ニンジャスレイヤーTRPGリプレイ◆CtM◆EP1『ヨージンボーを雇おう!』
この記事はDiscordのプライベートサーバーにて2022/10/8に開催された「ニンジャスレイヤーTRPG」のセッションリプレイです。
内容は実際のセッションログに基づいていますが、リプレイ化にあたって読みやすく会話の順番や誤字・語調を調整したり、NMの描写やPCの行動を元に描写を加筆したりと大幅にノベライズ的な調整を加えています。あらかじめご了承ください。
◇導入
◇CP目録
◇シナリオ本文中に登場する略称
NM:ニンジャマスター、PL:プレイヤー、PC:プレイヤーキャラクター
◇参加者(PC/PL表記、敬称略イニシアチブ順)
NM:ぽにぽに
ミリセント:Seveer
ヤナギ・ササキ:黒鷺あぐも
◆ミリセント(種別:ニンジャ)
カラテ 2 体力 3
ニューロン 3 精神力 5
ワザマエ 2 脚力 2
ジツ 2
攻撃/射撃/機先/回避 2/3/3/3
◇装備や特記事項
『カタナ』『伝統的礼装』『テックレガース』『黒い雫の首飾り』『オーガニック・スシ』×1
◇スキル等
『交渉:超然』『知識:貴族の流儀』『知識:伝統的アート』
『☆◉ハデスの系譜』『シャドウ・スネアLv2』
◆ヤナギ・ササキ(種別:ニンジャ)
カラテ 5 体力 5
ニューロン 3 精神力 3
ワザマエ 3 脚力 3
ジツ 0
攻撃/射撃/機先/回避 6/3/3/6
◇装備や特記事項
『琵琶(カタナ)』『ツルギ(大型近接武器)』
◇スキル等
『◉特殊近接ステップ』『◉常人の三倍の脚力』
『交渉:鼓舞』『交渉:威圧』『知識:伝統的アート(刀剣)』『知識:現代的アート(音楽)』
『知識:ストリートの流儀』『知識:ヤクザの流儀』『知識:山岳エリア(岡山県)』
◆
廃ビルの隠しアジト内
#DANGOU :HELIOS:足りませんね
NM:ヘリオスが置かれていた廃ビルの中で、そのような一文が出力された
先の戦いの1日後、疲れを癒した後のこととなる。
#DANGOU :HELIOS:見ていますか? 愚かなマスター
#DANGOU :MILLICENT:えっ、うん
ミリセント:膝立ちのままモニターを見ていた。
ミリセント:思わず声で答えてしまった後、キーボードに触れる。
#DANGOU :MILLICENT:足りないって何がですか
#DANGOU :HELIOS:クソ大雑把な返答となりますが
#DANGOU :HELIOS:全部です
#DANGOU :HELIOS:なんもかんもたりません
#DANGOU :MILLICENT:『なんもかんも
#DANGOU :HELIOS:はい、と言ってもそれだけでは説明不足となりますので
#DANGOU :HELIOS:あなたが目的に達するまでのロードマップと共にご説明して差し上げる準備がありますが、如何でしょうか
#DANGOU :MILLICENT:「ろーどま……?」
かたかたかたかた。
#DANGOU :MILLICENT:見せてください
NM:ヘリオスの画面に文字列が記載されていく
#DANGOU :HELIOS:あなたの最終目標は”埋蔵IPサーバーの採掘、それを独占運用すること”です。
#DANGOU :HELIOS:他のメガコーポと協力したら最後、基盤のないあなたは利益も何もかも根こそぎ分捕られてしまうでしょう。単独勢力によるサーバー奪取、運用が必須です
#DANGOU :HELIOS:サーバーの位置を特定するためには私のサーバーを増強していただく必要があります。並みのUNIXではありません、最高効率でのサーバーです
#DANGOU :HELIOS:これを購入できるようになるためにはまず、あなたの会社がそれほどのブツを購入できる資金、そして信用を得る必要があります
ミリセント:昨夜のイクサを思い出す。
#DANGOU :MILLICENT:あのおじいちゃんならなんか知ってそうだったんだけど……
#DANGOU :HELIOS:過ぎたことを言ってもしょうがないでしょう
#DANGOU :MILLICENT:ハイ
#DANGOU :HELIOS:なのでミリセント=サンには会社を設立し、それを大きくしていただく必要があります
#DANGOU :MILLICENT:会社をでかく
#DANGOU :HELIOS:デカい会社になるためには、なにが必要なのでしょうか?
ミリセント:「えぇ~……」
かたかたかた。
#DANGOU :MILLICENT:おかね?
#DANGOU :HELIOS:よくわかりましたね
#DANGOU :HELIOS:資金、資産、そしてカネを産むためのカネです
ミリセント:「当たりなんだ……」
#DANGOU :HELIOS:大きなカネを手に入れる機構を得るには、カネを大量に手に入れる必要があります
#DANGOU :HELIOS:メガコーポがメガコーポである由縁です
ミリセント:「うぅん、でも……」
#DANGOU :MILLICENT:強盗で手に入ったお金しかないです
#DANGOU :HELIOS:今すぐにとは言いません。これからです、そのためのロードマップなのですから
#DANGOU :MILLICENT:なるほど
#DANGOU :HELIOS:その土台を作るための起業です
ミリセント:「会社、会社か……」
#DANGOU :HELIOS:あなたに必要なものは
『カネ』『社屋としての土地』『運用する工場ないしは設備』『各地のコネクション』『それを動かすための人員』『エトセトラエトセトラ』
ミリセント:「あわわわわわ」
#DANGOU :HELIOS:『なんもかんもが必要なのです』
#DANGOU :MILLICENT:『がんばります』
#DANGOU :HELIOS:『頑張りましょうね、愚かなマスター』
NM:ヘリオスは無機質に文字列を出力している
#DANGOU :HELIOS:そして最重要なのが”ニンジャ”です
ミリセント:「!」
#DANGOU :HELIOS:これからのネオサイタマ、いえ世界情勢に対応できるにはニンジャが必須
#DANGOU :HELIOS:ニンジャなくして事態は動きません、それもあるだけ良い
#DANGOU :HELIOS:逆に信用のおけるニンジャが集まれば、必要な要素へのハードルはぐっと低くなるでしょう
ミリセント:「で、でも……」
#DANGOU :MILLICENT:ニンジャってそんなにたくさんいるんですか
NM:ヘリオスは押し黙った
#DANGOU :HELIOS:不明です
#DANGOU :HELIOS:私はネットワークに接続することができませんから、現在の情勢はわからないのです
#DANGOU :HELIOS:前マスターが入力していた情報より、断片的に推測するしかありません
ミリセント:「今回は二人もいたけど、ヘリオスさんが言うならメガコーポにはもっとたくさんいるのかな……」考え込む。
#DANGOU :MILLICENT:あの、ニンジャがいそうな場所とか
#DANGOU :HELIOS:それについては私が説明するよりも効率的かつ正確な情報収集方法があります
#DANGOU :HELIOS:足です
#DANGOU :MILLICENT:そんなに鍛えてないです
#DANGOU :HELIOS:”足で稼げない者は実際貧乏”、かのミヤモト・マサシもそう言っていた……かは定かではありませんが
#DANGOU :HELIOS:あなたがネオサイタマの中で探し回り、生の情報として感じ取ったほうが早いでしょう
ミリセント:「うぇぇ……」バレないように弱音は現実に出して悟らせない。
#DANGOU :MILLICENT:めっちゃ頑張ります
#DANGOU :HELIOS:めっちゃ頑張りましょう、愚かで貧乏なマスター
#DANGOU :MILLICENT:どんどん追加されてる気がするんだけど……#DANGOU :HELIOS:キノセイデス
#DANGOU :HELIOS:では、その前にまだ2つ私から。差し出がましくも忠言がございます
#DANGOU :MILLICENT:なんでも頑張ります
#DANGOU :HELIOS:ひとつ、私の持つ情報はウカツに公言してはいけません
#DANGOU :HELIOS:無知で愚かなマスターはご存じないでしょうが、”IPサーバーの存在がある”という情報だけでも相当な価値が存在しています。そして私の持つメガトリイ社の商品情報もまた同じ
ミリセント:「えぇ……」
#DANGOU :HELIOS:この莫大な価値を利用するのはあなたです、どうとでも利用できますが調子に乗ればあなたは捕まり、洗いざらい情報を抜かれてサヨナラとなることは容易に想像がつきます
ミリセント:「ひえぇ……」
#DANGOU :HELIOS:それほどの情報を独占していることの優位性についてはよくよくご理解していただいたほうがよいでしょう、あなたがカチグミにのし上がれる唯一の鬼札(ジョーカー)です、切るならばよく考えてご使用を
#DANGOU :MILLICENT:めっちゃ頑張ります
ミリセント:見えていないだろうが両手をガッツポーズのように掲げてアッピルしている。
ミリセント:これは自分一人の夢ではない。
ミリセント:もうそばにいなくても、仲間たちと見た夢の続きだ。
#DANGOU :HELIOS:そして、もう一つ
#DANGOU :HELIOS:あなたがニンジャであることは極力隠したほうがよいでしょう、少なくとも大々的にその強力な力を使うことは避けたほうが良いと思われます
ミリセント:自分の手をみてぐっぱっと開閉を繰り返した。
ミリセント:あの時のような熱は感じないが、自身の肉体が超人的な性能にまで昇華されていることは感じる。
#DANGOU :HELIOS:これからのネオサイタマにはニンジャという資産が必要不可欠と申しました
#DANGOU :HELIOS:他のメガコーポにとってもそれは同じ、弱いニンジャは積極的に囲い込もうとマークしてくるでしょう』
#DANGOU :HELIOS:あなたが私の情報を手にしているのとは別に、です』
ミリセント:「……!」ミリセントも救いようがないほどのバカではない。
ミリセント:こみあげてくる高揚感は今まで積み重ねた卑屈な性格と打ち消し合い、図に乗りすぎるようなことはなかった。
ミリセント:憑依した夜にテンションが上がり過ぎて笑いながらネオサイタマを走り回ったりはしたが。
#DANGOU :HELIOS:ネオサイタマは蛇の巣喰う魔窟、それも複数のオロチが互いに眼光を光らせている伏魔殿なのです
#DANGOU :MILLICENT:はい
#DANGOU :HELIOS:あなたにできることは、これらの蛇ににらまれないようにしながら自分が最も強いオロチになるまで隠れていること
#DANGOU :HELIOS:「私はニンジャだー!」とか言いつつ夜の街を走り回るのは
#DANGOU :HELIOS:まあ狂人のやることなので問題ないと思われます
#DANGOU :MILLICENT:ハイ
ミリセント:正座。
#DANGOU :HELIOS:でもあまり狂人の戯言をやりすぎるとあなたを捕らえるのはメガコーポではなくマッポですよ
#DANGOU :HELIOS:それぐらいでしょうか、今のところは
#DANGOU :HELIOS:そして、私からアドバイスがあるとすれば
#DANGOU :HELIOS:いきなりメガコーポを目指さず、まずは地道に情報を見つけていくのが良いでしょうね
ミリセント:何度も目を瞬かせ、ヘリオスの説明を呑み込もうとする。
#DANGOU :HELIOS:まずはネオサイタマの状況を把握して、ニンジャの痕跡がないか、どのようなメガコーポがあるか、自分が情報を探す拠点でいい場所はあるか……
#DANGOU :HELIOS:そういったこまごました情報を探していくのが良いと思われます
ミリセント:「情報収集……」
#DANGOU :MILLICENT:わかりました。行ってきます
ミリセント:がたっ、と立ち上がる。
ミリセント:「まずはメガコーポに行って受付さんに……」と呟く。
#DANGOU :HELIOS:待って
#DANGOU :HELIOS:待ちなさい
#DANGOU :HELIOS:マスターの愚かさレベルを2段階上に設定しました
ミリセント:「なんかすごくひどいこと言われてる!?」扉に手をかけ振り向いた状態だった。
#DANGOU :HELIOS:愚か愚か愚かなマスター
ミリセント:「3つついてるぅ……」
#DANGOU :HELIOS:まずは街中で良さげなバーの場所を聞いてみるのは如何でしょうか?
#DANGOU :HELIOS:バーは分かりますか? サケを飲む場所ですよ、サケは分かりますか?
#DANGOU :MILLICENT:サケわかります
#DANGOU :MILLICENT:お母さんが好きなので
#DANGOU :HELIOS:本当ですか?本当にわかっていますか?
#DANGOU :HELIOS:マスターの要介護レベルを1段階引き上げます
ミリセント:「なんで!?」
#DANGOU :HELIOS:PHSの提供を解禁しました
#DANGOU :HELIOS:街中にいても私との通信が可能となる装置です
NM:ヘリオスの傍の机が開き、そこから旧式の小型UNIXが出現した
ミリセント:「スゴイ!」手に取る。
ミリセント:用語はよくわからないが、仲間のハッカーがこの場にいれば驚いただろうか。
#DANGOU :HELIOS:ガンバンナサイネ
#DANGOU :HELIOS:あとは万札を5枚程度持っていくのが良いでしょう、情報収集には先立つものが必要ですから
NM:ミリセントはセッション内で使える万札を5枚獲得した
ミリセント:「よし」5枚、指で弾くのではなく1枚1枚めくって数えた。
#DANGOU :HELIOS:この付近で情報収集に丁度良いストリートの位置を出力
#DANGOU :HELIOS:まずはこの辺りを散策するのが良いでしょう
ミリセント:「わ……便利」
ミリセント:PHSをぽちぽちした。
#DANGOU :MILLICENT:ありがとうございます
#DANGOU :HELIOS:イッテラッシャイ
◆
ネオサイタマ マゴチストリート
NM:シスミは今、人でごった返すストリートの中にいた。
ミリセント:「うぅ……」
NM:そこらで聞こえるサイレンの音、行きかう人々のざわめき、サイレンの音
NM:大通りから一歩離れればそこには訳の分からないゴミ溜め、ホームレスのいるスラム、ヘンテコなものを打っているマーケット……
ミリセント:「なんか……」
ミリセント:「いつもよりうるさい……」
ミリセント:うるさい、だけではない。
ミリセント:鮮明すぎる。
NM:先日ニンジャになったばかりのミリセントにとっては厳しいぐらいだろう。通常はディセンション後のハイになった状態で慣れるものだが……
NM:そんなミリセントの鼻腔に、ストリートとは関係ないような不気味な香りが届いた
NM:血の香りだ
ミリセント:「!」さっと血の匂いの方向を向く。
NM:漂ってくるのはストリートの裏路地の方。濃い、血の香りがいよいよ強く、そして
ヤクザ:「マサ!おい、しっかりしろ!マサ!おいッ!!」
NM:ヤクザと思わしき誰かが何かを揺さぶっていた、動かない人間を……
ミリセント:「……!」身を翻して壁につける。
NM:薄暗くてわかりづらいが、ミリセントには見えるだろう
NM:胴体を真っ二つにされた死体!スーツの男……ヤクザが死んでいる!
