ウマポンの恋愛②
今更だけど、娘が親の過去の恋愛を語るってなんか変な感じですね。
ウマポンは基本的に厳しい母親ではあったけど、何かあったら大体中月に話してきます。
嬉しい事があったり、愚痴をいってきたり。
そう、可愛いところもあるのです。
でもウマポンの愚痴はあんまり共感はできません。大体ウマポンが悪いと思ってたので。
前回は一回目の離婚から再婚するまでのストーリーだったのですが、その後2人目の旦那さんともうまくいかず離婚してしまいます。
そして離婚後、ウマポンはしばらく結婚とか恋愛とかはもういいかな、とかなんとか言ってたんですがタイパブで働き始めて数年たつと急に新・夫探しを始めます。
自分を指名してくれた男性を片っ端からロックオンしだしました。そんなホステスも珍しいな。
中月はウマポンからどう思う?といろんな男性の相談をされたのですが中月は過去のドキドキ2択で裏切られた事件があったので、大人になった中月はあまり気にとめず流し聞きしてました。
そんな中、ウマポンが「お客さんに結婚してくれって言われた」と相談してきます。
それまでの相談は、なんというか「あの人、私の事好きだと思う」って言うウマポンの勘違い系相談が多かったのですがさすがに結婚ってなるとちょっと中月も詳しく聞く事にします。
ウマポン曰く、その人はよく指名してくれる人でしかも同伴もしてくれるしお金をいっぱい落としてくれるそうな。おそらく金持ち。
しかしたまに何言ってるのか分からない変な人とのこと。
それってまあまあ致命的じゃない?
でも金持ってるからなー、と悩むウマポンに中月は性格が合わないならまた離婚しちゃうからやめときなよ、金を落としてくれるお客さん止まりでいいじゃん。と言いました。
中月は何言ってるかわからない人が自分のお父さんになるのは嫌でした。
しかしそれでもウマポンは悩みに悩んで、ついに中月を連れて3人でご飯を食べることになりました。
中月はかなりめんどくさかったのですが、その食事会がフグだと聞いてまあ良かろう、となってついていきました。
そしてウマポンに結婚を申し込んだ方が現れるのですが、見た目は普通の40代ぐらいのサラリーマンの人でした。そしてウマポンが言ってた、何言ってるかわからない時がある、の意味がわかりました。
めちゃくちゃ早口。
たしかに何言ってるのかわからない。
中月レベルでは1時間に5分ぐらいしか聞き取れないレベルでした。中月は愛想笑いや、「ですよねー」で乗り切ってたのですがウマポンに至ってはその人が話してるのをフルシカトしてフグを食べてました。
中月は絶対に結婚は無理だと確信しました。
そしてその日のお食事会はなんとか終わったのですが、道中ウマポンがアレ買ってコレ買ってとねだるシーンがありました。
そしてその人はたしかになんでも買ってあげてて、なるほどこれが手放しがたい所なのか、と思ったのですが、それから数日後ウマポンはその人と連絡が途絶えたと言ってきます。
なんで?と中月が聞いたところ、
彼がベロベロに酔っ払っている時に100万円のティ◯ァニーの指輪をねだって無理矢理買わせたら次の日から連絡が来なくなった
との事です。
そしてウマポンは中月にボソッと
「100万円で逃げるとは思ったより小さい男だったな、結婚しなくてよかったわ…」
と言いました。
なんて恐ろしい女なのでしょうか。
中月が思うには今回の100万が原因というより、いままで積み重なってた事が原因なのでは?と思います。
中月が男だったらこういう女とは出会いたくないなと思ったのでした。
しかしこのティ◯ァニー100万さんには中月は一つだけとても感謝しています。それはまた別の記事で書くとしましょう。
ちなみにこのティ◯ァニーの指輪は後日に質屋にて30万円となり、海物語に溶けていったとさ。
ここまででウマポンがいかに小悪魔(?)かわかったかと思いますが中月はその後、ウマポンの意外な姿を見ることになるのでした。
それはある日、中月が夜遅くまでバイトし帰ってきた時のこと。
玄関のドアからリビングを覗くと、真っ暗だったので中月は皆もう寝てるのかな?と思いました。
しかしよくみるとほのかにリビングの奥で光が灯ってて何か音楽が流れてるのがわかりました。
中月は恐る恐るリビングの扉を開けてみるとそこには驚きの光景が広がってました。
真っ暗なリビングの中、ウマポンはイスに座っていて、テーブルにはキャンドル1本が光っていました。
そしてBGMにはEXI◯Eの「ただ逢いたくて」が大音量で流れてました。
中月は我が家で初めてみる光景だったので動揺しつつ、冷静にリビングの電気をつけました。
そしてよくみると、なんとウマポンは泣いていました。
暗い部屋にキャンドルと音楽と泣いているウマポン。
本当にウマポンには申し訳ないですが、
中月はただただ
この映画のワンシーンのような光景が
めちゃくちゃ面白かったです。
中月は必死に笑いを堪え、深呼吸して、ウマポンに「…どうしたの?」と尋ねます。
そしてウマポンは泣きながら中月に事情を話してきました。
ちょっと前から実はいい感じだったお客さんがいたと。お店とは関係なく会うようになりプライベートでデートもしていて、ウマポンはその男性と結婚したいと思うようになり、あっちもウマポンの事を好きだと言っていたので思い切って「結婚して欲しい」と電話で言ったそうな。
ウマポンはいけると確信していたのになんと相手から断られてしまったそうです。
理由を聞いてみると、
「嫁も子供もいる」
と男性に言われたそうです。
つまりはウマポンは不倫相手だったのです。
そう言われてウマポンはショックのあまり一日中泣いていたそうです。
今まで散々男を手のひらで転がしてきたウマポンが、なんと男に遊ばれて泣いているのです。
中月はこの時初めて、ウマポンも人間らしい可愛いとこあるやんって思いました。
しかししばらくするとウマポンは急に立ち上がり、玄関の方に向かいました。
中月は驚いて「どこに行くの?」と聞くとウマポンは
「やつの家に行って家庭を壊してやる!!」
と言い出しました。
ウマポンなら本当にやりかねないし、流石にもう夜中だし修羅場を起こすのは勘弁と思った中月はウマポンを止めようとします。
ウマポンが暴れてるなか中月はあることに気がつきます。
「ていうか家知ってるの?」
「いや知らない」
なんだよこの茶番。
知らないんかいって突っ込んだとこでウマポンも少し落ち着いて「もういいやあんな奴」と言って寝室に入っていきました。
それからはもう不倫男とは連絡とらず数日間やけ酒したのち少しずつまた元通りのウマポンに戻っていったのでした。
中月はあんなナイーブなウマポンは初めてみました。
ていうか親の恋愛してる姿をそんなに見れる子供って少ないのでは?と思います。
その後も何度か夫探しをするウマポンですが結局誰とも結ばれることはありませんでした。
そして自身の恋愛に諦めたウマポンは中月に
「愛はなくてもいいから金持ちと結婚しろ」
というが口癖になったとさ…
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