津原泰水さんと幻冬舎・見城徹さんのTwitter炎上事件
私が集めたものだけを、ただ羅列します。
単なるメモです。敬称略。
この件で、いろんなことがわかったし、とっても勉強になった。コメントしている作家や評論家、編集者、出版関係者たちそれぞれの考えや姿勢が浮き彫りになって、本当にTwitterは「バカ発見器」なんだな、と今更ながら思ってしまった。
リベラルであるってどういうことなんだろう、と考えてしまう。
花村さん、豊崎さん、ろだんさん、めちゃくちゃカッコよかったなあ。
あと、共和国さんの「1000部の尊さを知れ」はしびれました。
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津原泰水
冗談じゃない。俺、幻冬舎から文庫出せなくなったんだぞ。
本当ですよ。だから幻冬舎文庫4月刊がハヤカワ文庫6月刊になった。出版社間の作品の取合いと誤解されないよう、沈黙していました。見城さんは人格者だしツイッターアカウントもお持ちなので、問えば正直に答えてくださるでしょう。「我が社の営業部は『日本国紀』を批判する作家の本は売らない」と。
まあ違法な圧力ですよ。しかし屈する気も被害者ぶって世論に頼る気もないし、作品に自信があるので、淡々と他の版元をあたり、文庫はどうなったか、という嘲笑めいた有本香氏の挑発にも、空惚けておりました。幻冬舎に告げたいのは一言、「小説そのものに興味がないのなら、小説家には近付くな」です。
塩澤快浩(ハヤカワ文庫担当編集)
津原泰水さんの『ヒッキーヒッキーシェイク』(ハヤカワ文庫JA/6月6日発売)について一言だけ。幻冬舎さんとの間で何があったかは、僕のあずかり知るところではありません。ただ、この小説の素晴らしさに、文庫版が世に出ないことがあってはならないと義憤のような感情に駆られたことは確かです。続
実際のところ、僕の文芸編集者生活20年の中でも指折りの作品であると確信しています。この小説が読者に受け入れられないのであれば、もはやこの世界に文芸なるものは必要なく、僕が編集者でいる意味もない。「人にこのような美しい感情を抱いてもらうことにこそ、文芸の価値はあるのだと」。続
というわけで、僕の文芸編集者としての矜持をこめて、津原泰水『ヒッキーヒッキーシェイク』文庫版には、次のようなコピーをつけさせていただくことにしました。「この本が売れなかったら、私は編集者を辞めます。 早川書房 塩澤快浩」。よろしくお願いします。
箕輪厚介
なんだそれ。笑
祈ってないで届けるための方法を死ぬ気で考えて必死で実行すればいいのに。
津原泰水『ヒッキーヒッキーシェイク』に興味を惹かれ、今すぐ読みたいと思ったあなたには、幻冬舎の電子書籍版がおすすめです。いや、あとで文庫版も買ってほしいですけど。
須藤玲司
早川書房の名編集者・塩澤さんが、編集者人生で何度も使えない手法で、津原泰水の新刊を届ける方法を考えて実行したので、もともと買うつもりなかったぼくが1部買うことを決意しました。
幻冬舎の編集者は死ぬ気でどんなことやってるのかなあ。
早川書房の名編集者が、文芸編集者としての矜持をこめて、驚くほど必死で売ろうとしてるとこに、売るのを放棄した幻冬舎の編集者が「祈ってないで必死で売れ」と嘲笑する、かなり意味不明な反応。え、いつ祈ったの。
「《矜持をこめて》と《祈りをこめて》を間違えたのでは」との解読リプライで脱力。
箕輪厚介
「文芸編集者としての矜持をこめて、驚くほど必死で売ろうとしてる」←これが祈りなんですよ。具体的にどんなカードを使い切るか、反応を見て、そのカードを入れ替えるか、新しいカードを作るか。ほかのビジネスでは当たり前のことを、出版界は謎の想いとか美学でうやむやにしている。
宇野常寛
箕輪さん、塩澤さんは器用なタイプじゃないけれど、作品に真剣に向き合ってくれる僕が本当に尊敬する編集者です。
箕輪さん自身がよく言うように、これからはむしろ塩澤さん的な技術が重要な時代になります。