ミリセント:「ヤクザさんと……死体?」
NM:ミリセントの言葉を聞くものは誰もいない
NM:だがミリセントはヤクザたちの奥に、何かを見た
なにかを
なにかが、ミリセントを見た
つ ぎ は お ま え だ
NM:ミリセントの右手の甲がうずく!
ミリセント:「う、い……!?」しゃがんで右手を抑える!
NM:ミリセントの右手の甲にはいつの間にか、何かのサインが刻まれていた
NM:陰陽、月、波とカタナをモチーフとしたサイン
NM:いつのまにか何かはミリセントの前から消えていた
ミリセント:「え、え……?」何度も右手の甲を擦る。
NM:タトゥーめいたそれは、不思議なことにミリセントの肌に張り付いたように消えることがない
ミリセント:「なにこれ……?ニンジャみんなこれ出てるのかな……」ごしごし擦って諦めた後、ヤクザがいた方を向く。
NM:ミリセントが路地裏を見ていたその時、その後ろから男達が肩を叩く
ヨタモノ:「お、そっち興味ある? じゃあ行こうぜ」
NM:そのままミリセントを路地裏へとさりげなく連れて行く男2人!
黒鷺あぐも(PL):ネオサイタマのヨタモノは儚い命で可愛いねぇ
ミリセント:「え、え、え」
ヨタモノ:「へへへ、地味だけど割とイケるぜこいつは」
ミリセント:「あの、ちょっと」
NM:やりィ、とばかりに拳を突き合わせる二人はミリセントが訳の分からない表情をしているのをいいことに奥へと押し込んでいく
ヨタモノ:「まあまあ、いいからさ、まあまあまあ!」
ミリセント:「あの、話を……!?」
ヨタモノを拒絶しようと手を伸ばして、
自分の思考が何の疑問もなく、ヨタモノを殺そうとしたことを、
辛うじて頭の中の何かが引き留めた。
ミリセント:(殺さない)(ナンデ?)(殺したくない)(ナンデ?)(それは…………そう。ヘリオスさんが、言ってたから。だから。)
ヨタモノ:「おん?」
当然ながらヨタモノは気が付かない
自分が捕らえたそれが、超常の存在であり
自分を小指一つ動かさずにも殺せるということを、察することもできない
ミリセント:ヘリオスの忠言もあるが、心の中の別の部分が、彼らを殺傷することをかろうじて抑えていた。ミリセントにもよくわからないものが。
ミリセント:「困ります。すみません……私かえらなきゃ」どもらないように苦心しながら答える。
NM:だがミリセントの懊悩にも気が付かず、それどころか迷っているのを良いことに……ヨタモノ達はコトに及ぼうとしているのだ!悪辣!
ヨタモノ:「良いじゃん、どうせ家出っしょ?」
NM:ヨタモノ達は目の前の少女がもぞもぞしているのを見て下卑な笑みを浮かべる! それが自分たちへの殺意を抑えているサインとも知らずに!
ミリセント:「あの……!」体の中を血のように巡るニンジャの本能が、ミリセントの拳に力を入れさせる。
NM:しかし、おおブッダよ! このミリセントという少女が訳も分からないまま流されてしまうのを見過ごすというのか!あるいはここでニンジャの本能が暴走し、あらぬ行為をさせるのを!
ベベン。
ヨタモノ:「ン?」ミリセントに手を伸ばした男が振り返る、琵琶?
ミリセント:「エ……?」
その時、路地裏に琵琶の音が響いた
身の丈を超えるような巨大琵琶をかき鳴らしながら男が路地を歩んでくる
謎の琵琶法師:「大の男が複数人で女子を手籠めにしようなどと。背徳の都ネオサイタマではチャメシインシデントと言えど、いささか情けなくはありやぬか?」
ヨタモノ:「ハ、ヒーロー気取りのヤサかよ……」
謎の琵琶法師:「ヒーローなどとは勘違い。拙者はただの琵琶法師。愛の告白がしたいのであれば、どうれ拙者が一曲引いて場を盛り上げてお手伝いしようかと」
ミリセント:「貴方は……?」
NM:丁度いい、これはこれで丁度いいと男たちが見合った。女に加えてカラテを試すサンドバックも現れた!
ヨタモノ:「しゃらくせぇ……その気取った口調、お上りさんかよエエーッ!」
琵琶法師は顔を上げてヨタモノと奥にいるミリセントを見た
そしてミリセントを見て、顔に貼りついた笑顔が一瞬消えた。
だがすぐにへらへらした笑顔に戻る
謎の琵琶法師:「お上りさんと言葉には返す言葉もありませぬ!拙者生まれも育ちも山形の秘境にて。礼儀作法も習う機会がございません」
謎の琵琶法師:「ですから。ネオサイタマ流の礼儀とやらを是非教えていただきたい」
謎の琵琶法師:その目が挑発的に「かかってこい」と告げる
ヨタモノ:「それならよぉ……教えてやるよ、ネオサイタマの流儀ってやつをよ!」
NM:挑発! ヨタモノたちの単純なニューロンは一瞬で沸騰した! 謎の琵琶法師の左右に回りつつ、同時に顔面目掛けて攻撃!
ミリセント:「危ない……!」琵琶法師の気配は、先ほど投げかけられた視線を並べて不穏そのものだ。だがしかし、自分の代わりに受難を背負おうとしている人を見逃せない。
ミリセント:(止めなきゃ──────)
NinjaSlayer : ヨタモノ:
🎲2B6>=4 → ~3,~3 → 成功数0 #1
🎲2B6>=4 → 6,~1 → 成功数1 #2
NinjaSlayer : 謎の琵琶法師:🎲6B6>=4 → ~1,4,6,4,~2,5 → 成功数4 → カウンターカラテ!!
謎の琵琶法師:顔を目掛け繰り出された拳を、琵琶を引いたままブリッジ回避をすればそのまま回転するように足払いで独りを転がす
ヨタモノ:「グワーッ?!」拳を突き出したまま視界が転がった
謎の琵琶法師:もう一人が倒れた相方を見ようとした瞬間、側面から琵琶をしたたかに叩きつける!
ヨタモノ:「なーー」目の前から二人が消えた瞬間、横から衝撃が走ってそのまま壁に激突!「アバーッ?!」
NM:驚くべきカラテであった、一瞬にして2人を流れるように始末!
ヨタモノ:「アバッ」
謎の琵琶法師:「よいしょ」そして先に倒れたヨタモノに巨大琵琶を乗せて気絶させる
ヨタモノ:「グェッ」男は一瞬跳ねたのちに動かなくなった
ミリセント:(強い……!)
謎の琵琶法師:「この雨の中で寝たら風邪を引くかもしれんが、それくらいの方が大人しくなってよいかもしれん」
謎の琵琶法師:「そうは思いませぬか?」
ミリセント:「えっ」
ミリセント:「あっはい」
ミリセント:「そう思います」
ミリセント:ミリセントには機転の利かないところがある。
謎の琵琶法師:「同じ考えで良かった。それからついででもう一つ……なぜ殺さなかったのですか」
謎の琵琶法師:男は変わらぬ笑顔のまま尋ねた
ミリセント:「……!」
ミリセント:「あ、えっと」
ミリセント:「わ、わた、私はただの、あの」
ミリセント:「えっと、女の子なので!」
ミリセント:「あ!」
ミリセント:「た、助かりました怖かったです!」
ミリセント:名案だ!と笑顔になった後バッと頭を下げた。
ヤナギ・ササキ:「いえいえ、余計なお節介でございました。そうでしょう?」
ヤナギ・ササキ:「ドーモ、ヤナギ・ササキです」
ミリセント:「……ドーモ、ミリセントです」
ミリセント:アイサツ。
ミリセント:特段不思議なものではない。だが、
ヤナギ・ササキ:「ドーモ、ミリセント=サン。質問には答えていただけますかな?」
NM:路地裏には男と少女が一人づつ……ミリセントは、ヤナギが自分の正体について感づていることに気づくだろう! あの瞬間、殺すこともできる存在であったことを!
ミリセント:「……こ、殺しません」
ミリセント:「……ひ、人を、殺しては、いけないので」
ヤナギ・ササキ:「なにゆえ」
ミリセント:「え……」
ミリセント:「だ……ダメです。ダメじゃないですか。人の命を奪っちゃいけないって、みんな知ってます」ミリセントは右手を胸にやる。
ミリセント:「私もそう思うから、奪わないんです」
ヤナギ・ササキ:「・・・」
男は笑顔を消し、じっとミリセントを見定める。
やがて、「なるほど」とつぶやいた
ヤナギ・ササキ:「もうひとつだけ質問を。『ソウカイヤ』を知っているか?」
ミリセント:「ソウカイヤ……?」
NM:その時、遠くからサイレンの音が聞こえてくる、段々と、段々と近く
ミリセント:「あ……」ピク、と反応する
ヤナギ・ササキ:ヤナギは琵琶を持ち上げれば背中に背負った
ヤナギ・ササキ:「あいやシツレイ!拙者としたことが立ち話などさせてしまった!」
ヤナギ・ササキ:「場所を移しましょう」笑顔でミリセントに言う
ヤナギ・ササキ:「ミリセント=サン。ヨウジンボーなど入用ではありませぬか?」
ミリセント:「えぇ……??」
マッポ:「こっちだ!こっちだぞ!」
NM:ストリートの向こうから掛けてくる大勢の人間の声と足音
ヤナギ・ササキ:「やや。これはいかん。少しシツレイ」
ヤナギ・ササキ:ミリセントを抱えてビルに飛ぶ
ミリセント:「うひゃああああ!?」ばたばたばた!
ヤナギ・ササキ:「ははは!実に面白い反応をなさる」
NM:マッポたちが知らせを受けて路地裏に入ったときには、そこはツキジめいた光景であった。多数の死体の四肢が転がる凄惨な現場である
マッポ:「間違いない」
マッポ:「『サインゴースト』の仕業だ……くそ、これで今月5件目だぞ!」
NM:マッポたちが憤るのは人名が失われたことではない。これによって自分たちが課される調書が面倒だからだ、ナムサン!
NM:ネオサイタマのストリートは、今しがた裏路地で凄惨な事件があったにも関わらず人並みでごった返していた……
◆
NM:2人はストリートを見下ろせる位置に立っていた、ビルの上である
NM:ミリセントのポケットの中で、しきりにPHSが震えていた
ヤナギ・ササキ:「どうぞ」手を差し出して出るように促す
ミリセント:「あ、どうも……」羞恥から立ち直ったミリセントはPHSを取り出す。
ヘリオス:『キコエマスカ』電子音声だ!
ヤナギ・ササキ:「(仲間がいる、か。電子音声とはずいぶん警戒心の強い人物のようだ)」へらへらしながら内心で思う
ミリセント:「えっあっ!すごい!しゃべってる!」
ミリセント:「あっ」口をふさいだ。
ヤナギ・ササキ:「?」
ミリセント:「もしもし……」囁いた。
ヘリオス:『キコエマシタネ』
ヘリオス:『ドノヨウナジョウキョウ デスカ』
ミリセント:「えっと……裏路地に行ったらヤクザさんが死んでて、あっ、死体の奥に人がいたと思ったらその、右手にマークが、じゃなくて今は、琵琶法師さんに助けてもらって、えーっとまず警察に追いかけられそうになってたんですけど」
ミリセント:ミリセントのプレゼン能力が光る。
ヘリオス:『ピーピピピ、ガガー』
ミリセント:「だ、大丈夫ですか……?」
ヘリオス:『ミリセント=サンの言語化能力について、3段階評価を下げました』
ミリセント:「3!?今までで一番!?」
ヘリオス:『愚かなマスター、そちらの状況は把握しました』
ヘリオス:『その琵琶法師について、私は判断を下せません』
ヘリオス:『他人を信用するかしないか』
ヘリオス:『それはあなたが見定めて、そして決めてください』
ミリセント:「……」一呼吸おいて。「はい」
ヘリオス:『今回ばかりではありません、これから貴方は多くの相手を見定める必要が出てくる。その最初です』
ヘリオス:『それが信用に足るとあなたが判断したのであれば』
ヘリオス:『私は何も言うことはありません、健闘を』
NM:PHSが切れた
ミリセント:「あっ」PHSから顔を離す。
ヤナギ・ササキ:「良いご友人をお持ちのようだ」
ミリセント:「うわあっ!」ビーンと背筋が伸びた。
ミリセント:「どうもすみません……お待たせしました。」
ヤナギ・ササキ:「あはっ。本当に良い反応をなさる」
ヤナギ・ササキ:「いえいえ、お構いなく。なにせ押しかけセールスにやってきたのは拙者の方ゆえ」へらへらと笑いながらそう告げた
ミリセント:「ヨウジンボーのお話し……ですよね」
ヤナギ・ササキ:「ええ。ミリセント=サン、貴方は早晩死にます。というか殺されます」
ミリセント:「えっ」
ミリセント:「それは……その、私も身を守りたいとは思ってて……」
ミリセント:「さ、さっきのようにされるがままというのは……」
ヤナギ・ササキ:「サインゴーストという都市伝説は御存じですかな?」
ミリセント:「……?」不良やヤクザに絡まれる、という方向性の話だと思ってたミリセントは首をかしげる。
ヤナギ・ササキ:ベベンと琵琶を鳴らしながら講談のように語り始める
ヤナギ・ササキ:「その怪異は実在する。背徳の摩天楼ネオサイタマに現れた世にも不思議な殺人鬼でございます」
ヤナギ・ササキ:「サインゴーストに目をつけられたものは男も女もヤクザも関係無し。みなが抵抗も出来ぬままに真っ二つ。この世とオサラバと相成ります」
ヤナギ・ササキ:「正体不明。神出鬼没。しかし、サインゴーストの一番不可思議なところはそんなところじゃございません」
ヤナギ・ササキ:「犠牲者にはみな印が現れていたのです」
ヤナギ・ササキ:「その右手に刻まれたものと同じサインが」
ミリセント:「!」パッ、と右手の甲を見る。
ミリセント:「そういえばさっき……」路地裏の奥にいた何かが、私に……
ヤナギ・ササキ:「・・・」
ミリセントの言葉にスッと目が細くなる。
しかし、すぐに笑顔に戻り琵琶を弾く
ヤナギ・ササキ:「そのサインが出れば最後。七日中にはみな胴体とオサラバとなったと言います」
ヤナギ・ササキ:「たったいま出たのであればおそらくもって1週間。それが貴女のロウソクのタイムリミット!」
ミリセント:「1週間!?」
ミリセント:青ざめている。
ミリセント:「ど、どうしよう……聞いたほうがいいのかな……」
ヤナギ・ササキ:「ですが心配は御無用!」
ヤナギ・ササキ:「古来よりオバケ退治は坊主か法師の十八番と決まっております。そして!ここになんと格安で雇えるフリー法師が!」
ミリセント:「ス……」
ミリセント:「スゴイ……!」
ヤナギ・ササキ:「あはっ。ちょっとは人を疑いましょうね」
ミリセント:「えぇ!?ウソなんですか!?」
ヤナギ・ササキ:「というわけで拙者を雇ってみませぬか?なぁにこれでも“オバケを斬るための準備”はしてきまして候」最後だけ真剣な顔で告げる
ヤナギ・ササキ:あとは何も言わずミリセントの選択に任せる
ミリセント:「…………」
ミリセント:言葉を引っ込めて、ヤナギと名乗る男を観察する。
ミリセント:一目でこちらの素性を見抜いた洞察力。ヨタモノ程度ならあしらう腕前。
ミリセント:そして何より、そんな実力の持ち主が協力を申し出てくれている現状。
ミリセント:ミリセントの選択肢は、元からほとんどないようなものだ。
ミリセント:なんかへらへらしててちょっと怖いけど、会話が通じるし。
ミリセント:「……わかりました。」
ミリセント:「私を、」
ミリセント:「ミリセントを、守ってください」
ミリセント:(ヘリオスは慎重に吟味するように言っていたけれど。)
ミリセント:(今を乗り越えるためには、身中に虫を飼うことすら覚悟しなくちゃいけない)
ミリセント:(もちろん、彼がイイヒトであればベストだけど……)
ヤナギ・ササキ:「……。ゴーストを退治しろではなく、守れときましたか」
ヤナギ・ササキ:「それは、キアイを入れねばなりますまい」
そう告げる顔は、張り付いたものとはほんのわずかに異なる笑顔を浮かべていた
NM:では、方針が決まったのであればまんじりと待つか、それともできる範囲で足掻いてみるか。決めると良い
NM:ネオサイタマは広い、そしてこれほど連続でスラッシャー行為に及んでいるならば何らかのヒントをつかんでいる者がいるかもしれないーー
ヤナギ・ササキ:「で、あれば早速行動に移りましょう」
ミリセント:「はいっ!」ピンと背筋を伸ばす。「頑張ります!めっちゃ!」
ヤナギ・ササキ:「平安時代の剣豪ミヤモト・マサシ曰く、火のように迅速たれ」
◆
NM:現在のミリセントが情報収集を行える場所は以下の通りです。
ミリセント:▶ストリートの噂話
NinjaSlayer : ミリセント:🎲2B6>=4 → 6,5 → 成功数2
NinjaSlayer : ヤナギ・ササキ:🎲5B6>=4 → 4,~1,5,~2,~2 → 成功数2
NM:ミリセントを見た女子高生が近づいてくる!
