RSS(root mean square)という宗教
「言っちゃいけないことはたいてい正しい」という言葉を本屋で見かけました。「身も蓋もない」を身も蓋もない表現に書き換えたものということですかね。
設計をするうえで公差設計・誤差解析はマストだと思います。
設計するうえで、RSS(root mean asuare)で累積誤差を検討することがあるかと思います。RSSの意味や使い方はググればいくらでも出てきますのでここでは割愛しますが、留意事項を下記に残します。
1.規格・インターフェースはLS(liner sum)が大前提
ネットで累積誤差を検索するとRSSばかり書いていますが、まずはLSが大前提で設計することを心に刻んだほうがよいと思います。設計を進めるうちにいろんな制約に気づいて、いつの間にか公差をマージンと勘違いしてしまいます(厳しい局面になればなるほど)。
しかし、RSSによる公差設計は、おそらく真面目にやればやるほどボロが出ると思います。また、どこかの部門や部品に無理をさせている可能性があります。まずはLSで成立するものを設計しましょう。
2.RSSしてよい誤差かを考える
例えば単に図面指示で±Xmmなど規定して出図したとして、これは単に「規格値」ですね。正規分布している保障は何もありませんし、他の誤差要因と独立でないかもしれません。その辺の理論は調べたり考えればいくらでも出てきますね。
3.結果を確認する
うまくいった場合の振返りは、時間が無い中でもやりましょう。思わぬ悪い面が、思わぬ良い面により顕在化せずに済んでいることがあると思います。次の設計の「自分の中のマージン」を作っておきましょう。
以上です。実際にはRSSで設計して、作ってみてうまくいくことが殆どですが、RSSという宗教よりは、LSという宗教の方がましだと思います。誤差に鈍感にならないように気を付けたいと思います。