箕輪さんの開拓したものと、塩澤さんが蓄積したものは決して対立するものではありません。
箕輪厚介
なんか矜持を祈りと読み間違えたみたいな謎の話が湧いてるんだが、読み間違えてない。他社から持ってきた文庫に、これが売れなかったら編集者を辞めるって帯に書くって姿勢に、他力本願的な祈りを感じただけで。本って売るために死ぬほどやることあるから。まあ、僕には関係ない世界の話です。
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5.15.12:02
花村萬月
俺が駆け出しのころだ。見城がまだ角川書店にいた時代だ。角川書店担当Sに上司の見城を紹介された。編集者なのにチープな文学意識の抜けていない薄気味悪いマッチョだった。自費でつくったらしい阿部薫の本をわたされた。ま、それはいい。
見城は仰有った。
ボクは小説は最後しか読まない。
それは文字通り、小説のラストだけ目を通して、すべてを決めるということで、雑念が入らぬぶん、当たりを出せるということ──らしい。
俺がまっさらの新人だったから口を滑らせたのだろう。
俺、角川書店との仕事をやめようと思った。でも、まあ、見城は俺の担当じゃないし、担当Sとはとても馬が合うので、思いとどまった。
当時、見城に靡いている作家がたくさんいた。バカじゃねえの。最後しか読まねえ編集者にお世辞を大量にぶち込まれて、とてもよい気分。なにせ、あなたの作品が大好きっていう手紙を書くのが特技のすばらしい編集者だからね。最後しか読まないけれど。
俺は一切幻冬舎と仕事をしていない。だからなんでも書ける。幻冬舎と仕事をしない理由は、もちろん最後しか読まない編集者の会社から本を出したくないからだ。
幻冬舎には、俺の担当もいたが、幻冬舎の仕事は一切しないと告げた。徳間書店から幻冬舎に移った某編集者が次の担当になったが、そしてとても仲のよい編集者だったが、彼にも言った。幻冬舎とは仕事をしない──と。彼は、もろ涙ぐんでいた。
彼には悪いことをしたが、詐欺師の会社から本を出すわけにはいかない。
ボクは小説は最後しか読まない。
まったくすばらしい処世だ。
山周賞の選考をしていたとき、〈天国への階段〉を読まされた。亡くなった方のことを悪く言うのではない。この本、増刷を重ねているのに(わたされたものはずいぶん版を重ねていたものだ)、凄まじい誤植の数に呆れ果ててしまった。
こんな雑なつくりの本屋から本を出さないと決めた俺は正しいと確信した。
ねえ、俺に似た頭の貴男、見城にいろいろおだてられていい気分かもしれないけれど、多分、最後しか読んでないよ~
わはは。すばらしい出版社であり、すばらしい経営者だ。以上。
あ、付け加えるとね、角川書店の担当Sだが、見城が幻冬舎をつくったとき、移らないのかって訊いたら、『もう、虐められるのはいやですから』だって。
こんどこそ、以上。なんか久しぶりで止まらなくなったが、なんだ、この細切れは。最低だな、ツイッター。ま、放置しておくことにする。
あ、細かい俺は思い出した。幻冬舎から一冊本が出てる! 推協のミステリーの書き方みたいな本だ。推協の多数の作家の文章が載っかっているやつだ。いつのまにか書籍化されていて、ま、書類とかに一切目を通さない俺が悪いのだが、これは不可抗力ということで──。
津原泰水
萬月さん、わざわざ一緒に矢面に立つ必要なんてないのに、なんて優しいんだろうな、昔から、いつも、ずっと。
花村萬月
SNSに興味をなくして、まったく触れていなかった。ツイッターもやめてしまおうと久々に覗いたら、津原泰水と幻冬舎のことが目についた。
俺からすれば津原もじつに面倒臭い奴だが、それは津原の繊細な美意識がもたらすものだから、そして俺は編集者じゃないから付き合わなければよいだけのこと。
津原泰水