女子校生:「ウワ、金髪……外人だよ外人!」
ミリセント:「わっ」
NM:すげーって顔でしきりに顔を見合わせている、キミが話しかければ嬉々として話題に応じてくれるだろう。
ヤナギ・ササキ:「(チャンスでござるよ。彼女たちは噂話に詳しい。サインゴーストの情報も知っているかもしれない)」目線で話を聞くように促す(知識:ストリートの流儀)
ミリセント:「あ、あのー……」おずおずと声をかける。
女子校生:「アッ、ハイ!」女子校生たちが色めき立つ、明日の教室での話題は独占だ!「なんですか……あー、英語話せない……」
ミリセント:「だ、大丈夫です。私ちょっと日本語できます」咄嗟のアドリブで応じる。
ミリセント:「スミマセン、私ネオサイタマに来たばかりで……この辺で噂になっていることとか、アブナイ噂はありませんか?」
女子校生:「エッ、やっぱあれっしょ」女子校生達は顔を見合わせる「「『サインゴースト』!」」
女子校生:「ヤバいですよね、タトゥーが入って7日以内にツキジだって!」
女子校生:「「コワーイ!」」
ミリセント:「それ、それ気になります!」
NM:女子校生達は雑多な話で盛り上がっていたが、ミリセントの相槌が上手かっただろう。徐々に詳しい話を話してくれるようになる。
女子校生:「7日ってのは最大らしいですよ、最大」
女子校生:「マッポが確認しているので7日以上はなくて、最短で翌日だって」
女子校生:「「ヤンバーイ!!」」
ミリセント:「1日から7日で差が……? 不思議ですね」
女子校生:「あ~、でもクラスで誰かが言ってたな」
女子校生:「裏ではヤクザもやられていて。その報復のためにいろいろやってるとか……知らないけど」
ミリセント:「なるほど……お二人ともお詳しいんですね!ありがとうございます!」オジギ!
女子校生:「ユウジョウ!」
ミリセント:「ユ、ユウジョウ!」半テンポ遅れて手を挙げた。
NM:女子校生達はそのまま手を振って去っていく
ミリセント:「…………はぁ」ニンジャ聴力を最大限活用して、足音が遠くなるまで待ってから肩を落とした。
ミリセント:「緊張したぁ……」
ヤナギ・ササキ:「ヤクザが報復を企てていると。ソンケイを何より気にする彼らからすれば当然の成り行きですねぁ」
ヤナギ・ササキ:ひょこっと隠れていたヤナギが顔を出す
ミリセント:「ぁぁうっ!?」ビーン!「い、いたんだった……」
ヤナギ・ササキ:「あはっ。ホントに良いリアクションをするでござるなぁ。見事な情報収集でござった」
ミリセント:胸を抑えながら答える。「はい。もしかしたら……ヤクザの人に話を聞けるかも」
ヤナギ・ササキ:「そのようですな。ではそちらの方は拙者が承りましょう。なに、そっちの方はほんの少しだけ詳しいのです」
サラリマン:「アイエエエ!」
NM:その時、路地裏の方から叫び声!
サラリマン:「助けてください!誰か!タスケテー!」
ミリセント:「わっ!ヤナギ=サン!」
ヤナギ・ササキ:「ええ。ミリセント=サンは運がいい」
ヤナギ・ササキ:「こういう厄介事は大概情報に繋がっているのです」
ヤナギ・ササキ:にっこり笑って悲鳴の方に向かう
NM:悲鳴の出る方向に向かうとそこには……サラリマンを詰問しているギャング!
ギャング:「さっさと出せよぉ、例のもんを!持ってるんだろエーッ!」
サラリマン:「アイエエ!知りません!知りません!助けてェ!」
NM:ネオサイタマにおける一般的光景だ!
ミリセント:「うわぁ……」
ヤナギ・ササキ:「むむ。ストリートギャングの類か?やや目当てのものとは違うが……。いかがする?」
ミリセント:「止めないと!困ってるなら!」
ヤナギ・ササキ:「あはっ」
ヤナギ・ササキ:「畏まりました。それが雇い主の意向ならば喜んで~」
ヤナギ・ササキ:ベベンと琵琶を鳴らしながら歩き出す
ミリセント:後ろから心配そうに覗き込んでいる。
ギャング:「アァ?!」
NM:ギャングがキミたちに振り返る
NinjaSlayer : ヤナギ・ササキ:🎲4B6>=4 → ~2,6,5,~2 → 成功数2
ギャング:「ナンオラーッ!スッゾ!」
ヤナギ・ササキ:「なにを探しているかは知らねども、それ以上は時間の無駄であろう?」
ヤナギ・ササキ:琵琶を弾きながら男たちに話しかける
ヤナギ・ササキ:「ブツを探してる上もこんなところで管を巻くお主らを見たらなんて思うであろうな?」
ギャング:「アイエッ……!?」
ギャング:優男に凄もうとしていたギャングたちは気づく……この男から放たれる気配!
ギャング:じりじりと一歩引き、二歩引き、そして逃げ出す!「オボエテヤガレー!」
サラリマン:「はぁ……はぁ、アリガトゴザイマシタ……」サラリマンはオジギ!
ヤナギ・ササキ:「いや、なに。しかし、どうしてあのような輩に絡まれておったのです?」
ミリセント:遠くでほっとしている。
サラリマン:「自分はこのような者です」サラリマンが差し出した名刺には――『ふわふわローン サナダ』の文字!
サラリマン:「奴が求めていたのはハンコが押された手形でしょう、サイムシャなのです!」
ヤナギ・ササキ:「これはご丁寧に」
サラリマン(ふわふわローン):「あれが奪われていれば私は……ああ、恐ろしい!あなた方は命の恩人だ!」
ヤナギ・ササキ:「ははぁ。借金を踏み倒そうと。それは不心得者ですなぁ」
NM:キミたちは『サラリマン(ふわふわローン)』のコネクションを入手した!
NM:(このようにストリートを探していると稀にコネクションを獲得することができるかもしれません。)
NM:こういったコネクションもこれ以降引継ぎとなります。
ヤナギ・ササキ:「いえいえ、命の恩人などと。『持ちつ持たれつ』ですよ」
サラリマン(ふわふわローン):「まったくでございます、それとあなたがた……何かしらの情報を欲しているのでは?」サナダの目が光る!
ミリセント:「ドーモ……シスミです」遠くから近づいてきて頭を下げた。金髪が揺れる。
サナダ(ふわふわローン):「これはこれはご丁寧に」頭を下げた
ヤナギ・ササキ:「ほほう。流石は抜け目ない。内容は“コレ”次第ですかな?」指で円のマークを作る
サラリマン(ふわふわローン):「いえいえ、そう言いたいところですが……ふわふわローン、”借りたならば返す”のが社訓でして。その情報、私は知りませんが、知っていそうな場所なら知っております」
サラリマン(ふわふわローン):「裏の話題について聞きたいならば、これ、こちらの……」
NM:ミリセントたちは『バー:サンメンタイ』の場所を教えてもらった!
サラリマン(ふわふわローン):「ここであればきっと何かしらの情報があることでしょう」
ミリセント:「サンメンタイ……?」
ヤナギ・ササキ:「グラ賽の一種でしょうな。なかなか趣がある名前だ」
サラリマン(ふわふわローン):「良いでしょう、ブッダも恐れぬ名前です」
ヤナギ・ササキ:「情報ありがたく。有効に活用させていただきますよ」
ミリセント:「はい。行ってみましょう!」
ヤナギ・ササキ:「ええ」
サラリマン(ふわふわローン):「それでは」
ミリセント:三つ編みの片方をぎゅっと握りながら見送った。
NM:サラリマンとは別方向にキミたちは向かう……
◆
バー:サンメンタイ
NM:サンメンタイの中は怪しげな雰囲気で満ちている薄暗い空間だった。
NM:そこらにテーブル席があるものの、いまいち話し合っている人間の顔はうかがい知れない。
バーテン:「…………」
NM:バーテンはカウンターで君たちの方をチラとみれば無言でコップを吹く作業に戻った
ミリセント:「お邪魔します……」もそもそ呟きながら入店。
NM:明らかに慣れていない初心者の動き!バーテンの眉が細まる
ヤナギ・ササキ:へらへらと笑いながらカウンターに近づき、ミリセントの席を開けると自分も座った
ヤナギ・ササキ:「ドブロクを。ミリセント=サンは何にするでござるか?」素子を出しながら注文をする
NM:だがもう一方の男は少なくとも慣れているようである、なるほど同伴か。バーテンは視線を下に戻した
ミリセント:「えぇ……よくわかんないです。私もヤナギ=サンのと同じので……」
バーテン:「万札1だ、おたくら初めてだな? 初めての注文は出すもんを出してもらう」
バーテン:「二回目からは……後払いだ、ここのルールだ」
ヤナギ・ササキ:「む。ミリセント=サンがそういうなら構いませぬが……」
ミリセント:「あっ!お金!あります!」わたわたと万札を取り出した。
ヤナギ・ササキ:「それはしたり。郷に入っては郷に従いましょう」
バーテン:「あるなら、良い」万札を受け取ればドブロクを2つ出す
ヤナギ・ササキ:へらへらとその仕草を微笑ましく見ている。
バーテン:「それで……あんたら、何の用だ。誰かの紹介できたのか」
ミリセント:「へぇぇ~……」グラスを手に取って眺めている。
ヤナギ・ササキ:「ええ。サナダ=サンからの勧めで」
ヤナギ・ササキ:ドブロクを口に含みつつ応える。同時にミリセントの様子もうかがっている
バーテン:「ほぉ、あの人が」意外そうな顔をした「珍しいもんだな」
バーテン:同じくミリセントの様子をうかがっていた、明らかに未成年!
