【ショートショート】甘い話はなく【深煎り入学式】
甘い話はなく
私は今日からこの私立深煎り学園に通う新入生。その深煎り入学式では新入生の豆たちを深煎りして立派なエスプレッソにする儀式がある。だけど、私には秘密があるの。それは……実は茶葉ってこと! 深煎りと深蒸しを間違えて出願しちゃったの。
だから今日は豆の変装をして、深煎り入学式を待っている。深煎り入学式さえ終われば、教室のドアをくぐれるはず。私は深煎りの儀式に挑んで、そして……無事にそれを済ませることができた。目の前にはドアがある。ここが私の学び舎……! 青春の舞台……!
「ようこそ天国へ」
先生がそう言って歓迎してくれた。私は教室に足を踏み入れて、そして首をかしげる。豪華なワンルームだ。とてもではないが教室には見えない。
部屋のテレビが、何かを流している。どうやらニュース番組のようだ。
「私立深煎り学園で行われた深煎り入学式に、茶葉が紛れているミスがありました。深煎りされた茶葉は熱に耐えられず、死亡が確認され……」
毎週ショートショートnote
お題「深煎り入学式」
文字数408字
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気の利いたことを書けるとよいのですが何も思いつきません!(頂いたサポートは創作関係のものに活用したいなと思っています)