さっき、なに被害者づらしてんのって人にコメントしてて気付いたんだけど。なんかさ、「なんだ貴様、何が欲しいんだ!?」みたいになってませんかね、幻冬舎。何も欲しくないです。普通にツイートしてたらバズって、嘘つき扱いする人達や訴訟をちらつかせる人が現れ、ほんとだよって証拠を見せてるだけ。
炎上だ売名だって云われても、『ブラバン』なんてたった10人の版元から出して新聞記事になるほど売れたからね、『ヒッキー』が売れなかったって社長から云われても、え、それは売り方が……としか思わない。あとから書いたぶんクオリティは上がってるから。読んだ人なら解るわけで。
じゃあなんで訴訟だなんだって話になるのか。僕の作品をツイッター言論ゆえに切ったとなったら、僕はそんなに怒ってなくてもマスコミ的には美味しい(幻冬舎的には拙い)からでしょ? 要するに自動車事故を起こして、相手は無事だったけど事故は事故、みたいな。だから必死に事故ってないと云う。
そのうち何をやりたいのか判らなくなって、俺にも確認できない実売部数晒しとか始めちゃって、まるで格闘家が試合前のパフォーマンスで大怪我してるみたいな状態なわけですよ。世の編集さんたち作家たちは激怒するか、幻冬舎の実力ってそんなもん? と嘲笑。俺はひたすら、ぽかーんとしてる。
俺は面白い作品しか編集者に渡さないから、売れなかったと云われても「まあ凹むなよ」としか思わない。嘘だと思うなら『ヒッキーヒッキーシェイク』読んでみるといいよ。ちなみに織田作賞やSUGOI JAPANの最終候補にも入った。下選の目を節穴だと思うなら、文学賞って全部駄目って話になる。
実売部数晒しが、こいつ売れないぞ、拾っても無駄だぞ、ざま見ろって自爆テロのつもりだったとしても、刷り部数が1万行ったら万歳三唱の時代に、そう悪い数字でもなかったりする。頑張れば黒字ラインに持っていけた筈。そんなん無理だって云うなら出版社畳めばって話だ。何がしたかったんでしょう?
ノープロモでそこまで行ったの、俺の固定ファンのお蔭だと思わん? プロでも小首をかしげる超マニアックな音楽エッセーを「解らないけど文章が好き」って買ってくれる読者が1,000人もいる。ぜんぶ夢かと思うほど素晴しい人生だ。ほんと誇らしい。それとも100万人に満たないと読者じゃないのかな?
2019.5.16.7:25
津原泰水
やり取りの大半はメール。「会社に来て、いろいろ考えてみましたが、『ヒッキーヒッキーシェイク』を幻冬舎文庫に入れさせていただくことについて、諦めざるを得ないと思いました」と1月8日15時54分受信の担当メールに残っています。これを読み、僕の方から袂を分かったと感じる人はいないでしょう。
遡って9時27分「年末から電話に出ていただけないのでメールを差し上げました。文庫ゲラについてのお尋ねもあったのですが、同時に、津原さんのツイッターについても…… 社内でも『どうしてここまで?』と白い目で見られ、ついに私も肩身が狭く居心地悪くなってきました」とのメール。
久々に携帯電話を確認しましたら、びっしりと着信履歴。で、折返した。出勤中だったみたいで駅にいらっしゃるような背景音。誰が文句を云っているのか、僕にどうしてほしいのかを問いました。ごにょごにょと誤魔化すので何度も問いました。前者についてのみ「営業部長」との回答を引き出しました。
要求を云えないんですよ、云えば違法だから。「そうですねえ……まあなんとか」と甘え声を出すばかり。「営業が協力できないって、幻冬舎文庫に入れても死蔵される、無駄弾ってことだよね? それ背任じゃないの?」とは云いましたね。遅刻すると可哀相なので、ちゃんと考えてくれと早めに切りました。
喋ったのは20分くらい? 電話の時間は短く感じるので30分くらいだったかも。会社からまた連絡があると思っていたので、電話を持ち歩いていたんだけど、それきりかかってこなくて、気が付くとメールが入っていた。その要件が冒頭の引用。お読みのように取材への回答とは正反対で、彼が決めています。