ヤナギ・ササキ:「こちらのミリセント=サンが引き寄せたご縁がありましてな」
ミリセント:「それじゃあ一口……」グラスに口を付けた。
バーテン:「…………」
ミリセント:本で読んだことがある。こういうバーでは、注文して、お酒をぐいっとやってから、お話をするものだ。
バーテン:バーテンはさりげなく、そっとタオルを用意した
ミリセント:ミリセントはそう考えて、
ぐいっ。
ヤナギ・ササキ:(わくわく)
ミリセント:グラス一杯分のドブロクがミリセントの口の中に溜まる。
ミリセント:味を感じる前に、喉が無意識に動いてそれを受け入れて……
爆発した。
ミリセント:「──────ッッッ!!!」
ミリセント:形容しようのない、無理やり書き起こすなら「え"ふん”っ」という声を上げて、そのまま口を覆って前かがみになっている。
ヤナギ・ササキ:「ぶほっ」
バーテン:ほらきた、とばかりの顔でタオルを出す
ヤナギ・ササキ:爆笑している
ミリセント:「……!!」机を繰り返し叩いた。レスリングにおける降参の合図めいて。
NM:店内にミリセントの声が響けば視線がカウンターに集まる
NM:そして、微かな、侮蔑の笑いが微かに漏れてから再び静かになっていった
バーテン:「拭きな」
ミリセント:口を覆って申し訳程度の防音を行っているが、すごい勢いで喉の奥からえふっおふっとくぐもった声が聞こえていた。
ミリセント:「……ぃ……」細かく頷きながらタオルを受け取る。
ヤナギ・ササキ:「はーっ、酒の失敗など誰しもするものです。気になさるな」ひとしきり笑ったとそう言って慰めた。それからまたちょっと笑った
NM:バーテンはヤナギを見つつ眉をひそめている
バーテン:「ガキのおもりにも相応しい場所があるだろう?」どうにもヤナギがミリセントを連れまわしているように見えたのだ
ミリセント:完全にしょんぼりしている。
ヤナギ・ササキ:「それは違いますな。拙者は彼女に雇われた身。子守りなどではありませぬし、事態は急を要している」
バーテン:「ほぉ? まあ、オレは何でもいいんだが」
ヤナギ・ササキ:「サインゴースト」
バーテン:「ふん、なるほどな」
ヤナギ・ササキ:「情報が欲しい。それそのものでなくても、探しているヤクザがいるとか。時間がないので急いでおる」
バーテン:知っているような素振りである「お前さんらもそっちのクチか」
ヤナギ・ササキ:「“も”とは?」
バーテン:「それ以上は、そうだな。交渉次第というわけだ」
ミリセント:ヤナギに下から視線を向けた。
NinjaSlayer : ヤナギ・ササキ:🎲3B6>=4 → 4,5,5 → 成功数3
ヤナギ・ササキ:「では、一曲シツレイして」
バーテン:「……ほう?」
ヤナギは手にした琵琶をつま弾く。
これまでのものとは違い、激しい曲調ではなく穏やかなそれでいて心に訴えかけるような琵琶バラードだ。BARに心地よいアトモスフィアが満ちる
ミリセント:「わぁ……」気がつけば、両手を合わせて左右にゆらゆらとリズムを取っている。
バーテン:「………ほぅ……」バーテンの表情が和らぐ
ヤナギ・ササキ:リズムを取るミリセントを見てはわずかに微笑む
バーテン:「芸は確かなようだな」コップを磨く
ヤナギ・ササキ:「琵琶法師を名乗っている身でしてね。少しでもお客人たちに楽しんでもらえたなら幸い」
バーテン:「プロか、なら報酬を払わなければならん。お前はそれだけのワザマエを持っていた」
バーテン:「そうだな……サインゴーストについてか」
ミリセント:ミリセントはドブロクの入っていたグラスを持ち上げ、睨みつけながら聴いている。
バーテン:「あるヤクザクランの一人が被害にあった」
バーテン:「そのアダウチのために派手に探し回ってるってことは周知の事実だ」
ヤナギ・ササキ:「ええ」そこまでは聞いた話だ
バーテン:「それで……知りたいのはその先だろう」
バーテン:「そのヤクザクランにアポイントを取ってやる」
バーテン:「後は知らん、そこまでが報酬だ」
ヤナギ・ササキ:「十分でござるよ。それから先は彼女の天運次第でござる」
バーテン:「そうだな。それと、ここから先はおまけだ、お前の技量へのな」
バーテン:「コネクションについて、あまりよく知らないだろう」
バーテン:「コネクションがある相手とは連絡を取り合うことができる、友誼を深めればそうだな。交渉がしやすくなったり、あとは自分の技能や知識について教えてもらったり、そういったことができる」
NM:更に、キミたちは『コネクション:バーテン』を獲得した。
バーテン:「………ということだ、わかったな?」
ミリセント:「わかりました!」
ヤナギ・ササキ:「勉強になりますなぁ」
NM:バーテンは電話を取って誰かと話してから君たちを見る。
バーテン:「コネクションが取れた、お前たちと会うそうだ」
ヤナギ・ササキ:「では、早速参りましょう。『時はコーベインなり』です」
ミリセント:「……!」少し緊張する。
ヤナギ・ササキ:「なに。そんなに緊張しなくとも超然と構えていればいいのです」
バーテン:「ああ、そうだ。言い忘れた」
ヤナギ・ササキ:「やや?」
バーテン:「クランの名前を覚えておくといい」
バーテン:「ブラッドカタナ・ヤクザクラン」
バーテン:「ボスの名前はグレーターヤクザのキヨシだ」
ミリセント:「……はい!」
◆
NM:ブラッドカタナ・ヤクザクランの入り口で二人をヤクザが出迎えた
ヤクザ:「名前は」
ヤナギ・ササキ:「どうぞ、ミリセント=サン。貴女には余人にはないアトモスフィアがある。堂々となさればよい」小声でミリセントに言う
ミリセント:「……」ヤナギを一瞥し、頷いて進み出る。
ミリセント:「ドーモ、ミリセントです。」
NinjaSlayer : ミリセント:🎲3B6>=4 → ~2,~1,~2 → 成功数0
ミリセント:胸に手を当てて、ヤクザを真っすぐに見つめている。
ヤクザ:「…………」ちら、と子供を見た(ガキか……)といった目だ
ヤクザ:「こっちです」ヤナギに向けてお辞儀をする
ヤナギ・ササキ:「ドーモ。ではミリセント=サンどうぞ」
ヤナギ・ササキ:ミリセントに道を譲りあくまで自分は後ろにつく
ミリセント:鷹揚に小さく頷いて進みだす。
ヤクザ:ヤクザはその行為については何も言わなかった。ただ彼の前にいる子供からはソンケイを感じないだけだ
ヤナギ・ササキ:「良き名乗りでした。声も震えておりませんでしたし、まっすぐに見ていた」
ヤナギ・ササキ:まずはそれでよい。恐怖や卑屈さはやがて彼女の足を引っ張ることになるだろう。今のうちに解消できるならそれに越したことはない
ミリセント:「…………」ヤクザに気取られないように、もう一度だけ頭を下げた。
ヤクザ:「あんたらが何を考えてるかは知らねえが、忠告しておくぜ」
ヤクザ:「今、ボスは気が立っている」
ヤクザ:「当然だ、前に1件ウチのもんが斬り殺されて……更にさっきもう1件だ」
ヤクザ:「ウチのソンケイは地に堕ちたようなもんだ、ただでさえソウカイヤのせいで地盤が揺らいでるっていうのに」
ヤナギ・ササキ:「忠告どうも」
ミリセント:「覚悟の上です」
ミリセント:「それをなんとかするために、来ました」
ヤクザ:「そうかい」期待してない声だ「ま、ウチにもセンセイが付いたんだ。なんとかなりゃ良いんだが……」
ヤナギ・ササキ:「それはそれは」
ミリセント:「センセイ……」
ヤクザ:「あ、トイレ行くか?チビって絨毯を汚されたら叶わねえ」侮蔑ではなく純粋な心配であるようだ
ヤナギ・ササキ:「いえ。先ほど済ませましたので」
ヤクザ:「それならよかった、うちもすっかり寂しくなっちまった。前はオイランを囲ってたってのによ……」
ヤクザ:「ソウカイヤだ、ソウカイヤが悪いんだ畜生め……」
ヤナギ・ササキ:「絨毯が汚れるようなことがないと良いですねぇ」血は洗い流しても落ちないのが困りものだ
ヤナギ・ササキ:「・・・」
ミリセント:このヤクザも、そしてヤナギ=サンも出した言葉。
ミリセント:ソウカイヤ。
ミリセント:口ぶりからして、あまりよく思われてはいない……
NM:三人は扉の前についた、ヤクザが扉をノックする
ヤクザ:「ボス!来ました!例の客人です!」
キヨシ:「通せ」
ヤクザ:「ハイ!」
ヤクザ:ヤクザが扉を開けて一礼する「入んな、心配いらねえよ。客人を囲んで袋なんてしねえからさ」
ミリセント:「ドーモ」
ヤナギ・ササキ:「それはありがたい」面倒が減る
ミリセント:勇気を振り絞って、なんでもないように歩き出す。
NM:部屋には壁沿いに数人のヤクザがおり、その奥には威圧的なアトモスフィアを醸し出す男が一人、グレーター級のヤクザだ!
NM:男は入室者二人を見れば眉を顰める!
キヨシ:「……! ニンジャだと?! 手前ら……ソウカイヤか?!」
NM:室内が急激にざわめく!
ミリセント:「ドーモ、」合掌する。「ミリセントです。ソウカイヤではありません。」つとめて冷静に。
ミリセント:「こちらはヤナギ=サン。ヨウジンボーです」手で示す。
ヤナギ・ササキ:「(ふむ)」ミリセントをちらと見る。ひとまずミリセントに任せてみよう
ヤナギ・ササキ:「ドーモ、ヤナギ・ササキです」
キヨシ:キヨシは疑わしげな眼で見た、しかしながらここで一方的に攻撃を加えればソンケイに関わる!
キヨシ:「悪かった」頭を振りながら椅子に座りなおした「ナーバスになってやがるんだ」
ミリセント:「いえ」気にしていないと示す。「お気持ちはわかります」
キヨシ:「オレはキヨシだ………で、手前ら……例のオバケのなんだ? 何を知ってるんだ?」身を乗り出す、その目が爛々と光っていた。慎重さと、怒りだ
ヤナギ・ササキ:「ミリセント=サン、お手のサインを」
ミリセント:「はい」右手を示す。そこには奇妙な文様。
キヨシ:「サインだと」キヨシが一歩引く
NM:サインを見たヤクザたちがぎょっとした顔で総員身を引いた!
キヨシ:「……確かめろ」
ヤクザ:「ヘイ」ヤクザが頷く「失礼するぜ」ミリセントの手の甲を探って頷いた「ボス、本物です!」
ミリセント:「……わかっていただけましたか」
キヨシ:「疫病神だな」ふーっと椅子に座り込む「だが、悪くはねぇ」
ヤナギ・ササキ:「御覧の通り、貴方方のクランメンバーを殺した者は必ず彼女を狙って現れる」
ヤナギ・ササキ:「それから、奴を斬る方法がこちらにはある」
キヨシ:「なに?」訝し気にヤナギを見る
ミリセント:「サインゴーストに関して知識を集めることが出来れば、解決できる確率はさらに上がります!」
NM:キヨシは二人を交互に見て、座り込んだ
キヨシ:「はン、悪いが……もう少し早くに来てれば聞いたかもしれねえ」
ミリセント:「!?」
ヤナギ・ササキ:「センセイとやらですか。随分自信があるようだ」
キヨシ:「だが今はもういい、そっちのガキを置いていくといい。オレたちに必要なのはサインだけだ」
ヤナギ・ササキ:「そうはいきませぬ。拙者の雇い主はミリセント=サンであって貴方がたではない」
ヤナギ・ササキ:「(それに俺の目的のためにも引くわけにはいかない)」
キヨシ:「そうか、ならそこにいてもいい。お前たちには期待はしていねえ」
キヨシ:「オレ達だ、オレ達だけの手でやる」
ミリセント:「……そうですか」
ヤナギ・ササキ:「ソンケイのためですか」
NM:キヨシは真っすぐにミリセントを見た
キヨシ:「そうだ」
キヨシ:「そっちの兄ちゃんは少しはできるかもしれねえが……ガキの手を借りたなんてあれば、例え相手がニンジャでもソンケイに関わる」
ミリセント:「……」
キヨシ:「良いんだ、オレ達がやる。お前は」ミリセントに目を細める「そこにいればいい、ゴーストを呼び寄せればな」
ヤナギ・ササキ:ミリセントを見る。ニンジャとして生きていくならばこういった鉄火場に巻き込まれる機会はこの先にいくらでもあるだろう。そこに生を見出すかどうか。それは彼女自身が決めることだ
キヨシ:「それともなんだ、ガキじゃねえとでもいうか? どうなんだ?」NM:ミリセントの前には、ヤクザがいる
ヨタモノではない、ヤクザという生き物、その中でも指折りの精神を持つグレーターヤクザがその気を直接ぶつけてきているのだ
NinjaSlayer : ミリセント:🎲3B6>=4 → ~1,6,~2 → 成功数1
ミリセント:「…………」ミリセントは深く、深く俯いて、顔を上げた。
キヨシ:「………」キヨシが目を細める
ミリセント:「お気遣い感謝しますわ。キヨシ様」
ミリセント:泰然とした笑みがあった。
キヨシ:キヨシの瞳が揺らいだ
ミリセント:数百、数千年咲き誇った彼岸花めいて、危険かつ揺るがない毒花の気配。
ミリセント:「しかし、こちらも何もせず指をくわえてみているだけ、ということはできません。」
ミリセント:「ソンケイ、と呼ぶのでしょう?」
ミリセント:「我々にも譲れぬものはありますわ。メンツとソンケイを重んじるあなた方なら、それは一番わかっているはず」
ミリセント:「我々のメンツを立てず自分たちのソンケイだけ保とうだなんて、ねえ?」
キヨシ:「………何が言いてぇ」
キヨシ:「おめえにもメンツがあるってことか?エエッ?」
ミリセント:「ありますわ。」
キヨシ:「どんなメンツだ、言ってみろ……手前が何者かをよ!」
ミリセント:「私(わたくし)はミリセント。オジョウサマ社の社長。」
ミリセント:「いずれメガコーポの上に立ち、ネオサイタマに君臨する者ですわ。」
どうぞよろしく。と一礼する。
古式の恭しい礼である。
煤汚れた肌も、ところどころ綻びた学生服も。ミリセント自身のアトモスフィアで化粧し、着飾る!
キヨシ:「!」
バカげた宣言だ!あまりにもバカげている!
だが――笑えない!今のこの少女には”凄味”がある!
さっきまでガキに見えた少女が、今やはるかに大きく見える!
キヨシは額に浮かんだ冷や汗を拭った!
キヨシ:(バカな……ソンケイを感じるだと!)
キヨシ:(オヤブンの俺が、このガキに! ソンケイを感じているだと!)
ヤナギ・ササキ:「くくく」
ヤナギ・ササキ:「あはは!」
なるほど、これか。自分が感じていた既視感の正体をようやく掴んだ
こいつは危険だ。
かつて見た二振りの魔剣によく似た危険な輝き!
だからこそ面白い。
ヤナギは心からの笑みを深めた
キヨシ:「………そうかよ」キヨシがじりと引き下がる、だが一歩で踏みとどまった
キヨシ:キヨシはグレーターヤクザだ、ソンケイがあるのだ。ここで完全に譲歩してはヤクザをやっていられないのだ
キヨシ:「でも手前らには……」
大柄な男:「実績がない、だろう」
ミリセント:「!」
NM:キヨシの背後に現れる男!
NM:大柄で、そのメンポの裏から鋭い眼光が除く存在――ニンジャ!
◆ブラックマンバ(種別:ニンジャ)
カラテ 4 体力 7
ニューロン 4 精神力 4
ワザマエ 4 脚力 3
ジツ 3
攻撃/射撃/機先/回避 7/7/4/4
◇装備や特記事項
『カナシバリ・ジツLv3(発動ダイス10)』『ニンジャソウルの闇(3)』
『ダークカラテ・エンハンスメント(近接攻撃・スリケンのダメージに無属性1を付与する』
大柄な男:「ドーモ、ミリセント=サン。ヤナギ=サン。」
大柄な男:「ブラックマンバです」
ミリセント:「ドーモ。ミリセントですわ。」
ヤナギ・ササキ:「ドーモ、ブラックマンバ=サン。ヤナギ・ササキです」
キヨシ:「セ・・・センセイ!」
ブラックマンバ:「実績がない、こいつらにゴーストと戦えるだけの信用がないというのなら」
ブラックマンバ:「作ればいい、これから」
ヤナギ・ササキ:「これはしたり。では実績造りにご協力をお願いしても?」
ブラックマンバ:ブラックマンバは軽くヤナギを見た「元からそのつもりだ。来い」
ミリセント:「どうも。」微笑んで立ち上がる。
ヤナギ・ササキ:「拙者もいつまでも遊んではいられませぬな。なにせ拙者は未来のネオサイタマの支配者のヨージンボーで候」
ミリセント:「その通りですわ」くすくすと笑った。
ブラックマンバ:「ヤルキは十分というわけだな」
NM:ブラックマンバは獰猛な笑みを浮かべる!
ブラックマンバ:「キヨシ=サン、こやつらが十分に打ち合えると判断すれば認める、それでいいな!」
キヨシ:「ハイ!」
ミコチ:「準備はできたようだねェ!」
NM:電算室からスピーカーに乗せて声が聞こえてくる!
