【ショートショート】オシャレバトラーたち【戦力で押したいお洒落】
オシャレバトラーたち
西暦三千××年の渋谷は、オシャレバトルの戦場と化していた。オシャレアイテムはステータスという形で数値化され、それが実際の身体能力へと反映される。
インスタの女王・ミサキは挑戦者・リコを圧倒し、見事に勝利を収めていた。リコも見事に渡り合っていた方だ。田舎からやってきた割には善戦していた方で、オシャレバトラーとしての才能がある。しかし……。
歩行者天国に寝転ぶリコに、ミサキは問いかけた。
「あなた、どうしてその腕輪をつけているの?」
リコの装備品の中で唯一、その腕輪だけがよい代物ではなかった。正直足を引っ張っている。リコは僅かな怯えを見せながら問いに答えた。
「友人が、くれたものなんです」
ミサキは優しく微笑んだ。
「そう……それじゃあ、それに合う装備がここにはあるわ」
ミサキはリコに手を差し伸べた。リコは目を丸くしていた。ブレスを外せと言われるものかと思っていたのだろう。
起き上がった挑戦者と共に、女王は109へと歩き始めた。
毎週ショートショートnote
裏お題「戦力で押したいお洒落」
文字数409字
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気の利いたことを書けるとよいのですが何も思いつきません!(頂いたサポートは創作関係のものに活用したいなと思っています)