正直、僕は、拙作を厚遇するから黙ってくれ、或いは『日本国紀』の支援のまわってくれ、とでも云われるのか? それはそれで面白い、と思っていました。例えば『ガリバー旅行記』のように見立てて、虚実綯い交ぜに楽しむ方法を作品として発表するとかね、電話を待ちながらそこまで考えていました。
だから18時41分、彼への返信にこう書いています。「出版中止にあたっての、なんらかの条件提示、遵守事項の確認があるのかと思ったけど、何も無いって、ちょっと笑ってしまうというか」
「これで僕は幻冬舎とは無関係な存在なので、『日本国紀』について黙っている道義はないし、『版元が変わりました』ってだけで読者には何が起きたか判ってしまう。幻冬舎、何がしたかったんだろう? としか。もうレッドパージそのもの」
この時点から僕はメールに相手の文面を残し、幻冬舎文庫版『ヒッキーヒッキーシェイク』関係者とエージェントにこっそりBCCしています。証拠を残しとかないと、何されるか判んないと思ったから。カバーの画家、装丁家、解説者、全員が僕の人脈、僕のお膳立てですよ。いい加減にしろっていうか。
以上を固く黙っていたことで、僕が幻冬舎の面々を恨むどころか庇っていたこと、広くご理解いただけたかと思います。出版界の信頼にかけての批判行為をプロレス呼ばわりされなければ、たぶん全部、ずっと黙っていましたし、新聞で大嘘をつかれなければ、こうしてメールの一端を出したりもしなかった。
業務メールなので全文公開して構わないのかもしれませんが、今のところ、証拠保持を含め僕に虚言がないことと、相手の問答無用ぶりさえ伝わればよいので、他は伏せて。
受け取ったときの僕の顔も残っていました。
( ゚Ω゚)
まじ他の作家諸氏に問いたいんだけど、正月早々、こんなメール受け取ったことありますか? ゲラ、せっつかれて直してんだぜ?
5.17.
津原泰水
「売れたなら作家の手柄、売れなかったら出版社の責任」と当然のごとく語る編集者たちに育ててもらい、親も同然に慕い、彼らから受けた御恩を読者や後進にリレーするのが物書きの務めと信じ、生きてきた俺には、なかなか新鮮な出版社であったよ、幻冬舎。
見城徹
津原さんの[日本国紀]及び著者に対する誹謗中傷は執拗に続き、担当者は沈黙を破って「これでは、私の立場がない。困ります」と電話をしたのです。ならば袂を分かとうと津原さんが言い、文庫化中止の意思は担当者に伝わったのです。やがてメールのやり取りの全文も何らかの形で明らかになるでしょう。
これらのやり取りと決着は1月の初旬のことです。それを4ヶ月経った今、他社から文庫が間も無く出版されようという時に何故、突然に問題にするのか理解に苦しみます。こちらとしては文庫出版権を快く放棄し、他社から文庫化された場合のロイヤリティも放棄したにもかかわらずです。
花村萬月さんに関してはあそこまで悪口を書かれるのは僕の不徳の致すところとしか言いようがありません。何故なら、僕はデヴュー当時の花村萬月さんの作品も人となりも好きだったからです。しかし、花村さんは僕のことを不快に思っていたことが良く解りました。身から出た錆と胸に刻みます。
花村萬月
親切な方から訴訟云々というメールをいただきました。訴訟っていうと『先生に言いつけてやる~』ってニュアンスしか感じません。垢抜けないね。中身のないマッチョをさらすなよ。なんか俺の名前を挙げているようでもないし、よくわからないんだけれどね。
ハッタリをかますにしても、編集者が小説を読まないということを放言して、それでいいと思っているのか?
そもそも津原の文庫の件に呆れたことから始まったツイートだ。あれこれあったのかもしれない。津原はしつこいから腹に据えかねることもあったのかもしれない。だが人格と作品はなんの関係もない。その作品が優れているならば黙って本にするのが出版社の矜恃ではないのか。
おまえら、いったいなにを売るつもりなんだ? 出版社、やめちゃってるじゃん。本という名のなにかを売ってるだけじゃないか。お金儲けは、愉しいかい?