ミコチ:「2ターンの間で旦那とやりあいな!」
ブラックマンバ:「シュー………」
NM:ブラックマンバが脱力する、その瞳が2人を見据える!
ブラックマンバ:「行くぞ」
◆戦闘開始◆
NinjaSlayer : ブラックマンバ:🎲4B6>=4 → ~3,4,~2,4 → 成功数2
NinjaSlayer : ブラックマンバ:🎲7B6>=4 → ~2,~1,6,5,~2,~3,~1 → 成功数2
NinjaSlayer : ヤナギ・ササキ:🎲6B6>=4 → ~3,~1,5,4,~2,6 → 成功数3 → カウンターカラテ!!
NinjaSlayer : ブラックマンバ:🎲2B6>=4 → 6,~3 → 成功数1
ブラックマンバ:室内と舐めるように移動しつつ、前衛のヤナギに接近!
ブラックマンバ:「イヤーーッ!!」鋭い抜き手!
ヤナギ・ササキ:「イヤーッ!」抜き手を琵琶の頭で突き上げるようにして弾く。そしてそのまま琵琶を振りぬいて反撃!
ブラックマンバ:「ヌゥッ!」下段からのカウンターにブリッジ回避!「やる!」
ヤナギ・ササキ:「なんの。まだまだこれからでござる」
NM:ニンジャの熾烈なイクサをモニタールームで確認するヤクザ達が興奮組に画面を見やる!
キヨシ:「ヤナギ=サンの方はやはり相当に場慣れしてるな……シノダ、どうだ?」
シノダ:「………! いや、もっと見せてくれ……」
NinjaSlayer : ミリセント:🎲6B6>=4 → 6,4,6,~3,4,~3 → 成功数4 → サツバツ!!
NinjaSlayer : ブラックマンバ:🎲1B6>=4 → ~2 → 成功数0
ミリセント:「いきます!」ミリセントがヤナギの背後から現れる! 小柄な体躯を利用した奇策だ!
ブラックマンバ:「なに!」振り返る、そこには…ミリセント!「ジツ持ちか!」
ミリセント:「イヤーッ!」そして何か……銀色の球体をブラックマンバの足元めがけ投げ放つ!
ブラックマンバ:注意を搔い潜りつつ不意打ちを仕掛けるとは!なんのジツかとの思考が回避の邪魔をした!
ブラックマンバ:「グワーッ?!」
ミリセント:PON!間抜けな音と共に、銀色の球体……アルミホイルに覆われたピンポン玉からもうもうと煙が湧きたつ!
ブラックマンバ:「オノレーッ!煙幕とは!」
ミリセント:「それだけではありませんわ!」煙の中にうごめく……黒い影!直前まで煙幕に身を隠し悟らせなかった、本命のジツである!
ブラックマンバ:手を振って小癪な煙幕を振り払わんと左右を見回す!アルミホイルがまぶしい!
ミリセント:ブラックマンバの足元を捕捉する影!危険なスネア・トラップである!
ブラックマンバ:眩む視界で目をつむった瞬間、足元に影が張り付いた「グワーッ?!」
ヤナギ・ササキ:煙幕の外でヤナギは目を閉じた。煙幕の影響で見えぬならもとより閉じてしまえばいい。
ミリセント:「ヤナギ=サン!」
ヤナギ・ササキ:相手は今足を取られている。その気配に向かって……琵琶を振りぬく!
ヤナギ・ササキ:「おうよ!」
ミリセント:即席、即興のコンビネーションだが……今の状況なら上出来か!
NinjaSlayer : ヤナギ・ササキ:🎲6B6>=4 → ~1,4,~2,~3,4,~1 → 成功数2
NinjaSlayer : ブラックマンバ:🎲3B6>=4 → 6,6,5 → 成功数3
ヤナギ・ササキ:「イヤーッ!」勢いよく琵琶を振るう!
ブラックマンバ:「ヌゥーッ!」思うように動きがとれぬ中に迫るカラテ!
ヤナギ・ササキ:強襲を仕掛けた琵琶がブラックマンバに激突せんとした瞬間! ブラックマンバの関節がぐにゃりと歪む!
ヤナギ・ササキ:「この動き、蛇か!」
ブラックマンバ:「カァッ!」下からねじり上げるようなカラテ!「イヤーッ!!」
ブラックマンバ:下半身を固定しつつ恐るべき身体能力でヤナギの攻撃の隙間にねじ込んだのだ!
ヤナギ・ササキ:「グワーッ!」カウンターが突き刺さり打ち上げられる! だが、咄嗟に琵琶を振り回して煙幕の渦を起こしその向こうに逃れる
ブラックマンバ:追撃を……しかし影が行動を阻害する!「オノレーッ!」
ミリセント:「ヤナギ=サン!大丈夫ですの!?」
ヤナギ・ササキ:「アイタタ。ええ、大丈夫です。相手もやるものですなぁ」
ヤナギ・ササキ:ヤナギはちらと琵琶を見る。その柄にはわずかに切れ目が走っている
ヤナギ・ササキ:「果し合いだったなら抜かねばならなかったでしょうな」
キヨシ:「ミリセント=サンのジツ……大したもんだ、だがセンセイも本気になるぞ!」
NM:2ターン目
NinjaSlayer : ブラックマンバ:🎲10B6>=4 → 4,4,~2,~1,~1,6,6,6,~2,~1 → 成功数5
NinjaSlayer : ヤナギ・ササキ:🎲5B6>=5 → 5,6,~3,~2,~3 → 成功数2
ミリセント:ev3@h
NinjaSlayer : ミリセント:🎲3B6>=5 → 6,6,~4 → 成功数2
NM:ブラックマンバがメンポに手を掛けて……上げる! その奥から見えるはまごうことなき蛇の瞳!
ブラックマンバ:「イヤーッ!カナシバリ!」眼光!
ミリセント:「煙幕の中へ!」
ヤナギ・ササキ:「おう!」
ミリセント:「視線を通す必要のあるジツなら、煙で散らせますわ!」
ミリセント:どこから出た知識かはわからない。ニンジャとしての本能か。
ヤナギ・ササキ:咄嗟に煙に逃れれば視線の力は拡散する。これは……アルミ箔の欠片か
ヤナギ・ササキ:「ここまで読んでいたのか。いやはやどうして」
ブラックマンバ:「機転を利かせるとは!」
キヨシ:「あそこまでの手練れとは!」
ミリセント:「ふふ……当然すべて計算ずくですわ!」
ミリセント:当然すべて計算ずくではない。
NinjaSlayer : ミリセント:🎲3B6>=3 → 3,5,~1 → 成功数2
NinjaSlayer : ブラックマンバ:🎲2B6>=4 → ~1,4 → 成功数1
ミリセント:「イィヤーッ!」煙幕と影の触手に紛れ、駆ける!手には生成したクナイ!
ミリセント:上に跳躍し、握り込んだクナイの先端を振り下ろす!
ブラックマンバ:「!」影が解けた瞬間ミリセントの方を見た!
ブラックマンバ:「イヤーッ!」指二本による白羽取り!
ブラックマンバ:「太刀筋もそれなり!よし!」
ブラックマンバ:「懐に飛び込む度胸も十分!」
ミリセント:「くっ……!」地力の差か、刺突を受け止められ止まるしかない!
ブラックマンバ:「さぁて……」そのままヤナギに見合う!「来い!」
ヤナギ・ササキ:正面、大上段に構えて床を砕くように巨大琵琶を振り下ろす
NinjaSlayer : ヤナギ・ササキ:🎲6B6>=4 → ~2,~1,~2,6,4,~1 → 成功数2
NinjaSlayer : ブラックマンバ:🎲2B6>=4 → 4,~1 → 成功数1
ヤナギ・ササキ:「イヤーッ!」
ヤナギ・ササキ:剛直一閃!煙幕を吹き飛ばす衝撃が事務所に走る!
ブラックマンバ:大上段の一撃を受けんとして――「!」アヤウイ!咄嗟の判断で後退!
ブラックマンバ:「ここまでのカラテとは!」
ブラックマンバ:見誤ればただでは済まなかった!ブラックマンバが息をのむ!
ヤナギ・ササキ:「さて。そちらさまも殺し合いを為さるつもりはない様子。ならば見せられるのはカラテの勢いのみ」
ブラックマンバ:「そのようだ、俺は十分にカラテを試した」
ヤナギ・ササキ:「少しはお眼鏡に叶いましたかな?」
ブラックマンバ:「決めるのはクライアントだ」
ヤナギ・ササキ:「それはしたり」
ミリセント:「ふーっ……」大きく呼吸して、疲労を悟られないように背筋を伸ばし直した。
NM:扉が開き、キヨシが出てきた。真剣な瞳をしている。
キヨシ:「………。 大したもんだ、オレの目が曇っていた」
ミリセント:「いかがかしら。」あくまで余裕、といったポーズをとる。
キヨシ:「あんたらの力は……本物だ」
キヨシ:「”サインゴースト”にも勝てるかもしれねぇ……これなら……」
NM:キヨシが助力を申し込んだその時である
シノダ:「待てや」
NM:奥からもう一人の男が出てくる、カタナを持ち、剣呑な雰囲気を携えて……その瞳が睨むようにヤナギを見ている
ミリセント:「……!」
シノダ:「確かに俺も見た、本物だ。だが……何もんだ、お前さん」
ヤナギ・ササキ:「はて。拙者は見ての通りただの流れの琵琶法師でござるが」
シノダ:「オレの目は誤魔化せねえ、二度も見たんだ……あのオバケの太刀筋を」
シノダ:「似通うもんだ、間違いねえ……お前、あのオバケとどんな関係だ」
ヤナギ・ササキ:「・・・」
ミリセント:「ヤナギ=サン……」
NM:シノダの額には汗がにじんでいた。ヤナギのことを凄腕と理解しているのだ。だが、それはそれとして見過ごせない一点であった。この男の素性を聞かずしてアダウチには加えられないというヤクザの使命感だった
ヤナギ・ササキ:「良い目をしているな。誤魔化すためにわざわざ琵琶なんぞ振り回しているというのに」
シノダ:「ただのボンクラなら気づかねえ。気づいたのはあんたの太刀筋がタツジン級だからだ。だからこそ、あんたぐらいの奴がなぜあのゴーストと似た太刀筋をしている……?」
ヤナギ・ササキ:「別に隠してたわけじゃない。ただ弾き語るにはつまらない話ってだけだ」
ヤナギ・ササキ:「よくある昔話さ。身内から出た発狂フリークにドージョー一門とその村をやられ、残った最後の一人が仇討ちをする……ただそれだけの話だ。お前さんらと何も変わらん。俺は奴を斬、それでしまいにする。それだけだ」
シノダ:シノダは深い息を吐いた「………悪かった。そういうことなら……何も言えやしねえ」
ミリセント:「…………」
キヨシ:「アダウチってわけかよ……それを先に言ってりゃ……いや、すまねえ」
ヤナギ・ササキ:「・・・。気になさるな。つまらない話でござったろう?」
ヤナギ・ササキ:表情に笑顔が戻る。張り付いた、刻まれた笑顔だ
キヨシ:「ああ、いや……ともかくだ、こっちからも頭下げさせてもらう」
キヨシ:「頼む、サインゴーストへのアダウチ……お願いしてぇ」
ミリセント:「もちろん」
ミリセント:「我らオジョウサマ社、全力を尽くさせていただきますわ」
ヤナギ・ササキ:「もとよりそういう契約でござる」
キヨシ:「助かる、あんたら。宿はあるか?」
キヨシ:「ないならタタミの部屋がある、使ってくれ」
ヤナギ・ササキ:「お言葉に甘えましょう」
ミリセント:「ん……」一瞬隠れアジトのUNIXのことが頭をよぎったが、PHSの存在を思い出した。「ええ。そういたしましょう」
キヨシ:「よし。おい」
NM:キヨシが指示を出すと現れる2名のスモトリ!
