水玉模様の雲と雨
大きくアスファルトを蹴った。
目の前には大きな水溜りがあり、私の行先を阻んでいた。雨は上がったとはいえ、さっきまでの豪雨で靴はびしょ濡れだ。お母さんに嫌な顔をされることを想像しながら水溜りを飛び越えようと思い切り駆けた。
ズシャッ
着地は失敗。靴どころか服まで汚してしまった。お母さんの顔なんて想像しちゃうからだ。帰ったら何を言われるだろう。嫌なこと全部捨てて思いっきりジャンプしたのに、心は沈んだままだ。ちゃんと飛び越えられてたら、もう少し気分は良かったのかな。そう思いながら重たい足を帰路に就かせるほか選択肢はなかった。