【舞台裏の話】Presentation Fes2020
私が専務理事を務めるプレゼンテーション協会の中に「プレゼンテーション研究所」があります。
コンセプトは「いままで”なんとなく”でしか知り得なかったプレゼンテーションの技術を、科学的に紐解く」こと。
プレゼン全般で知りたいことや困ったことがあった時に、検索してたどり着く存在=頼られる存在になりたいなと思って、協会設立と同時に発足しました。
研究所のメンバーは、東大大学院でプレゼンを研究し続けた所長をはじめ、日々ひたすらスライドを作り続けるわたし、普段はAI特化型インキュベーターとして活躍するメンバーもいれば、プレゼン大好きな現役大学生まで。
平均年齢は20代。
大学のサークルにも近い雰囲気でありながら、社団法人の研究所として日々真面目に活動しています。
転職してから日々年上の方々に囲まれていたので、自分が最年長のコミュニティは初めてで、若い男子たちとの接し方に最初は戸惑ったけど、お互いが自由に発言しあえるいい空気が流れています。
いつもの定例でいつものように自由に話し合っていると「そもそもプレゼンにみんな興味あるのかな?」という話題に。
私たち研究所はプレゼンに興味がある・好きの集いだけど、ほとんどの人は苦手だったり、社会に出て初めてプレゼンする機会に触れて戸惑ったり...なのではないか。
(ここから様々な熱い議論を経て)プレゼンが苦手、ということで様々なチャンスを失ってほしくない。まずはプレゼンに興味を持って「プレゼンって楽しいな」だったり「ちょっと勉強してみようかな」だったり、そう思ってもらえる機会を作り出そう!とまとまったのが「PresentationFes2020」の企画でした。
コンセプトは「Fun」
話がまとまれば早速動き出します。この時の定例が9月。
年内にはやりたいよねという話から、みんなのスケジュールを合わせると11月22日。
やろうぜ!と盛り上がった定例が終わって、ふと
「あれ、2ヶ月しかない...?」とドキッとしたのは私だけではなかったはず。
でもこの勢いが逆によかったなと今は思います。企画時の熱とテンションがそのまま当日まで変わらずに、なんだか文化祭のような高揚感が続いていました。
プレゼンを学ぶ・知る、となるとイメージしやすいのがビジネスセミナーですが、今回の私たちの思いは、プレゼンに興味を持ってもらうこと。フランクな空気で参加して気づいたら興味を持っている、そんな雰囲気を作り出したいよね、音楽フェスみたいな。Funな感じで!ということで、名前も「Presentation Fes2020」に決まりました。
歌って踊ってウェイウェイ、ではないけど、気持ち的にはそんな感じで。タイムラインも音楽フェスみたいに40分くらいの枠でセッションが続く構成にしました。
フェスってなんやねん
研究所のメンバーはそれぞれ本業・学業があって、月1のオンラインMTGとSlackでディスカッションを進めていました。登壇者の選出と打診、セッションのテーマ決め、配信方法(当初はオンライン&会場視聴のハイブリット構成で考えていたので、これもまた悩みの種)...いろんな議題があって、頭を抱えながらもガシガシ進めていきます。
このガシガシ期に、すごく印象に残ってることがありました。Zoomでみんなで話してる時に「でも、これだとフェスっぽくない」「じゃあこうすればフェスっぽくなるんじゃない?」「あまり主催者が出過ぎるとフェスっぽくない」「え、DJ呼ぶ?」という議論から、その場は「そもそもフェスって何?w」状態に。
結果、その場でフェスの概念から共有し合おうという、いかにも研究所っぽい展開になりました。でも、これって「伝える=プレゼン」をテーマにしているからこそだなと今は思っていて、プレゼンについて発信するからこそ、扱う言葉の認識やコンセプトはブレてはいけないということを体感したMTGでした。
配信テストの様子
ラジオの空気感で
なんやかんやで、今回のイベントの「フェス」感は、”気軽に、気負わず、楽しく聞ける”で認識を揃えました。