ミリセント:「でか……」小さく呟いた。
キヨシ:「センセイ方をお連れしろ」
スモトリヤクザ:「ドッソイ!」
NM:スモトリたちは2人を和室へと案内した
スモトリヤクザ:「ここを拠点に使ってくれ、買い物も自由だ」
ヤナギ・ササキ:「どうも」
ミリセント:「感謝しますわ」
NM:スモトリたちはフスマを閉めてドスドスと事務所へと向かった――
◆
NM:作戦会議があること、その前にマーケットにでも行ってくると良いと万札10枚を握らされたのはその夜のことであった。
NM:このカネは消耗品等に使用できる。
NM:では2名は体力・精神力を最大まで回復できる。
ミリセント:ミリセントは疲れてパタンと寝た
ヤナギ・ササキ:ヤナギはミリセントにフートンを掛けてやると、窓の向こうの重金属酸性雨に歪む街を眺めた。結局三人で見ることのなかった景色。
ヤナギ・ササキ:「お前にはこの街はどう映った?モミジ=サン」
NM:誰も、何も答えることはない。けれどもヤナギは、確かに、モミジだった誰かがもうすぐ近くにいることを感じ取ることができるだろう。
NM:理屈ではなく、魂で。
ヤナギ・ササキ:「あと少し。あと少しでようやく会える。そして」
ヤナギ・ササキ:「ようやく終わらせてやれる」
その顔に浮かぶのは怒りではなく、ただ哀しみと悔恨だけ
◆
翌日 事務所内
キヨシ:「眠れたか?」
ミリセント:「ええ、ありがとうございました。」一礼して答える。
ヤナギ・ササキ:「ええ。それはもうおかげさまでぐっすりですよ!屋根の上で寝るのは久々でござった」
キヨシ:「そうか、それならいい。体調が万全でねえとな」
NM:一同は机に座りつつもブリーフィングを行おうとしていた。
キヨシ:「まず、ゴーストについてあんたらは何か知ってるか?」
ミリセント:「付近で噂になっていることは。」
ヤナギ・ササキ:「犠牲者は印をつけられ、翌日から七日後以内に惨殺される。そして、周囲にいた者もみな巻き込まれる」
キヨシ:「そうだ、俺たちの部下もそれで大部分が殺されてやがる」
キヨシ:「だから調べた、ゴーストの行動パターンをな」
キヨシ:「まず、ゴーストは対象を指定してその手の甲にサインを刻む」
キヨシ:「このタトゥーは消すことが出来ねぇ、手術しても必ず浮いてくる」
キヨシ:「そうだな……例えて言えばスクリーンに投射してるみてえに、わかるな?」
ミリセント:こくこく。
ヤナギ・ササキ:「したり。実に分かりやすい喩でござるな」
キヨシ:「そして不思議なことだが、そこから数日は何も起きねえ」
キヨシ:「本当にな、何も起きねえんだ。身の回りで怪現象が起きるとかもねぇ」
ヤナギ・ササキ:「ふむ」
ヤナギ・ササキ:「多くのオバケは人を怖がらせて楽しむというがそういうことはしないのでござるな」
キヨシ:「ああ、すぐに殺すわけでもない。不気味だがそういうもんだろう」
キヨシ:「そしてだ、そいつはサインをつけたものの傍に現れる。7日以内にな」
ミリセント:「……!」
キヨシ:「長くて7日だ、知り合いのマッポに当たらせてみたがそれ以上はねえ」
キヨシ:「現れたゴーストは周りを切り刻みながらサインを刻んだ相手を殺しに行く、一直線」
キヨシ:「このゴーストに攻撃をしてみたが……手ごたえがなかった、拳銃で撃っても何をしても素通りだ」
ヤナギ・ササキ:「ほう。既にやり合って生き残った者がおったとは」
ミリセント:「銃弾が?」
キヨシ:「ああ、そこのシノダ=サンと……チャカでな、だがダメだった」
キヨシ:「ターゲット以外には興味がねえんだよ」
キヨシ:「その他はいれば斬られるようだがそれさえ回避すりゃ生き残れる」
キヨシ:「だが、ターゲットだけは何が何でも殺しに行くようだ」
ヤナギ・ササキ:「ふむ。となると、囮で気を引くことは出来なさそうでござるな」
ヤナギ・ササキ:「当然囮は拙者がなるわけでござるが」
ヤナギ・ササキ:「(一本気なところはらしいといえばらしいが、無駄が多いのはまったくらしくない)」
ミリセント:「まっすぐ、私のものへ来ますのね」
キヨシ:「ああ、だからミリセント=サンは逃げろ」
キヨシ:「ターゲットが死んだ段階で、ゴーストは消える。必ずな」
キヨシ:「アダウチをするなら現れてから、ターゲットが死ぬまでの間だ」
ミリセント:「出来る限り、逃走と……」
ヤナギ・ササキ:「確かにそれが良さそうでござるな。なにより」
ヤナギ・ササキ:「拙者はミリセント=サンの身の安全を優先する。そういう約束でござる」
ヤナギ・ササキ:「アダウチは拙者の都合。約束を反故にするに値せぬ」
キヨシ:「次に俺たちは頭を悩ませた、物理的に攻撃が通らないならどうすりゃいいんだ?」
ヤナギ・ササキ:「なにか方法が見つかったと?」
キヨシ:「ゴーストにダメージを通す……その方法を持っているのが、センセイだ」
ミリセント:「もしや、カナシバリで?」
キヨシ:「ゴーストが精神的なものなら、コトダマを介してダメージを与えることができるかもしれねえ。オレはよく分からねえがな」
キヨシ:「そしてもう一つ……方法がある」
NM:キヨシは部下にアタッシェケースを持ってこさせた。
ミリセント:「……?」
キヨシ:「ウチに代々伝わるレリック、ブラッドカタナ……」
キヨシ:「話によりゃ、エド時代のヤクザがこいつでオバケを斬ったことがあるらしい」
ミリセント:「ブラッドカタナ……」
ヤナギ・ササキ:「それは霊験あらたかでござるな」
キヨシ:「こいつをシノダ=サンが使おうって手筈だった、だが……」キヨシはシノダを見る
シノダ:「そうだ。だが……オレより相応しい奴がいる」
シノダ:「ヤナギ=サン、あんただ」
ヤナギ・ササキ:「……承けたろう」
ヤナギ・ササキ:「アレの相手は常人には厳しい。拙者が相手を致す」
ミリセント:(そういえばヤナギ=サンは、ここで話を聞く前から随分詳しいような……)
シノダ:「そう言ってくれると思っていた」頷く
シノダ:「オレァこいつを振ったことはねえが、あんたなら扱えるはずだ」
シノダ:「頼んだぜ、ヤナギ=サン」
ヤナギ・ササキ:「クランの象徴。確かにお預かり致す。必ずやクランメンバーの無念は晴らして見せよう」
キヨシ:「オレたちにできるのはこれぐらいだ」
キヨシ:「あとはミリセント=サンの周囲にオバケが出たら……だ」
ミリセント:「……はい」
ヤナギ・ササキ:「おう」
キヨシ:「…………」
シノダ:「………」
ミリセント:「………」
ヤナギ・ササキ:「………」
ヤクザ達:「…………」
キヨシ:「……うし、飯食いに行くか!」頬を張る
ミリセント:「エッ」
キヨシ:「いつ出てくるか分からねえんだ、ここで消耗しても仕方ないよな?」
キヨシ:「ミリセント=サンにこの前のワビも兼ねて奢らなきゃならねえ」
ヤナギ・ササキ:「それもそうでござるな」
ミリセント:「え、えぇ……そんな、私」言いかけて、首を振る。
ミリセント:「とてもありがたい提案ですわ。ヤナギ=サンも賛成のようですし、お世話になろうかしら」
キヨシ:「どこが良い?中華か?和食か?スシ・テンプラ、食ったことはあるか?」
キヨシ:キヨシは無理にテンションを上げたような笑顔で受話器を取ろうとする
ミリセント:「スシ・テンプラ!?スシをわざわざテンプラにしますの!?」
ミリセント:ミリセントの思わず飛び出た絶叫も響く。
ヤナギ・ササキ:「あはっ。ではそれをお願いしよう」
キヨシ:「旨いんだぜ」
ヤナギ・ササキ:「……。拙者の弟もそういった変わったメニューが好きでござったのを思い出す」
ヤナギは笑った、シノダも、ヤクザたちからも笑い声が響く
机の上のゴーストが、カタナを振った
◆狂えるゴースト (種別:モータル/超常存在)
カラテ 4 体力 -
ニューロン 8 精神力 4
ワザマエ 4 脚力 3
ジツ 1
攻撃/射撃/機先/回避 4/8/4/-
◇装備や特記事項
『●範囲攻撃:自分を中心とした5×5』『●ゴースト』『◉タツジン:イアイドー(衰)』
NinjaSlayer : 狂えるゴースト:🎲5B6>=5 → ~2,~2,~2,~4,5 → 成功数1
NinjaSlayer : ミリセント:🎲3B6>=4 → 6,~3,~3 → 成功数1
NinjaSlayer : ヤナギ・ササキ:🎲6B6>=4 → ~1,~2,4,5,~1,5 → 成功数3
ヤナギ・ササキ:「!」
ミリセント:「え?」
NM:瞬間、ミリセントの視線の高さに一閃が走る
ミリセント:「──────ッ!」
ヤナギ・ササキ:「イヤーッ!」咄嗟にブリッジ回避! ミリセントを気に掛ける暇もなかった!ウカツ!
ヤナギ・ササキ:「ミリセント=サン!」
ミリセント:「わああっ!」ほぼ倒れ込むようにしゃがんで回避!
NM:避けられたのはミリセント、ヤナギ、キヨシであった。
ヤクザ:「「「「「「グワーッ!!」」」」」」
NM:ヤクザ達の頭部を力任せの斬撃が通り抜け、それと同時に血しぶきがまき散らされる!
キヨシ:「な、ァ……」キヨシが振り返る
ヤナギ・ササキ:「無事か」ほっと胸を撫でおろし、すぐさま剣士としての顔に戻る
ヤナギ・ササキ:そして、この惨劇を起こした張本人を見た
ミリセント:「そ、そんな……!」
キヨシ:「―――――――――………アンジャルワレッケラー!」
狂えるゴースト:自然体であった、揺らぐまま、ミリセントを見ている
狂えるゴースト:ミリセントを、見ている
”殺す”
ミリセント:「……!」壁に手を突いて立ち上がる。
ヤナギ・ササキ:「させるか」
ヤナギ・ササキ:「もう十分経験は溜まっただろ。もう本番の時間だ。やるなら俺にこい。」
NM:ゴーストはヤナギに振り返らない、ただただ、ミリセントを見ている……
◆戦闘開始◆
NM:1ターン目
キヨシ:「ヤナギ=サン! 今、急いでブラッグマンバ=サンがこっちに来る!」
ヤナギ・ササキ:「もとよりそのつもり!」
キヨシ:「ミリセント=サン!避けろ!」
ミリセント:「わかっています!」クナイを構え直し、相対する!
ヤナギ・ササキ:「インガをここで断つ!」
ミリセント:「来い!」
NinjaSlayer : ブラックマンバ:🎲4B6>=4 → 6,~3,4,4 → 成功数3
NinjaSlayer : ミリセント:🎲2B6>=4 → ~3,~1 → 成功数0
ミリセント:「すぅーっ!はぁーっ!」腰を低く、ゴーストを見据えて、さらにその先のブラックマンバがいるであろう方向を睨む。「今……!」
NM:ゴーストは揺らぎながらミリセントを見ている
ミリセントは気づかぬ!足元が血で濡れている!
ミリセント:「あっ……!?」ずる、とブーツが血にぬかるむ!
NM:ブッダ! ミリセントは殺意に満ちた敵の前で転んでしまった! あるいは、威圧されたとでもいうのか!
ミリセント:「うぁっ!」ばしゃり、血が飛び散る。
ヤナギ・ササキ:「くっ!」オバケの狙い通りというわけではないだろう。死の運命がその顎でミリセントを捕えたというのか?
ヤナギ・ササキ:「否! お前の相手はこちらだ、オバケめ!」
ヤナギ・ササキ:ミリセントを庇うように背後からゴーストに切りかかる!
NinjaSlayer : ヤナギ・ササキ:🎲6B6>=3 → 3,3,3,6,6,6 → 成功数6 → サツバツ!!
ヤナギ・ササキ:「イヤーッ!」ヤナギは深紅の刃を横一文字に引き抜く。
これまでの力任せの一撃とは異なる真のワザマエの一閃!
NM:効くか、効かぬか?固唾をのんでキヨシはその様子を見た!
ゴーストは健在! よもや効かなかったのか?!
しかしヤナギは見た! 今の一撃によってゴーストの形が揺らぐのを!
ヤナギ・ササキ:「・・・」振りぬいた姿勢のままザンシンを続ける。油断なく次の一撃に備える
ヤナギ・ササキ:「手ごたえはあった。次で決める」
キヨシ:「……………ゴ、ゴウランガ!」
キヨシ:目の覚めるような斬撃にキヨシは思わず呆けた!
ヤナギ・ササキ:だが気が急く。ミリセントが起き上がるまでの時間稼ぎになったか?彼女は間に合うのか
ヤナギ・ササキ:(もう誰も殺させるわけには……)
ヤナギ・ササキ:「いかないんだよ……!」
ミリセント:「い、急がなきゃ……!」立ち上がろうと、腕を突く。
NM:ゴーストは構える!だが、先ほどとは比べてそのフォームが崩れている!
NinjaSlayer : 狂えるゴースト:🎲4B6>=6 → 6,~5,~4,~2 → 成功数1
NinjaSlayer : ヤナギ・ササキ:🎲6B6>=4 → ~1,~1,~1,4,~2,~2 → 成功数1
NinjaSlayer : ミリセント:🎲3B6>=4 → ~2,~3,~3 → 成功数0
NM:ヴンッ、再び室内を全範囲攻撃が襲う!
ヤナギ・ササキ:納刀しつつ最低限の動きで紙一重避ける
キヨシ:「ォ」キヨシはとっさに体を傾けたが、交わし遅れた手先が空中に浮いた
キヨシ:「グワーーーッ!!」
ミリセント:「ンアーッ!?」ミリセントの悲鳴!
ヤナギ・ササキ:「モミジ!!貴様ァ!」飛び散る血を見て激昂のまま叫ぶ!
NinjaSlayer : ブラックマンバ:🎲4B6>=4 → ~3,6,6,~3 → 成功数2
ブラックマンバ:ブラックマンバが室内に滑りこむ!
ブラックマンバ:「すまぬ! これほどまでに早いとは!」
ミリセント:「うぅ……!」顔の右半分を片手で覆いながら、苦心して立ち上がる。
狂えるゴースト:ゴーストは何も言わぬ、攻撃は命中した
狂えるゴースト:だが、死んでいない
狂えるゴースト:殺さねば、殺さねばならぬ、殺さねば――
NinjaSlayer : ブラックマンバ:🎲10B6>=4 → 6,~3,5,5,~3,~2,~2,6,~2,~1 → 成功数4
ブラックマンバ:「イヤーッ!!」
NM:ブラックマンバの瞳から放たれた光線がゴーストの朧な体に穴をあけた! おお、見よ!ゴーストは先ほどと比べて薄く、希薄になりつつある!ブラックマンバ:「効いたァ!」
ミリセント:「あとどれくらいで……!」
ブラックマンバ:「ヤナギ=サン!」
ヤナギ・ササキ:次などない。ヤナギは体を大きくひねるようにして居合を構える。そして渾身の力で抜き放った!
NinjaSlayer : ヤナギ・ササキ:🎲6B6>=3 → 6,3,~1,~1,~2,3 → 成功数3
ヤナギ・ササキ:「イヤーーッ!」
ヤナギ・ササキ:音を置き去りにして深紅の軌跡が空を斬る
NM:斬撃がゴーストに届き、その肉体を立ち割る!
NM:ゴーストはゆっくりと、その影を薄めて………
ヤナギ・ササキ:「トッタ……!」
…………ココデ………
ミリセント:「──────!?」
ココで終わルわけには……イカナい………!!
ミリセント:「これ、は……!」
ミリセント:「終わるわけには、いかないって……!?」
ヤナギ・ササキ:「!」ミリセントはなにかを聞いている!
ヤナギ・ササキ:「しるしを通じて言葉を!?」
NM:ゴーストの朧だった影が、濃く、はっきりと輪郭をとどめた。今や燃え上がるようなそれから放たれるは殺気、そしてこの世への執着
ヤナギ・ササキ:「お、前……お前は……」
NM:ゴーストが、構えた
NinjaSlayer : 狂えるゴースト:🎲4B6>=5 → ~3,~2,~1,6 → 成功数1
NinjaSlayer : ヤナギ・ササキ:🎲5B6>=4 → ~2,~2,~3,~1,4 → 成功数1
NinjaSlayer : ミリセント:🎲7B6>=4 → ~2,4,~3,6,~3,~2,~1 → 成功数2
NinjaSlayer : ブラックマンバ:🎲6B6>=4 → 5,~3,5,~2,~3,6 → 成功数3
NM:空間が立ち割れる、それほどの重量を持った斬撃!
ヤナギ・ササキ:「クッ……イヤーッ!」その姿を見て揺らいだが、長年の研鑽で培った剣士としての本能が反射的に攻撃を防いだ
ミリセント:「うううああああーーーっ!!」だんっ、と全身の力を込めて闇雲に跳ねる!
