストブックだよ!』
オレ『えっ!? 本ってそんなに重さあるかなぁ〜』
テキストブックの総重量をシュウさん持参の体重計で測ってみると・・
7kg!? えっ!? えぇー!
オレ『紙の本だけでそんなに重いのー?』
シュウさん『卒業するときに大半の生徒はテキストブックを置いて行っちゃう!気持ちはわかるよなぁ〜!でも、テキストブックは、これからも英語学習に絶対に必要なものだから手放すことなんてできないよ』
オレは、預ける荷物から、大切なテキストブックを取り出してカウンターの横に置いた。
職員の女性『これって教科書かしら?』
オレ『そうですよ!オレ、こう見えても生徒だったんです!』
何故か!? ニッコリな職員の女性・・
職員の女性『あらぁ〜勉強はどうだった?』
オレ『SoSo(まあまあ)!!』
職員の女性『あはは!じゃあ、今日、卒業したってことね。おめでとう!』
オレ『あ、ありがとう!T..Thank you!』
4冊のテキストブックをむき出しで持ち歩くのは、かなり恥ずかしかったけど・・
卒業おめでとう!の言葉がちょっぴり誇らしかった。
長々と書き綴ってきた、セブ島語学留学はこれにておしまい。
学びに行った英語は大して上達はしなかったけど・・もっと大きな!目には見えないけど大切な何かを心に刻んだ42日間だった。