あ、訴訟の話か。見城は俺と部下たちのいる前で『ボクは小説の最後しか読まない』と放言してるんだよ。証人、複数。俺は訴訟云々真に受けてないけど、どうぞ訴訟してください。
俺は売文の輩だから。で、おまえんとこは俺のほうから仕事をするのを拒否してんだよ。見城様ほどお金は持っていないけれど、それでも年商が億に近かった時代もあったし(あの金、どこに消えたんだろう──遠い目)、金銭的にはさほど不自由しておりません。
いま光文社、小学館、集英社(二本)、講談社と連載を五つ抱えております。幻冬舎様におすがりしなくとも充分に生きていけます。
なにが言いたいのかといえば、繰り返しになるが、俺は売文の輩なんだよ。堅気の会社員じゃあるまいし、訴訟をちらつかせても、何の意味もないよ。訴訟、OK。裁判にも出ねえし、金も払わねえ。もともと少年院のようなところに入れられていた男ですので、あなた方と価値観がまったく違います。
なお、てめえで売っておいて言う科白ではありませんが、ケンカはとことん買いますから~ 御社の社員からはいろいろなことをお聞きしております。敬具。
OGAWA Kandai
「本の実売数に応じた印税しか支払わない」ことの何が問題かというと、基本的に作家さんサイドがその実売数を正確に把握することが困難だから。大抵の作家さんは版元の報告数を鵜呑みにするしかなく、自分自身でその数を検証するのは相当に難しい。つまり悪意ある版元なら印税のちょろまかしもできる。
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共和国
1000部の尊さを知れ
須藤建
見城徹のツイート,もう何人もの人が指摘してるけど,本を売るのは版元の仕事だから,初刷5000部に対して1000部も売れませんでしたっていうのは,版元の責任大だろう.書き手に対して敬意がないのはもちろんだが,自分の仕事も全うできていないということを,満天下に晒しているようなものだ.
高橋源一郎
見城さん、出版社のトップとして、これはないよ。本が売れなかったら「あなたの本は売れないからうちでは扱わない」と当人にいえばいいだけ。それで文句をいう著者はいない。でも「個人情報」を晒して「この人の本は売れませんよ」と触れ回るなんて作家に最低限のリスペクトがあるとできないはずだが。
内田樹
やはりここまで来たら日本の作家は「幻冬舎とは仕事をしない」ということを宣言すべきだと思います。僕はもともと幻冬舎と仕事をする気がないし、先方も頼む気がないでしょうから「勝手なことをいうな」というお立場の作家もいるでしょうけれど、それでも。
豊崎由美
内田さん、それはまさに「勝手なことをいうな」ですよ。そんな馬鹿な扇動はやめてください。わたしたち出版に関係する者が目指すべきは、幻冬舎を潰すことじゃないはずです。見城徹という人物が体現している非道や無体を正すということではないでしょうか。
内田樹
見城さん、問題のツイート削除して、謝罪したようですね。過ちを改めむるに憚ること勿れ、経営者としては適切な判断だったと思います。でも、この発言で幻冬舎の経営理念ははっきりしたので、まともな作家たちはもう二度と相手にしないと思います。
豊崎由美
見城徹は謝罪すべき相手、津原泰水さんには謝っていません。あと、「まともな作家たちは」云々のくだりは、これから幻冬舎の心ある編集者と仕事をしようとしている作家たちへの抑圧になります。もう少し言葉を選んではいかがでしょうか。
平川克美
わたしの場合も、二度ほど熱心な編集者から執筆依頼されましたが、この社長のことが引っかかっていてお引き受けしませんでした。(編集者はとても誠実で、仕事のよくできそうな方達でしたけど)。これからも、幻冬舎から本を出すことはないでしょう。
豊崎由美
嘘か真か、両村上に関するこんな伝説が出版界にはあります。見城氏は執筆依頼をする時バラの花束を抱え、涙を流しながら自分がいかに貴方の小説に感動したか切々と訴えると。その時、見城氏を抱きしめたのが龍で、「今後、僕の半径50m以内に近寄らないでほしい」と嫌悪を示したのが春樹だったと。
豊崎由美
津原泰水さんと幻冬舎に関すること、1週間程度燃えて忘れ去られるような案件にしてはいけない。見城徹が公式に津原さんに謝罪し、どうしてこんな出版社としてあってはならないようなことが起きたのかを誠実に経緯報告し、反省の弁を述べない限り、見城ならびに幻冬舎批判のツイートをRTし続けます。
万城目学