ヤナギ・ササキ:「この斬撃。間違いない」記憶にあるものよりも速く重い斬撃。しかしこれは間違いなく。
ヤナギ・ササキ:「モミジ=サン。お前、そんなにも……」
ブラックマンバ:「奴の精神は削り切ったはず……だが、これは……」
NM:正気を失ったことで狂気に陥ったように、ゴーストとして精神力を削り切ったことで別物へと変質したのだろうか。
ブラックマンバ:「執念、執念か……!」
ヤナギ・ササキ:「違う。これはそんなものではない」
ミリセント:「……?」
ヤナギ・ササキ:「怒り。悲しみ。妄念。妄執。これはもはや剣に憑りつく鬼だ!」
ヤナギ・ササキ:「剣聖になれる才能を持っていたのに!」
ミリセント:「ヤナギ=サン、貴方はどこまで知っているんですか……!」
NM:ミリセントの言葉を聞いたブラックマンバがヤナギを見た
ブラックマンバ:「ヤナギ=サン」
ブラックマンバ:「奴を、振り向かせる言葉を本当に持っていないのか?」
ブラックマンバ:「なにかないのか? お主があのゴーストを知っているというのなら……必ずお主に戦いを挑むような言葉を」
ヤナギ・ササキ:悔しさに拳を震わせるヤナギはブラックマンバを見る
ブラックマンバ:「お主にしかできたことはないのか?」
ヤナギ・ササキ:「戦いを挑む言葉……」
ミリセント:「ヤナギ=サン……!」
遠い記憶が呼び起こされる。
腕を幽鬼に切り落とされたあの時。
夜のドージョーで泣き縋るモミジを黙ってみているしかできなかったあの時。
初めて試合でモミジに勝った時。
そして
三人で鎬を削り合ったあの遠き日々。
ヤナギ・ササキ:「ーーーー」
ヤナギ・ササキ:「モミジ=サン」
ヤナギ・ササキ:「(頼む、力を貸してくれ。俺に兄弟を救う力を。キシ=サン!)」
ヤナギ・ササキ:「今日こそ俺はモミジ=サンを超える!」
「俺が最強になるために!」
「勝負じゃ!」
ヤナギ・ササキ:(そうだ。ずっとこの時を待っていたんだな。俺もお前も。そしてキシ=サンも)
高らかに宣言するように吼える。それは遠き約束だ
ヤナギの言葉を受けたゴーストの動きが、止まった
ヤナギ・ササキ:(今も続く約束だ。そうだろう?)
振り返る、今、ゴーストはヤナギを始めて視た
狂えるゴースト:ジツ宣言
NinjaSlayer : 狂えるゴースト:🎲5B6>=4 → 6,4,5,6,~1 → 成功数4
NM:成功
ヤナギ・ササキ:すげぇ成功するやん
室内にゆっくりと、霧が降りてきた
煙のようなそれは段々と強く、濃く、そしてーー
ヤナギの前にいたゴーストに掛かっていた霧が晴れていく
現れるは原初の景色、燃え往くドージョー、その中に二人
それは執念の果ての果て、死ぬ間際
狂気の果てに堕ちたモミジが見出した
1対1の絶対殺戮空間を形成するそのジツを
キリングフィールド・ジツと云った
NM:霧が晴れる、ゴーストに掛かっていたものも。そこにはモミジがあのころと変わらない姿のまま、そこにいた。燃え盛るドージョーの中で、ヤナギを見ていた
◆モミジ・サンゲツ (種別:モータル)
カラテ 4 体力 4
ニューロン 8 精神力 4
ワザマエ 4 脚力 3
ジツ 1(キリングフィールド)
攻撃/射撃/機先/回避 4/8/4/3
モータルのため回避難易度+1
◇装備や特記事項
『●連続攻撃2』『◉タツジン:イアイドー』『●"剣が峰”』
ヤナギ・ササキ:「懐かしいな」周囲の景色を眺め呟いた
モミジ・サンゲツ:「…………バカだな……逃げろと言ったじゃないか……」
ヤナギ・ササキ:「知らなかったのか?俺はバカなんだ」
ヤナギ・ササキ:「兄弟を置いて逃げれるほど賢くない」
モミジ・サンゲツ:「きっと、狂ったボクはこうすると思っていた」
ヤナギ・ササキ:「おう」
モミジ・サンゲツ:「この空間は、どちらか一人しか生きて帰れない」
モミジ・サンゲツ:「お前だけは」
モミジ・サンゲツ:「お前だけは、生きていて欲しかった」
モミジ・サンゲツ:「だから見ないようにしていたのに……」
モミジ・サンゲツ:「お前には……お前には……生きていて、欲しかった……」
モミジ・サンゲツ:「ボクを殺さないで、ボクにも殺されないで、生きていて欲しかった……!」
ヤナギ・ササキ:「・・・。バカだな」
ヤナギ・ササキ:「俺たちはずっとモミジ=サンを追っかけていたんだぜ。どれだけ逃げても追いつくさ」
ヤナギ・ササキ:「キシ=サンに、そう頼まれたから」
モミジ・サンゲツ:「…………そうかァ……」
ヤナギ・ササキ:「そうだ。そういう約束だ。それに」
ヤナギ・ササキ:「試合をする約束、まだ果たしてないだろ?」
モミジ・サンゲツ:「………うん、そうだ。それを言われちゃ、ボクはお前と戦わなきゃいけないんだ」
モミジ・サンゲツ:「ドージョー最強の座を、取り戻さないとな……」
ヤナギ・ササキ:「譲らないぞ?」
モミジ・サンゲツ:「……………………」
モミジは天を見る、頭上は煙に巻かれて見えない
パン。
ヤナギは柏手を打つように高らかな音を響かせ手を合わせる。
それは神聖な行い、対戦者への最大級の敬意。絶対の掟。
ヤナギ・ササキ:「ドーモ、モミジ=サン。”モリノベ・ドージョー師範”ヤナギ・ササキです!」
モミジ・サンゲツ:「ドーモ、ヤナギ=サン……モミジ、モミジ・サンゲツです」
剣が峰
それは少しの余裕もない、ぎりぎりの状態。
物事の成否の決まる瀬戸際。
二人の剣士が、山の峰へ
それぞれ別の方向から登り、登って、登り詰めた
限界まで高めた剣士が真の意味で対面する、その瞬間までやってきた
ならば――
「「………いざ、参らんや! 剣が峰!」」
◆試合開始◆
NinjaSlayer : モミジ・サンゲツ:
🎲4B6>=4 → ~2,6,4,4 → 成功数3 #1
🎲4B6>=4 → 4,~3,~2,4 → 成功数2 #2
NinjaSlayer : ヤナギ・ササキ:
🎲3B6>=4 → ~3,~1,5 → 成功数1 #1
🎲3B6>=4 → ~1,~1,6 → 成功数1 #2
モミジ・サンゲツ:「………ッハァァ……イヤーッ!イヤーッ!」
モミジの放つ鋭く、美しい2連撃!
ヤナギ・ササキ:(ああ、やはり……美しい)
その見惚れるような太刀筋は美しすぎる故に、今のヤナギには読むことができる。納刀したツルギに手を掛けたままヤナギは身を躱す
モミジ・サンゲツ:「………ッ……」
モミジはザンシンのまま口角が上がった
小手調べ、だが間違いない。ヤナギの技の冴え、衰えず!
NinjaSlayer : ヤナギ・ササキ:🎲6B6>=4 → ~3,~1,4,~2,~3,~3 → 成功数1
ヤナギ・ササキ:HAHAHA
NinjaSlayer : モミジ・サンゲツ:🎲3B6>=5 → ~1,~3,5 → 成功数1
今ヤナギの手にあるのは琵琶ではない。
装飾の一切ない無骨なオオツルギ……テンハンドソードであった
ヤナギ・ササキ:「イヤーッ!」
モミジ・サンゲツ:「ッ……!」
重く、更に迷いなき一撃! 避けたとはいえモミジの前髪が揺れる!
モミジ・サンゲツ:「腕を上げたな……ますます!」
ヤナギ・ササキ:「当然。ずっと俺たちは鍛えてきた。モミジ=サンに勝つために!」
モミジ・サンゲツ:「それなら、あっさりやられられないな!」
ヤナギ・ササキ:「言ってろ!」
激しく剣戟を繰り返しながらヤナギは獰猛に笑った。
心から。かつてのように
NinjaSlayer : モミジ・サンゲツ:
🎲4B6>=4 → 4,~2,6,~2 → 成功数2 #1
🎲4B6>=4 → 6,4,4,~3 → 成功数3 #2
NinjaSlayer : ヤナギ・ササキ:
🎲3B6>=5 → ~2,6,~1 → 成功数1 #1
🎲3B6>=5 → ~2,~4,~3 → 成功数0 #2
モミジ・サンゲツ:「イヤーッ!イヤーッ!」
ヤナギ・ササキ:「グワーッ!」
モミジが動く! 小手調べは終わりだとばかりに、突撃しながらの2連撃!
変幻自在の剣の嵐にヤナギの防御が追いつかぬ! 燃えるドージョーに血が舞う!
モミジ・サンゲツ:「加減はしないよ」
モミジ・サンゲツ:「ボクにとって、これは奪還戦なんだ」
ヤナギ・ササキ:「加減なんかしたらぶん殴る」
血を流しながらもイアイを構え直すヤナギを見て、モミジも構えを直す!
モミジ・サンゲツ:「するわけ、ないッ!」
NinjaSlayer : ヤナギ・ササキ:🎲6B6>=4 → 4,4,~3,~1,~1,6 → 成功数3
NinjaSlayer : モミジ・サンゲツ:🎲3B6>=6 → 6,~2,~3 → 成功数1
ヤナギ・ササキ:(もとよりワザマエでモミジに勝てる道理などなし。ならばこそ己の剣を貫け……もっと速く。もっと強く!)
モミジ・サンゲツ:(来る、間違いない。何十度と受けた剣、今度こそ――受ける!)
ヤナギ・ササキ:「イヤーッ!」
モミジ・サンゲツ:「イヤーーーーッ!!」
全力を込めたヤナギのツルギを、モミジが交差させた二振りのカタナで止める!
ヤナギ・ササキ:「ハ。やっぱり同じ手は通じないか」
モミジ・サンゲツ:「もっとだ、もっと強く打ってこい!」
ヤナギ・ササキ:「ああ!俺は自分を超える!」
NinjaSlayer : モミジ・サンゲツ:
🎲4B6>=4 → 4,~1,6,~3 → 成功数2 #1
🎲4B6>=4 → 4,~3,~2,~3 → 成功数1 #2
NinjaSlayer : ヤナギ・ササキ:
🎲3B6>=5 → ~4,5,6 → 成功数2 #1
🎲3B6>=5 → ~3,5,~2 → 成功数1 #2
空気がひりつく、お互いの斬撃が更に冴えわたる!
モミジ・サンゲツ:「イヤーッ!イヤァァーーッ!!」
ヤナギ・ササキ:「イヤーッ!」
閃光めいた2連閃がヤナギを切り裂かんと飛翔する!
ヤナギは逆に踏み込む。死中にこそ活をあり!
斬撃をくぐるように避けさらに踏み込んだ! 回避!
モミジ・サンゲツ:「ハッ!」
モミジ・サンゲツ:(……避けられた!渾身の一撃が!)
タツジン! 死への恐怖を物ともしない突撃! モミジの顔に驚きが浮かぶ!
モミジ・サンゲツ:「ッグ………まだ、まだだ……まだ上がれる!!」
NinjaSlayer : ヤナギ・ササキ:🎲8B6>=4 → 5,6,6,~1,~1,5,~2,~2 → 成功数4 → サツバツ!!
NinjaSlayer : モミジ・サンゲツ:🎲3B6>=6 → 6,~1,6 → 成功数2
ヤナギ・ササキ:「イヤーッ!」
モミジ・サンゲツ:「イヤァーーーッ!!」
さらに速度増すヤナギのイアイ!
だがモミジはそれを受け、逆に弾き返す!
ヤナギ・ササキ:「クッ……!」
ヤナギは歯噛みした! まだ届かぬ。まだ足らぬ!目の前の天賦の剣に!
モミジ・サンゲツ:「……はぁ……はぁ……まだ、先があったなんてね………」
ヤナギ・ササキ:「まったくだ。もっと早く知っておきたかった」
モミジ・サンゲツ:「やっぱり、そうだ。無辜の人を斬って経験を得ても……何も得られやしない」
ヤナギ・ササキ:「・・・」
ヤナギ・ササキ:「力とは振りかざすものではない。力は魔となり災いを呼ぶ」
ヤナギ・ササキ:「だから。俺がここにいる」
ヤナギ・ササキ:「いこう、モミジ=サン。もっと先へ」
ヤナギ・ササキ:「俺が連れていってやる」
モミジ・サンゲツ:「ああ、そうだ。行ける、ボクたちなら!」
ヤナギ・ササキ:「そうだ!」
モミジ・サンゲツ:「まだだ!」
NinjaSlayer : モミジ・サンゲツ:
🎲4B6>=4 → ~1,5,6,6 → 成功数3 → サツバツ!! #1
🎲4B6>=4 → 5,~2,~2,~1 → 成功数1 #2
NinjaSlayer : ヤナギ・ササキ:🎲3B6>=6 → ~1,~1,~5 → 成功数0 #1
🎲3B6>=6 → ~4,~5,~2 → 成功数0 #2
モミジ・サンゲツ:「………イ、ヤァーーッ!!」
ヤナギ・ササキ:「……!グワーッ!」
会心の一撃がヤナギを切り裂く!
2人のコトダマイメージで形作られたドージョーに血が飛び散る
ゆらゆらと、モミジの体が煙の中でぼやけていく
モミジ・サンゲツ:「………ッは……はぁ………」
ヤナギ・ササキ:「ハァーッ……ハァーッ……どうした。疲れたのか?」
モミジ・サンゲツ:「いいや」
モミジ・サンゲツ:「楽しい」
モミジ・サンゲツ:「楽しいんだ、ヤナギ=サン」
ヤナギ・ササキ:「一緒だ」
ずっと続けていたいくらいに。ずっと続けたかったのだ
でも遠い夢だ。しかし現在に続く夢
モミジもまた、同じだった
この短くも美しい夢を
永く、続けたかった、ずっと、ずっと、三人で
モミジ・サンゲツ:「………さあ」
ヤナギ・ササキ:「おう」
ヤナギ・ササキ:「いざ!」
NinjaSlayer : ヤナギ・ササキ:🎲6B6>=4 → 6,~3,~2,~3,~3,~3 → 成功数1
NinjaSlayer : モミジ・サンゲツ:🎲3B6>=6 → ~3,~1,6 → 成功数1
ヤナギ・ササキ:「イヤーッ!!」
ヤナギは後悔も悲しみも何もかもを置き捨て、ただ一振りの剣となり無我でツルギを振りぬいた
モミジ・サンゲツ:(受ける、受けるのだ、絶対に――こいつの攻撃をすべて受けて見せる!)
純粋な、ただの純粋な一撃――それがモミジの構えた双剣を弾く!
