【ショートショート】同盟崩壊【枢軸マーガリン】
同盟崩壊
N国は悩んでいた。M国とは同盟関係ではあるが、いつ裏切られるか分からないのが世の条理。
「友好の証に贈り物をするのはいかがでしょうか」
一人の大臣が、おずおずとそんなことを言い出した。
「贈り物?」
「はい。我が国自慢の特産品を、友好の証としてM国に贈るのです」
「それはいいアイディアだ、さっそく実行に移そう」
N国の特産はマーガリン。古来より伝わる丁寧な製法に最高級の材料を惜しみなく使い味わい豊かに作られたそれには、「枢軸マーガリン」という名前がついた。市場にも「あの」同盟国に贈られた超高級品として大ヒット。
一方そのころ。M国の議会は紛糾していた。
「敵への挑発として贈られるマーガリンを渡してくるなんて!」
N国の友好の証は今や無残に捨てられていた。中身を確認しなかった大臣も大臣だが、相手の文化を確認しなかったN国もN国だ。
「これはもう、同盟を破棄するしかないでしょう」
一人の議員が結論を述べる。
多数決の結果、
毎週ショートショートnote
お題「枢軸マーガリン」
文字数410字
気の利いたことを書けるとよいのですが何も思いつきません!(頂いたサポートは創作関係のものに活用したいなと思っています)