ガッツリ4時間オンライン授業のように参加するのではなく、音楽のように流しながら楽しんでもらえるように=ラジオの空気感を意識して作っていきました。なので、スライド投影で見てもらうパートと、対談・鼎談で聴くことをメインにしたパートを組み合わせて、メリハリをつけました。意外と真面目に考えているのですよ、ふふ。
・プレゼンで夢を掴みにいっている若者の「現在」の話
・活躍しているビジネスパーソンの「過去」の失敗と乗り越え方
・プレゼンの「未来」を先駆けている方々の視点
このテーマは我が所長が考えたもの。テーマを見ただけでもワクワクしたのを覚えています。
Presentation Fes2020本番
なんやかんやで(2回目)、本番を迎えました。
当日はアライアンスパートナーの情報経営イノベーション専門職大学のホールをお借りし、ライブ配信を行いました。コロナ禍のなか、会場に学生さんや教員の方もお越しいただき、ありがたかったです。
舞台裏では当日マイクが使えなかったり、背景が使えないPCがあったりと、ちょいとバタついたものの、みんな持ち前のフレキシブルさで、サクサクと対応して滞りなく進めていきました。
そんな私はこの設営の時が一番テンパっていて女子学級委員みたいな空気出してたけど(「男子、これ持ってきてよ!」的なアレ)配信が始まればエンディングを迎えるまで、めちゃくちゃ楽しんでいました。
全体司会という役回りだったのもあるけど、不思議と肩の力が抜けていて、その場で感じたことを伝えたいと思っていたのがよかったのかもしれません。普段緊張しぃで毎回ドキドキしながらプレゼンや講師をしてい流ので、楽しいという感覚をフワフワ感じていて、自分の中でも大きな変化があった1日だったなと思いました。
セッションの内容は、プレゼンテーション協会 メディアパートナーの会議hack!さんが丁寧にレポートしてくださったので、こちらをぜひ。
イベントとしては、156名のエントリー、常に70名前後に視聴いただき、入れ替わり含めると100名程が参加したイベントとなりました。
4時間のオンラインイベントとしてはなかなかの視聴率だったのではないかなと思います。
当日の舞台裏はこんな感じでした。
2回のモデレーターと全体統括を担った所長
急なZoomのバージョンアップに戸惑う司会前のわたし
中学生との対談を務めたたまちゃん
所長の随時チェック(厳し目)
当日画面上には現れなかったけど、裏でめっちゃ頑張ってくれた二人。
協会代表理事の鎌利さんも現地で登壇。
「伝える」を伝えること
振り返ってみると、プレゼンテーション研究所のイベントだからこそ
・どうやって伝えるか
・どうやって興味を持ってもらうか
をずっと繰り返し考えディスカッションしていたなと思っています。
「もうこれでよくない?」とか「なんとなくこんな感じで」があまりなくって、みんな疑問に思ったところは確認して、コンセプトから登壇内容まで一つ一つ「これを伝えよう」を明確にしながら進めていました。
それに加えて、”気軽に、気負わず、楽しく聞ける”の要素をどのように入れるかを考えるのも楽しかったし、時にはやや口調荒くなりつつも、やいのやいの話しながら物事を進める仲間感がとても心地よかったなと思い返しています。
今回は第1回で無料オンライン開催となりましたが、今回の経験を踏まえて、第2回は会場でプレゼンを体感できたり、有料セッションを作ったりと、進化させていきたいなと思っています。目指せCEATEC。
本当は当日のレポートのような記事を書こうと思っていたのですが、どういった思いで研究所一同がこのイベントを企画したのかを伝えたくて、舞台裏をお届けしました。身内話になってしまったところもあるけど、研究所のみんなの熱い思いを知ってもらって、少しでも研究所やプレゼン、そして協会に興味を持ってもらえたら嬉しいです。
最後に「ラジオのDJのようで、かっこよかった」という感想をもらえたのがめっちゃ嬉しくて、調子に乗っていつか夢見ていたラジオ配信を本気でやってみようかと思い始めました。Voicyエントリーしてみようかしら。