ポニポニとの出会いと、地域へ関わり始めた転機
こんにちは。ポニポニスタッフの内田遼平です。
ポニポニは、地域に根ざしながら社会課題解決を目指す団体です。
今回は、僕がそのポニポニとどのように出会い、関わることになったのかを書いてみます。
動き始めていた変化と僕の気づき
2023年の初夏、僕は「うずうずマイン」という場所に出会いました。大牟田駅の近くを車で走っていたとき、ふと目に留まったのです。以前は空き家だった建物が、どこか新しく命が吹き込まれたように変わっていました。
扉が外され、植栽に囲まれた空間は、薄暗い夕暮れのなか、一階の灯りが不思議な雰囲気を漂わせていました。「何が始まっているんだろう?」と、その瞬間、強く興味を引かれました。
数日後、仕事の帰り道、その場所を思い出して、少し寄ってみようかと足を向けました。コワーキングスペースという案内に沿って階段を上ろうとしたとき、ふと目をやると、髭を生やした男性が、入口近くに立っていました。
いきなり人がいたことに少し戸惑いながらも、「こんにちは」と声をかけつつ、そのまま通り過ぎようとすると、「こんにちは、なにか約束ですか?」と問いかけられました。
「もしかしてここは誰でも入れる場所じゃないのかも」と一瞬焦りましたが、「コワーキングスペースって書いてあったので、ちょっと気になって…」と答えました。すると彼は、
「どうぞ、どうぞ。まあいいから入りなさいよ」
とフレンドリーで気軽な感じで促してくれました。少し緊張しながらも、不思議な期待を胸に階段を上って2階へ向かいました。
その男性は、ポニポニという団体の代表、原口さんでした。彼から、ポニポニは大牟田を通じて、日本の社会システムと現実のギャップが引き起こす問題に取り組む団体だと教えてもらいました。
大牟田との関係が変わった瞬間
それまで、僕はこの街で暮らしながらも、地域が抱える問題に意識を向けることがほとんどありませんでした。8年前、東京から大牟田に引っ越してきたものの、職場は福岡や熊本にあり、大牟田は「寝に帰る場所」で、地域との関わりはほとんどありませんでした。
しかし、地域ではすでに新しい動きが始まっていたのです。原口さんからポニポニの挑戦の話を聞きながら、自分の中にあったモヤモヤが少しずつ形を持ち始めました。
かつて営業職として顧客と向き合っていたとき、本当に必要なものが見えても、時間や手段に縛られて支援が限定されるジレンマを抱えていました。営利企業の立場上、顧客の課題解決は様々な制約に縛られ、深い支援が難しかったのです。
それと同時に、地域に根ざした仕事をしたいという思いも、心の奥底にありました。表面的な関わりではなく、相手を深く理解しながら地域に貢献する――それは、前職時代に抱えていたもう一つのジレンマでした。
ポニポニとの出会いで、その葛藤が言語化され、次第に自分が何を求めていたのかが見えてきました。そして、自分が本当に求めていたものが、現実に存在することを知った瞬間、大きな喜びを感じました。
この出会いは、僕にとっては大きな転機で、新たな道を開いてくれるものでした。ポニポニのメンバーや、そこに関わる人たちと接することで、少しずつ自分の人生への期待が膨らんでいくのを感じました。その後、2024年1月から、僕はポニポニでの仕事をスタートさせることになります。
次回以降は、僕がポニポニに入ってからの具体的な体験や、そこでの気づきなどについて書いきたいと思います。