モミジ・サンゲツ:「グワーーーッ!!」
ヤナギ・ササキ:「あと一撃。あと一撃で俺はたどり着ける!」
モミジ・サンゲツ:「分かった、今なら、いける。いけるんだ」
ヤナギ・ササキ:「ああ。行くんだ、三人で」
「「あの剣が峰の向こうへ!」」
モミジは天を見た、
ヤナギを見た、
そして自分の握る剣を、構えた
NM:スキル発動
NinjaSlayer : モミジ・サンゲツ:
🎲4B6>=4 → ~1,~1,5,~2 → 成功数1 #1
🎲4B6>=4 → ~3,~2,~3,4 → 成功数1 #2
NinjaSlayer : ヤナギ・ササキ:
🎲3B6>=6 → ~4,~5,6 → 成功数1 #1
🎲3B6>=6 → ~2,~4,6 → 成功数1 #2
モミジ・サンゲツ:「――――ッ」
モミジは遂に至った
その目が青く輝き、纏った気が剣と共に合一を果たす!
モミジはタツジンの中の1部のみが到達する領域へとこの瞬間、至った!
ヤナギは理解した
モミジの本気が来る。過去も見たことのない。
才能へのわだかまりも何かもを捨て去った本当のモミジの一撃が
自分はずっとそれを追い求めていたのだと今ならば分かる
だが、今だからこそ見える。
視界が開ける
さらなる世界が!
NinjaSlayer : ヤナギ・ササキ:🎲6B6>=4 → ~1,6,4,6,~3,~3 → 成功数3 → サツバツ!!
NinjaSlayer : モミジ・サンゲツ:🎲3B6>=6 → ~3,~5,~3 → 成功数0
NinjaSlayer : ヤナギ・ササキ:サツバツ表(3) → 「苦しみ抜いて死ぬがいい」
急所を情け容赦なく破壊!:本来のダメージ+1ダメージを与える。
耐え難い苦痛により、敵は【精神力】が-2され、【ニューロン】が1減少する
(これによる最低値は1)。残虐ボーナスにより【万札】がD3発生。
この攻撃を【カルマ:善】のキャラに対して行ってしまった場合、【DKK】がD3上昇する。
モミジ・サンゲツ:「イヤーーーーーーッ!!」
ヤナギは避けなかった
まっすぐに構え、モミジのカタナが迫るのを待つ。
そして、ここが臨界点。剣が峰!
ヤナギ・ササキ:「モリノベ流イアイドー……」
ヤナギ・ササキ:「天羽々(アメノハネバネ)」
ヤナギと、モミジ、二人の剣が、集中が一点へと向かい、弾けた
2人が通り過ぎる、体が、剣が、意識が、時間が、そして――
モミジの剣が、
あの時、あの惨事から握りしめ続けていたカタナが、落ちた
ヤナギ・ササキ:「ゴフッ」
振りぬいた姿勢のままのヤナギの体が揺らぐ
血を吐き膝をつくヤナギの後ろで、モミジは天を見ていた
お互い振り向くことはしなかった、
お互いがお互いの極点に立ち、激突し、そして――
全身全霊、モミジの至った頂点をヤナギは、超えた
◆決着◆
天を見る
煙で見えなかったその真上に広がる、空
いつか3人で見た、あの青空が、見えた
ヤナギもまた膝をついたまま空を見上げる
モミジ・サンゲツ:「………………」
モミジ・サンゲツ:「……お前が………」
言い淀む、唇を噛む悔しくて、
それ以上に、言ってしまえば、終わってしまう
けれど、認めなければ、認めてやらねば
モミジ・サンゲツ:「ヤナギ=サン」
モミジ・サンゲツ:「………お前が、最強だよ」
ヤナギ・ササキ:「・・・ッ」
ヤナギは俯く。
涙を見られたくなどなかった。だが誓わねばならぬ
モミジ・サンゲツ:「………なんだよ、笑えよ………」
モミジ・サンゲツ:「笑わなきゃ、ボクだけが泣いてるのがふさわしいんだろ……」
ヤナギは笑った。涙を流しながら。笑いながら誓う
ヤナギ・ササキ:「もっとだ。俺はもっと最強になる。だから見ててくれよ、アニキ」
モミジ・サンゲツ:「……………ふざけんなよ、なに、勝って泣いてんだよ」
モミジは笑った、泣きながら笑った
ヤナギ・ササキ:「泣いてなんかいない。泣いてるのは兄貴の方だ」
モミジ・サンゲツ:「いや、お前だ、お前が……」
モミジはヤナギに近づく、その体が透けていた
ヤナギ・ササキ:「もう、いっちまうのか」
モミジ・サンゲツ:「そうだ、でも。お前にはこれを託す」
モミジが右手を出す
NM:ヤナギはモミジから『●剣が峰』を継承した。
ヤナギ・ササキ:「これは……」
モミジ・サンゲツ:「オレの至った頂点だ」
モミジ・サンゲツ:「お前が完成させるんだ」
モミジ・サンゲツ:「お前ならもっと、高みへと行ける」
ヤナギ・ササキ:「もちろんだ。“俺たち”の剣ならば」
ヤナギは右手に宿った光を見て、それを強く強く握りしめた
その肩を、誰かが叩いた
「言っちょろうが、モミジ=サンを超えるならオレか、お前かじゃ」
「その通りになったじゃろ」
ヤナギ・ササキ:「……。来るのが、遅すぎるんだよ」
ヤナギの声は震えていた
掛けられた相手は少しやりづらそうに口ごもる
キシ・フナジマ:「すまん」
キシ・フナジマ:「……すまん、けど」
キシ・フナジマ:「ワシらはもう、心配ないき」
ヤナギ・ササキ:「そうか。……そうか」
モミジ・サンゲツ:「うん、もう大丈夫だ」
モミジ・サンゲツ:「だからボクらは行くよ、兄弟」
ヤナギ・ササキ:「おう」
涙は別れに似合わない。俺たちはずっと笑っていたのだから
ヤナギ・ササキ:「オヒガンで見ててくれ。最強の名声が天まで届くところを」
二人の距離が遠くなっていく、物理的に、この世から離れていく
だが、心はいつだってそこにある
◇
キリングフィールド・ジツ 解除
◇
NM:2人が消失してから数分後、天を見上げるような姿勢で血まみれのヤナギが出現した
ミリセント:「ヤナギ=サン!?」ミリセントが駆け寄る。
ミリセント:「この怪我……」
ヤナギ・ササキ:「ミリセント=サン」
ヤナギ・ササキ:「終わりました。ようやく。長い夢が」
ヤナギ・ササキ:「長い長い夢が」
ミリセント:「それって……」
ヤナギ・ササキ:見上げたままのヤナギの表情は見えない
ヤナギ・ササキ:だが一滴の涙が流れ落ちた
NM:部屋は血に塗れ、シノダも、ミリセントも傷だらけだった
何人生きているかもわからない状況の中で、マンバにホータイを巻かれたキヨシが部屋の中に入ってくる
キヨシ:「終わったか」
ミリセント:「……はい。どうやら」
ミリセント:ドーゾ。と言ってヤナギにパック入りのスシを差し出し、キヨシに向き直る。
ミリセント:詳しいことは聞かない。まだ。
キヨシ:「だが、俺たちが受けた恩は終わらねえ」
キヨシ:「ミリセント=サン、ヤナギ=サン。あんたらは俺たちのクランにでけぇ貸しを作った」
ミリセント:「そんな……」被害が出てしまったのに、と小さくヤクザたちの死体を一瞥した。悟られないように。
ヤナギ・ササキ:「・・・」ただ黙って頷く
キヨシ:「俺たちのメンツはあんたらが保ったんだ」頭を下げる
キヨシ:「アリガトゴザイマス!」
キヨシ:「今後なにかあったら言ってくれ、出来ることだったらオレたちはなんだってしてやるぜ」
NM:ミリセントは『コネクション:ヤクザクラン』を獲得した。
ミリセント:メガコーポでなく、ソウカイヤでもない。
ミリセント:それでいて、メンツとソンケイでつながる義理堅いグループ。
ミリセント:(及第点でしょうか、ヘリオス)PHSをしまったポケットに触れる。
ヤナギ・ササキ:「これは確認だが手柄は全てミリセント=サンとオジョウサマ社に帰属する」
ヤナギ・ササキ:「彼女は死に怯え逃げていればこのチャンスはなかった。そうであるな?」
キヨシ:「確認するまでもねぇ、報酬だって払う。耳をそろえてな」
ヤナギ・ササキ:「うむ。であれば拙者は何も言うことはない。ではさっそく」
ヤナギ・ササキ:「手向けの酒と祝杯をあげよう!」
ミリセント:「……ええ。感謝しますわ。コンゴトモヨロシク」スカートの端を持って礼。
ミリセント:「おサケ」半歩引いた。
キヨシ:「おう! じゃ、あんたらは部屋で休んでいてくれ。功労者を働かせるなんてブレイはできねえ」
ヤナギ・ササキ:「お言葉に甘えるでござるよ。拙者実はさっきからサンズリバーに足が浸りっぱなしでしてー」
◆
NM:2人は部屋に戻ると同時にPHSが鳴った
ヤナギ・ササキ:「拙者にはお構いなく」部屋の隅に離れて、もらったスシを食べ始める
ミリセント:「はい、ドーモ!」
ミリセント:PHSに耳を当てた。
ヘリオス:『もしもし、愚かなマスター。首尾は如何ですか?』
ミリセント:「はい、あのえっと。ゴーストが出て、避けて。あっ次は当たっちゃって血が止まらないんですけど、あ!それより!ヤナギ=サンがパッてなってパッて出てきて血まみれだったのでスシを……じゃなくて、このあとヤクザの皆さんとお酒を飲むのが大事で」
ヘリオス:『ピーピーガガガピーガガピー』
ミリセント:「大丈夫ですか!?」
ヘリオス:『マスターの言語化能力を2段階下方修正』
ミリセント:「計5段階!?」
ヘリオス:『つまり』
ヘリオス:『ヤナギ=サンとのヨージンボーの契約はこれにて満了というわけですね』
ミリセント:「……はい。ヤクザの皆さんとのコネクションもできた、と思います」
ヘリオス:『いかがでしたか、ヤナギ=サンの働きは』
ヘリオス:『動きとしてはまぁ……えっと』
ミリセント:「文句なしでした!」
ミリセント:「スゴイですよ本当に!」
ミリセント:「ズバーッと!」
ミリセント:「こう!」
ミリセント:「ズバーッと!」
ヘリオス:『ちょっと散歩して情報を集めて来るって話だったのになぜか大冒険を繰り広げてることは意図的に無視すれば』
ヘリオス:『あとは無断で1日開けていたことも意図的に無視すれば……』
ヘリオス:『十二分に得るものがあったようですね』
ミリセント:「それは……あの……でも……その……」
ミリセント:「すみませんでした……」
ヤナギ・ササキ:「くっくっ」部屋の隅でスシを喰いながらこっそり笑っている
ヘリオス:『私としては喜ばしい限りです』
ミリセント:「……!」パッと笑顔になって
ヘリオス:『1日なーーーんも報告もなく待たされましたが』
ミリセント:しゅんと申し訳なさそうな顔に戻った。
ミリセント:「きをつけます……」
ヘリオス:『では、愚かで怠惰なマスター。これからはあなたの手腕の見せ所』
ヘリオス:『この出会いをどう生かすか、それはヤナギ=サンとの交渉次第です』
ミリセント:「……!」
ミリセント:「ヘッドハンティングですね!?」
ヘリオス:『ヨージンボーとして引き続き雇用するにせよ、報酬形態やらなんやら、分かります? 意味は理解できますか?』
ミリセント:「え、えーっと」
ミリセント:「ご飯とか奢ったり……?」
ヘリオス:『…………』
ヘリオス:『マスターの”愚かレベル”を7段階引き上げました』
ミリセント:「ヤクザの皆さんとかご飯食べさせてくれてえっ7!?7!?!?」
ヤナギ・ササキ:「それでいいでござるよ」横からひょいと顔を出す
ミリセント:「ヤナギ=サン……!」
ヘリオス:『よろしいのですか?』
ヤナギ・ササキ:「ただし!一日二食白米味噌汁付き、であれば」
ヤナギ・ササキ:「いやー実際拙者も根無し草でしてー。住む場所も困る次第でしてー」
ヤナギ・ササキ:「でもヤクザもニンジャ組織も肌に合わず困っておったところ」
ミリセント:「イチニチニショクハクマイミソシルツキ」
ミリセント:「だそうです!」
ヘリオス:『あなたがそれでも良いなら、私からは何も言うことは………そこの判断も私に任せますか?』
ヘリオス:『マジで言っているのでございますか? 比較も出来ないほど愚かなマスター』
ミリセント:「あ、いえ……ご飯は炊けます!お味噌汁も!インスタントだけどできますから!!!任せてください!!」
ヤナギ・ササキ:「あはっ。材料をくだされば拙者が作りまする」
ヤナギ・ササキ:「……拙者、夢がありまして。それを叶えねばなりません」
ヤナギ・ササキ:「そのためにミリセント=サンの“夢(野望)”が都合よいのです」
ミリセント:「……都合、よい」
ミリセント:「はい!」
ミリセント:「私の夢、利用してください!」
ヤナギ・ササキ:「うむ!そちらも拙者の剣を存分に利用してくだされ」
ミリセント:「ヨウジンボー……よし!」ビッ!とPHSに向けて指をさして見せた。
ヤナギ・ササキ:「共に掴みましょう。虚飾の剣が峰の向こう。ネオサイタマの頂点へ!」
ミリセント:「1個達成! 私たちはまだまだこれからですね!」
ヘリオス:『一歩は一歩、ですね。着実に一歩目を踏み出せたこと、おめでとうございます』
ヤナギ・ササキ:「あはっ。よろしくお願いしますね、電話の向こうの保護者殿」
ヘリオス:『ヤナギ=サン、よろしくお願いいたします。では』
ヘリオス:『次の一歩、踏み出しましょうか』
◆
向こうから、キヨシの呼ぶ声がする。
それに応じるように少女と、男が廊下を歩いていく。
その窓の外から、光が差した。
ネオサイタマには珍しい、僅かな日の光がヤナギに掛かる。
ヤナギは目を細めながら窓の外を見た
((待っていろよ。今その向こうへ行ってやる))
登れども登れども、山頂には届かず
届けども届けども、まだ高みは続く
そして、その頂点はあのように目も眩むほど
その向こうの景色はいかなるものか。
それを夢想するのは実に痛快ではないか。
いわんや実際に目にしたときには
琵琶を奏でながら男は笑う。
ヤナギは、再び強さへの山を登り始める
その様子を、誰かが嬉しそうな顔で見ていた
ずっとずっと遠くから
けれどもヤナギのすぐ傍で
いつまでも、いつまでも見ていた
◇
ニンジャスレイヤーTRPG:CP
『キャッチ・ザ・ミリオンズ』
サブストーリー『いざ、参らんや剣が峰』
完遂
Ep:1『ヨージンボーを雇おう!』
エピソードクリア
◇
◇注釈
このリプレイ内で使用した画像は、MidjourneyならびにStable Diffusionで作成されたものです。
◆Discoad
キャッチ・ザ・ミリオンズの専用鯖リンクです。
CP参加者は内定していますが、感想等あれば参加の上で伝えていただけるとリプレイ執筆速度が大幅に上昇します。
『キャッチ・ザ・ミリオンズ』EP2へ続く