頼みます、幻冬舎。そこで連載し、出版することに作家が自信を持てる、日々原稿を書くことに納得ができる出版社でいてください。世間を狭く、息苦しくするのではなく、社会を広く、風通しのよいものにするために出版社はあるはずです。
見城徹
編集担当者がどれだけの情熱で会社を説得し、出版に漕ぎ着けているかということをわかっていただきたく実売部数をツイートしましたが、本来書くべきことではなかったと反省しています。
そのツイートは削除いたしました。申し訳ありませんでした。
豊崎由美
津原泰水さんと幻冬舎に関すること、1週間程度燃えて忘れ去られるような案件にしてはいけない。見城徹が公式に津原さんに謝罪し、どうしてこんな出版社としてあってはならないようなことが起きたのかを誠実に経緯報告し、反省の弁を述べない限り、見城ならびに幻冬舎批判のツイートをRTし続けます。
山崎ナオコーラ
幻冬舎さんの対応はちょっとひどい。作家として、今後、一緒に仕事をしたいとは思わない。
千街晶之
たぶん社長にはもう言葉は通じないと思うが、幻冬舎から本を出している作家たちも怒りの声を上げている現状を、幻冬舎の他の人たちは認識してほしい。幻冬舎から出した本で推協賞をとったばかりの葉真中顕氏が、その恩義ある版元に怒りを表明せざるを得ない心境をあなたたちは受け止めるべきだ。
GEISTE
私企業である幻冬舎が自社製品を批判した作家の本を出さなくても別によくね、みたいな意見が散見するが、津原さんは『日本国紀』みたいなパクリ本出されたら同じ版元から本を出している身として迷惑だという至極まっとうなクレームを入れただけのことで、あくまで法令遵守や出版倫理の問題なんだよね。
町山智浩
その前に幻冬舎は百田尚樹の「殉愛」が裁判で事実でないと認定されても謝罪も訂正もなんらせず、「日本国紀」で盗用が問題になっても謝罪しないまま重版で黙って盗用箇所を修正してるんですよ。著作者としては盗用を容認する版元を批判するのは当たり前です。
北條一浩
津原泰水さんの『ヒッキーヒッキーシェイク』文庫版、面白そうなので買います! ただ「この本が売れなかったら、私は編集者を辞めます」とオビに入れるの、私は違和感あります。覚悟は素晴らしいと思うけど、売り上げのほうに行くんですか? あと、売れたかどうかの線引き、何部にするのですか?
幻冬舎を吊るし上げるの、反対です。いい本、いろいろ出てます。いい編集者がいっぱいいる証拠。社長がバカなだけです。もう「幻冬舎嫌い」って言い方も悔い改めます(ずっとしてました、ごめんなさい)。
ろだん
幻冬舎・見城徹社長(@kenjo_toru1229 )の生き様や思考形態は嫌いじゃない。我らアフィカスに通じるものがある。
だからこそ津原さんの文庫化停止について、責任転嫁などせず、「幻冬舎の売上を落とすようなやつの本は出さない」と傲岸不遜に最後まで貫いてほしかった。
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大神ひろし
幻冬舎の見城徹社長が百田直樹を批判した津原泰水さんの著書の実売部数を「この人の本は売れてませーん」とばかりに晒した件だけど、単に「売れている本は良い本、売れていない本は悪い本」であるのなら、1945年の敗戦までに1200万部売れたヒトラーの我が闘争は良書だったのかよと甚だ疑問に思う。
mipoko
幻冬舎が傾くとしたら、不買ではなく作家の敬遠でだよね。一読者の外野の私ですら
・剽窃を容認
・作家と創作をリスペクトしない
・新人作家相手に印税を勝手に減額
・売る努力をしなかったことを社長が公言
・販売部数暴露で作家を侮辱
・編集者が他社の編集者にマウント
を見せられてる。
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津原泰水
実売数がそんなに低くて恥ずかしくないのか、版元への責任は感じないのか、と絡んでこられる方が後を絶ちませんが、売れるものを書いてほしいという依頼が僕には無いのです。リスクはこちらで負うから、まだ誰も読んだことのない新しいものを書いてほしいという依頼に、懸命に応じているだけなのです。
5.18.
能町みね子
幻冬舎の担当さんからメール来た。社長の非常識を謝られてしまったけど、社員さんは何も悪くないからいたたまれない。ツイッターをやめることを進言している社員も何人もいるらしいが、やめないんですって(このことは別に言ってもいいでしょう)。
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